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12/23開催【スタートアップピッチ】次世代の新常識「メタバース」〜バーチャルと現実の融合が生むビジネスの可能性 イベントレポート

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は2021年12月23日(木)に行われたイベント

【スタートアップピッチ】
次世代の新常識「メタバース」
〜バーチャルと現実の融合が生むビジネスの可能性〜

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、今最もアツい”メタバース”で注目のスタートアップ4社をお招きし、ピッチをしていただきました。

・そもそもメタバースって何?
・バーチャルイベントを利用すると何ができるの?
・VRSNSはどのように広がっているの?
・VR版オーディオを使うと何が違うの?
・バーチャルマーケットでは何が体験できるの?

といったことが気になる方に必見の内容となっておりますので、
ぜひご確認ください!

以下、各社のお話いただいた内容を紹介していきます!

■1社目:株式会社ハシラス/安藤様

1社目は、株式会社ハシラス 代表取締役社長 安藤 晃弘様にご登壇いただきました!

<株式会社ハシラス 代表取締役社長 安藤 晃弘様>

300株式会社ハシラス安藤

創業メンバー兼経営陣は実は全員が元マジシャンのXR制作チーム。
VRイベントサービス「めちゃバース」により、XR Kaigi Online 2021の展示会ホールとTechBiz 2021のピッチバトル会場をバーチャル化。

・メタバースとは?

メタバース」とは、3Dで表現されたインターネットのことを指します。
「現実の不自由さから解き放たれた、現実の代わりになる新しい選択肢」とも言われ、
買い物に歩いて出かけるのか、もしくはオンラインショッピングにするのかを選べるように、メタバースでもあらゆる行動を代替できるようになるでしょう。

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・遊びを代替するメタバース
・オフィスを代替するメタバース
・買い物を代替するメタバース

このような個性を持ったメタバースが、相互に影響しながら進化していくのです。

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・ハシラスの事業内容

ハシラス社がつくるメタバースの個性は、「仲間たち全員で集まる場」を代替し、チームワークを高めるメタバースです。
なぜ「仲間たち全員で集まる場」をつくるのでしょうか。
対面とリモートがハイブリッドで用いられる現代の社会では、大勢が物理的に同じ場所に集まる難易度が高くなってしまいます。
そこで、次のように組織が一枚岩となって同じ目標に向かうためのバーチャル空間が求められているからです。

・リーダーからの言葉を伝える会
・表彰や発表の場
・新たに入ってきた仲間を迎える会
・全員で参加交流するレクリエーション​

実はチームワークを高める会合を代替するものというのは、現状存在しません。
最も期待されているメタバース自体でさえ、「小部屋に分断された体験」となっているのです。
別のインスタンスにいると、お互いを見ることができず交流できません。
登壇者からは観客の一部しか見えないのです。
小部屋に分断された一方通行体験では、チームワークが高まりません。

では、どうすれば「仲間たち全員で集まる場」ができるのでしょうか。
例をいくつか挙げてみます。

・1インスタンスに大量に入れるようにする
・誰でも簡単に使えるようにする

以上のような背景を踏まえて、ハシラス社が開発・提供しているサービスが、「めちゃバース」です。
サービス名は「めちゃ簡単でめちゃ沢山入れるメタバース」からきています。
めちゃバースの特徴は以下になります。

・Webブラウザーで参加するタイプのメタバース
・プレー開始までの手続きが非常に少ない
・他では実現できない3000人超の相互可視化

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さらに、イベント用に特化したサービス「めちゃイベント」も展開しています。
これは社内イベント用パッケージで、以下のような機能を持っています。
キャッチフレーズは「社内イベントは全社員、メタバースに集合」です!

・登壇・発表機能:
ステージ上で巨大スクリーンを用い、資料を投影しながら話す。
発表を聞いている人は、リアルタイムで思い思いのリアクションやコールレスポンスを返す。

・ライブ中継機能:
外部の配信サービスを用いて、生中継映像をバーチャル空間内に手軽に配信できる。

・コミュニケーション機能:
特定エリア内でのみ音声チャットが有効になり、少人数でのラウンドテーブルミーティングが可能。

・クイズ(レクリエーション)機能:
最大数千名の参加者全員で行う大規模クイズ大会を手軽に実施可能。
成績上位者の表彰も可能。
設問が自由に設定でき、自社をテーマにした設問を設けてエンゲージメントを高められる。

・運営機能:
全参加者に対する文字と音声によるアナウンスが可能。
参加者への招待URLの発行・送信が可能。

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リモート会議があらゆる企業に定着したように、
今後は「仲間たち全員で集まる場」はメタバースで行われるのが当たり前になるかもしれませんね!

■2社目:株式会社ambr/西村様

2社目は、株式会社ambr 代表取締役CEO 西村 拓也様にご登壇いただきました!

300ambr西村

東京大学法学部卒業後、株式会社インスパイアにてプライベートエクイティファンド運営・大企業における新規事業開発プロジェクト等の業務に従事。
その後、外資系AIベンチャー、国内エンタメテックベンチャーの取締役を経て、株式会社ambrを創業。

・ambrの事業内容

あらゆる個人と企業がウェブサイトを所有する未来が訪れたように、仮想空間はあらゆる人類にとって、なくてはならない当たり前の存在に確実になりつつあります。
それは遠い未来ではなく、2021年時点ですでに月間利用者数が1億人を超える仮想空間上のサービスが複数存在し、仮想空間でのトップアーティストのライブは同時接続4000万人を記録しています。
メタバース時代の到来は不可逆的な変化なのです。

そんな中で、最高の仮想空間体験を創造する日本発のグローバルメタバース企業ambr社は、創業当初から「ユーザー体験」を第一にした仮想空間創造に取り組んできました。
あらゆるシステムやグラフィックは、あくまで「ユーザー体験」を生み出すためにあります。
開発の都合でもビジネスの都合でもなく、仮想空間の「ユーザー体験」を追求し続けるambrは、世界で最も優れた仮想空間体験を創造するチームを目指しています。

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・Metaverse Creative Studio
ユーザー体験の最大化」を軸に、クライアントと共に、まだ見ぬ新しい仮想空間及びメタバースを創造したのが、「Metaverse Creative Studio」です。

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全ては「ユーザー体験」のため、どんなプロジェクトにおいても、それを楽しむユーザーの喜びや驚きの最大化を常に目指します。
決まった仕様に基づく開発ではなく、”つくって、こわして、自ら体験して”を繰り返し、バーチャルでしか味わえない全く新しい体験を生み出します。

そして強固な基盤の上に「ユニークさ」を意識し、安定した自社の基盤技術プラットフォームにより大幅な開発の効率化を行うことで、そのプロジェクトの固有性を引き出す新規機能開発やUI/UXデザイン、専用アプリ化など、ワンアンドオンリーな体験の創造に注力しています。

さらに、次の「スタンダード」を共創することも重要視しています。
単発のキャンペーン実施にとどまることなく、メタバース以降の人類のスタンダードを常に想像し、VR技術を活用した新しい事業の共創に一緒に取り組みます。
受託モデルではなく、プロフィットシェアモデルでの取り組みに特に力を入れています。

・日本発のVRSNS「仮想世界ambr」
ambr社は、日本発のVRSNS「仮想世界ambr」を自社独自で企画・開発・運営しています。
2019年に日本発のVRSNSとしてベータ版をリリースしました。
仮想空間として、ゲームやイベント、クラブ、ミュージアムなどのコンテンツをリリースし、サマーウォーズ”OZ”やソードアート・オンラインのように、様々な仮想空間・体験にアクセスできるプラットフォーム実現を目指した試みとして、日本人のVRユーザー数千人が利用しました。

例えば、現実のバーをバーチャル化し、「VR飲み会」の実証実験を実施しました。
その際には実在する有名バーのバーチャル店舗を制作。
コロナ禍でZOOM飲み等が流行る中で、新しいライフスタイルとしての「VR飲み会」の体験を提供しました。

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また、東京ゲームショウ初のVR会場TOKYO GAME SHOW VR 2021を、ambr社と資本提携を結ぶ電通グループと共創して企画から開発まで実施しました。
単なるプラットフォーム提供にとどまらず、
・コンセプト設計
・体験設計
・空間設計
・プラットフォームを用いた基盤開発

などをゼロから手掛けたのです。

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このイベントでは、延べ来場者数は210566人、平均滞在時間は約27分、デバイス比率はVRが66.7%でPCが33.3%となっており、世間的な関心も非常に高かったことが伺えますね!

■3社目:DOKI DOKI, Inc. /井口様

3社目は、DOKI DOKI, Inc. CEO 井口 尊仁様にご登壇いただきました!

<DOKI DOKI, Inc. CEO 井口 尊仁様>

300ドキドキ井口

スタートアップCEO職を2度経験した後、DOKI DOKI, INC.を創業。
2019年1月にサービスローンチしたオーディオソーシャル「ダベル」が爆発的に利用されたことをきっかけに、米国の視覚障害者の熱烈なニーズを実感。
「人と声で繋がる」ことにフォーカスしたオーディオメタバースを開発普及している。

・DOKI DOKIの事業内容

「とにかく誰かと喋りたい。」
CEO職を2回ファイアーされ、絶望の淵で井口氏が見出した希望は、「知らない誰かと、好きなだけ喋れること」でした。
2019年1月にサービスローンチして以降、半年間は利用者がいなかったものの、米国の視覚障害者の方々が熱烈に使ってくれた時が”ダベル”ユーザーとの出会いだったそうです。
60%以上の全米ユーザーのうち、30%が視覚障害者の方々で、そこには常に「ヒトと話せる社会的接点」があったのです。

それから音声ストリーミングサービスやインフルエンサーマーケティングの世界を超えた「ヒトの生きる場所を作る」という想いで、日々の製品開発に注力してきたそうです。

この際、80%の満足度を得ることができましたが、次のような課題がありました。

・気軽に外出できない
・気軽にヒトと出会えない
・自己実現の機会が限られている
・他者への貢献が報われづらい

この問題に対して、「声で人が直接繋がり合える」ことの可能性に挑戦することこそが課題解決のイメージだと気づき、音から入る現実空間メタバースcubemint」の開発に踏み切りました。

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cubemintでは、「そこに居るだけで良い」という音声空間の存在だったオーディオメタバース開発の原点から、声でお互いが知り合い、世界中の誰かの問題に手を差し伸べ合う、その助け合いの連鎖が途絶えることのない価値循環を社会的空間に作っていくことを目指しています。
メタバースが、我々の生活を支えるこのような「社会」の大切な一部になるためのポイントは、

①デバイスの普及
②現実生活との接合性
③社会構造との整合性

をクリアすることです。

上記の課題を噛み砕くと、
①まず、メタバース固有の利用環境の普及は道半ばです。
VRヘッドセットは、2022年の単年出荷台数で610万台、累計台数で1640万台、2024年予測で3400万台だといわれています。

②また、VR世界と現実世界がパラレルワールドとして別々に存在してしまっています。
お互いの良さを融合できるところを探る必要があります。

③最後に、ゲーム内通貨などデジタルの資産価値や労働対価などが固有の環境内に閉じてしまっています。
その分断を超えられるようにしなければなりません。

これらの問題の解決策として、汎用デバイスを用いて現実世界を仮想世界で拡張するためには、

①誰もが使えるデバイスへの適合:イヤホンによる音声AR
②現実世界メタバースの影響:仮想空間を現実世界に
③クリプト経済の実装:NFT/DAOによる仮想空間のアセット再定義

がポイントになるでしょう。

詳しく見ていくと、
①イヤフォンによる音声ARは、AirPodの2020年単年の出荷台数では7280万台を超え、2021年には9000万台超の出荷が予測されています。
AirPods Proには加速度センサーとジャイロスコープが搭載され、オーディオメタバースの体験を支える空間オーディオを可能にするのです。

②また、小売店のデジタル化、日常生活インフラのデジタル化、音声AR入口でのVR世界との接点作りが可能となります。
スキマ時間のメタバース化では、GPS、歩行、心拍、外界音等の多様化するセンサーデータをメタバース空間に応用・反映できるのです。

③最後に、NFT/DAOによる仮想空間では、あらゆる仮想空間の登記や資産価値をブロックチェーン化できます。
これにより、全ての生産行為が対価を生み出し得る環境を構築できるのです。

ちなみに、1979年にWalkmanが登場して以降、音楽が持ち運び可能になり、1989年以降はゲーム(Game Boy)が、2008年以降はスパコン(iPhone)が持ち運び可能になりました。
この流れでいくと、2021年以降、メタバースの登場によって、仮想空間が持ち運べるようになるのではないか、と思っているそうです。

現在、cubemintは3D音声サービスを米国二社と共同で開発しており、
今後はオーディオメタバース試作品と、それに対応するNFTだけでなく、

・アプリのベータ版・パブリック版
・トークン発行
・AIエージェント
・タイムトラベルシステム
・デバイスとオートメーション化

に取り組む予定だそうです。

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2025年の世界人口79億人のうち1億人をカバーするであろうcubemint。
誰もが声だけで生活できる世界が実現するかもしれないですね!

■4社目:株式会社HIKKY/舟越様

最後に、株式会社HIKKY CEO 舟越 靖様にご登壇いただきました!

<株式会社HIKKY CEO 舟越 靖様>

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大手通信会社退職後、通信インフラ系開発・運用事業の設立を経て、自身の夢だったクリエイティブ分野へ進出。
2018年、VR事業に特化した「株式会社HIKKY」を設立し、世界中から100万人以上の来場者を誇りギネス世界記録を樹立したVRイベント「バーチャルマーケット」を主催。
ブラウザ上で動く独自のVRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud」も開発している。

・HIKKYの事業内容

HIKKY社では、「Creative Revolution」をビジョンに掲げ、誰もが持つクリエイティビティの価値が幅広く認められる世の中を創り出し、最も魅力的なバーチャル世界にアクセスできる体験を提供しています。
様々な作業等がAIなどに置き換えられている中で、人間にしか出来ない創造性を活かしたクリエイティブファーストを大事にしているそうです。
主な事業内容は2つあり、1つ目がメタバース事業、2つ目がオープンイノベーション事業です。
前者は、「バーチャル空間を発展させ、豊かにすること」を目指し、3Dモデルクリエーターの発展の場としてスタートした「バーチャルマーケット」を主なサービスとして展開しています。
後者のオープンイノベーション事業では、リアルと連携するメタバースサービス開発や実証実験を行っており、様々なソリューションを掛け合わせることで、新しい価値を創造するためのパートナーとしてこれまで私たちが培ってきたノウハウを積極的に提供しています。
GAFAMを始めとした世界的グローバル企業や、国内大手ナショナルクライアントとの直接取引もすでに実施しています。
今回は、1つ目のメタバース事業について主にご紹介します。

・バーチャルマーケット

バーチャルマーケットとは、様々なクリエイターが3Dアバターや3Dモデルなどの作品を無限に作って出展し、お客さんは作品を自由に試着、鑑賞、購入できるバーチャル空間です。

このバーチャルマーケットでは、

・ユーザーの手によって制作されたコンテンツUGC(User Generated Contents)であることが最大の魅力で、
・一企業が作成したプラットフォームとは違い、個人出展店舗数も桁違いに多く、
・世界中から100万人以上の来場者数を集める

ことができています。

昨年の来場者数は延べ114万人、一般出典店舗数は1100以上で、非常に活況だったことが分かりますね!

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このHIKKY社のバーチャルマーケットは、2つのギネス世界記録に認定されており、来場者数も順調に推移していることから、”世界最大のVRイベント”と位置付けられています。

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このように、世界最大のVRイベントを企画・運営しており、バーチャルマーケットをはじめとした数多くのイベント実績があるため、
そのノウハウを活かして、バーチャルイベントにおける企画立案から制作、運営、PRまでワンストップで対応することも多いそうです。

またHIKKY社は、同業種・異業種含め、著名IPを1つのイベントで同時に100以上展開し、某人気IPの3Dアバター販売実績は短期間で4桁万円の売上を記録しました。
最近では、株式会社NTTドコモを引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドのファーストクローズにて65億円を調達しました。
独立性を維持しながら、現在は同ラウンドのセカンドクローズも検討中だそうです。

案件事例としては、

・ウォルト・ディズニー様
・東日本旅客鉄道株式会社様
・SMBC日興證券株式会社様
・BEAMS様
・WEGO様
・ローソン様
・アウディ様
・大丸松坂屋百貨店様
・トヨタ様
・LDH様

とコラボしています。

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・Vket Cloud

通常、VR空間にアクセスするにはVRヘッドセットが必要ですが、
HIKKY社では、URLをクリックするだけでスマートフォンやPCのWebブラウザ上でVR空間にアクセスできる、VRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud(ブイケットクラウド)」を独自開発しています。
アプリのインストールも不要で、自社サイトやドメイン上にそのままVRコンテンツを設置することが可能なのです!

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キャラクターや建物など、見た目もハイエンドなものが提供でき、様々な事業のXR化、メタバース参入をサポートしています。

HIKKY社では、刺激的な体験を提供することで、バーチャル世界に「楽しみ」や「遊び」を創り出し、それらを広げていくことで文化を形成していきたいと思っています。
そして、バーチャル世界を豊かにしていくことは、ひいては現実世界を含めた人々の生活がより豊かになっていくことに繋がっていくと確信しているそうです。

まとめ

今回は、”メタバース”で代表的な4社にご登壇いただき、実務的な観点から
ホットなお話をいただきました。

VRならではの利用シーンだけでなく、サービス開発への思いや社会へ与える影響について、色々な事例を通じてお話いただけたので、身近に感じられたのではないでしょうか。

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!
引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

次回は、【先進セミナー】~世界最大のDeep Techカンファレンスで見えてきた最先端のトレンドとは~ をお届けします!
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