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意外と知られてない無在庫販売の圧倒的メリット

僕はBUYMA(バイマ)というサービスでファッション関連アイテムのオンライン販売を行っているのですが、95%くらいは無在庫販売です。

全て自己資金で回していて、まだまだ余裕があるのでもっと在庫を増やした方がいい面もあるんですが、あくまで無在庫主体にこだわっています。

現状はこんなかんじ。

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今日はゼロから起業や副業を検討されている初心者の方に向けて、その理由をお話ししたいと思います。

ちなみに、すでにオンライン販売をされていて、伸び悩んでる方はこちらもおすすめです!


無在庫はリスクが少ないので始めやすい!というメリットは周知の事実です。

それはその通りなんですが、もう少し掘り下げると、隠されたメリットがあります。

結論から言うと、無在庫の一番のメリットは「選択の自由が圧倒的に増える」というところです。

※主にファッション・雑貨小売に関わる個人や中小規模のショップに焦点を当てて解説します。

そもそも在庫を保有するということはどういうことか?

在庫を保有するということは、先行投資が要るってことです。
当然仕入れを行わないと、売り上げを立てれない。

売り上げを立てれないと、次の仕入れを起こせない。

つまりきっちり管理して、在庫をできるだけ多く、速く回転させないといけないのです。
ある程度の規模になれば、そこに人件費という重苦しい固定費がのしかかります。

そのリスクを全て背負ってるんだから、相応の利幅がないと割に合いません。

だから無在庫に比べ利益率を高く設定できる、というのが大きなメリットの一つであり、無在庫との大きな違いです。


在庫保有のメリットが薄れている理由

上記が従来のモデルですが、時代と共に大きな変化が起きています。

しかも猛スピードで訪れてしまい、本来のメリットが消滅しつつあります。


①ビジネスモデルの多様化

ネットショッピングが普及し、楽天、アマゾン、メルカリ、BUYMA 、Yahooショッピング、Wowma!など多数のオンラインモールが出現しました。

インターネットが普及しすぎて自社ショップでの集客が難しくなった今、
多くのショップはモールに出店します。

出店すると、集客をしてくれる代わりに、手数料を取られますよね。モールによっては固定で月額費用まで取られます。

となると当然利益は圧迫されます。これもモールによりけりですが、平均して売り上げの10%前後も取られます。

10,000円の商品で利益率50%なら、5,000円ところが4,000円になってしまいます。
1億円売り上げたら、1000万円も取られてしまいます。

ヤンキーのカツアゲよりも恐ろしい!


②競争激化

モールがたくさんの人を集客してくれるのは確かにありがたい。でもたくさんのお客さんが集まり、たくさんのショップが商品を同じところに並べるとどうなるか?

当然お客さんはより良い商品、安い商品が探しやすくなります。モールはどんどん商品を買ってほしいので、もっともっと探しやすくしてくれちゃいます。

ショップにとっては大事な大事な資金を投入し、在庫リスクを全部背負って販売している商品が、他の販売者の同じ商品とキレイに並べられ、価格順にさらされるようになります。

熾烈な価格競争のとなり、値下げ戦争の始まりです。

値下げをするということは、またもや利益が圧迫されます。

あれれ?

ちょっとおかしいですよね?

モールがたくさん集客してくれるから、ただでさえ手数料払って出店してるのに、そのモール内でもっと利益を削らないといけないという事態に陥ってます。

だからといって値下げをしなければ売れなくなってきます。
在庫は回転させないと売りを立てれません。売りを立てれないと次の仕入れも起こせません。

利益が圧迫される上、どんどん逃げ場がなくなってきます。


③価値観の多様化

とはいえ一昔前は必ずいつでも安定して売れる定番ブランドやアイテム、供給が追いつかないほど爆発的に売れる流行り物がたくさんありました。

例えばキムタクのドラマ時着用のダウンとか、梨花愛用のバッグとか大爆発してましたよね。

でも最近って芸能人愛用の商品とか、昔ほど話題にならなくないですか?

ネットの普及で情報が多様化して、ライフスタイルや好みが分散するようになってきました。そもそも物欲がない人も増えてきました。価値観の多様化です。

つまり昔ほど、これさえ仕入れとけば飛ぶように売れる!みたいな商品が少なくなってきたんです。

知り合いの創業30年近くショップを営んでいる百戦錬磨の社長さんでさえ、「最近なにが売れるのかマジでわからん!」ってぼやいてました。

そうすると在庫を保有するの、めちゃくちゃ怖いですよね?

怖くなるとどうなるか?

昔程わかりやすくなくなり、爆発力がなくなったとはいえ、定番の売れ筋商品というのはいつでも存在します。

そういう無難なブランド、安定した定番品にセレクトが偏ってきます。

逆に言えば新規ブランドや新作にチャレンジしづらくなってきます。

そんなショップがわんさか増えるので、販売商品はさらに被ってくる。被ってくると当然価格戦争もさらに激化。

在庫保有のリスクが加速

在庫保有は資金が少なければ少ない程、本来のリスクは変わらないのに利益率はどんどん下がり、ラインナップは縮小せざるを得ないという踏んだり蹴ったりの時代が訪れています。

もっと言うと、利益率が下がるから回転を上げないといけない→回転を上げるために競合よりも値下げする→利益率もっと下がる→という悪循環のオンパレードに陥ってるショップさえいます。

これは推測で話しているわけではなくて、実際に直面したお話しです。

アパレルバイヤー時代、

トガっててオリジナリティあふれるセレクトが売りだったのに、無難なアイテムだけ揃える単なる普通のショップになってしまい価格競争に潰されたショップ
自分のセンス、プライドを大事にするあまり、時代に逆らった価格設定、独自のオリジナルショップにこだわった末、趣味の延長みたいな誰も買わないただの洋服展示屋さんになっちゃったショップ。
不良在庫が積み上がり、資金繰りの悪循環に陥り”飛んだショップ”

など多くの実例を見てきました。


売れるものがどんどんわかりにくくなっている中で、利益率が下がりつつあるものを保有し続けて、ず〜っと回転させ続けないといけないんです。

なのに固定費は変わらない。少しでも回転が止まったらアウト。それって本当に恐ろしいことです。

無在庫販売のメリット

逆に考えれば、無在庫の大きなメリットが自然と浮かび上がってきます。

利益設定が自由

まず、売れても売れなくても大したリスクがないから、多少薄めでも利益は安定しています。とはいえ競争があるので、利幅を落として回転重視にしてもいいし、利益はしっかり確保するスタイルで値下げをしなくてもいい。

その選択肢があるっていうのが大きなメリット。

無限にラインナップを増やせる

ファッションアイテムは水や食料などの必需品とは違い嗜好品です。嗜好品は"選ぶ楽しさ"が価値に含まれているので、ラインナップ命です。

"SUPREME"の商品ラインナップがブラックとホワイト2色の定番ロゴTシャツだけだったらこんなに人気続かないですよね?

ブランドならではの特徴がある多彩なデザイン、カラーを揃えたラインナップがあるからこそ、”定番”が売れるんです。

一方で制限のある資金の中で在庫を持つと、安定して売れる商品を探さないといけません。チャレンジが怖くなって無難なものばっかり仕入れるようになるので、定番ではないけど需要のある商品、可能性を秘めた新しい商品を取りこぼします。

一方で無在庫であればチャレンジし放題なので、豊富なラインナップを自由に作ることができます。

テスト販売ができる

前述のラインナップにもつながりますが、在庫を保有してまでやらないであろう商品を好きなだけテスト販売できます。

注目されていない商品は競争もないので、もし売れたら独占状態。マネされるまでは利益もコントロールし放題。

あえて薄利で回転率重視にしてもOK。

要は自分のスタイル、資金、状況に応じてどう動いてもいいので、いくらでも選択肢が広がります。

売れなければやめればいいだけ。

それが僕が今でも無在庫を軸とする理由です。

無在庫って、ちょっとした小遣い稼ぎや副業を検討する初心者向けに語られることが多いですが、本当にその程度でしょうか?

時代の変化と共に、無在庫であること自体が単に"リスクが少ない"どころか、メリットだらけの状況です。

今の時代だからこそ、本業としてフルコミットする価値のある強烈な手法になってきていると感じています。

つまり・・・無在庫最高w

Doddy(@doddykun)



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