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なにかを覚えたいという動機のお話

なにかを覚えたい動機はなんでもいいというか、単純なことから始まることが多いような気がしています。

先日、朝のごあいさつTweetに長男の様子を書いたのですが、その時に感じ、考えたことをまとめたいと思います。

前提として、我が家の長男はバリバリ現役の保育園児。

彼はよく保育園に行きたくないとごねますが、理由は仲間はずれにされることがあるから。彼のすごいところは、行ったら行ったで自分なりに楽しみ方を見つけながら遊ぼうとすること。

そして、仲間はずれにした子たちを避けようとはせず、常にアプローチを続ける(向き合おうとする)ことです。

そんな彼の所属するクラスではすでにトランプで遊べる子たちのグループがあるそうで、我が家の長男もトランプ遊びに憧れを抱いていることから「仲間に入れて欲しい」と懇願。

しかし、「ルールがわからないのであれば入れない」という断られ方をしているようで、4歳といえどもスゴく大人っぽいやり取りが行われているんだなぁ、と。

いずれにしても、厳しいクラス内での生き残り競争である。

そこで、ついに我が家にトランプがやってきた。
彼は嬉々としてトランプを抱えながら家の中で過ごしていた。

「ババ抜き」というトランプ用語をどこで覚えたのかはしらないけど、ひたすらに連呼する様子を見ていると、覚えたことがスゴく嬉しかったんだなぁと感じます。

彼がぼくにいいます。

ちょうなん「ねぇ、ババ抜きしよ!」
ぼく「おぉ、いいよ~。ババ抜き知ってるの?」
ちょうなん「うん!一緒のやつを選んだら勝ちなんだよ!」
ぼく「ん?おぉ、そだね」

あながち間違ってもいなかったし、別に気にすることでもないかと彼がトランプを配ってくれるのを待っていました。

トランプが一枚、二枚、三枚、とテーブルの上に無造作に並びはじめます。
それを無造作ヘアもびっくりなぐらいに無造作に配られているから、どこからどこまでがぼくに配られたものなのかわからない。

これは困った。

このままでは、ぼくと彼の持ちカードが均等に配られないではないか。
ぼくが多くなる分には構わないが、彼の取り分が多くなってしまうと、彼の手に収まらなくなってしまう事が考えられる。

まだまだ幼少期の手にはカードの枚数が多すぎるだろう...と、思っていた矢先に彼がこういった。

ちょうなん「じゃー、はじめるね!」

...え?

そう思うやいなや、彼は任意のカードを一枚めくり、もう一枚をドキドキした様子でめくりだした。

裏返したトランプは「Q」と「5」

ちょうなん「あぁ...くそ...」

ちょっと待て、長男よ。

これはババ抜きなのか?本当にぼくの知っているババ抜きなのか?
ぼくときみとの間には明らかに目にみえない壁が立ちふさがっているようにぼくは感じているが、君はそんなことなさそうだ。

しかし、これは、この遊び、ぼくの知っている限りババ抜きではない。
少なくとも、JORKERも裏返しで置いてあるではないか。

ぼくときみとの間で、どちらかの手元にJORKERがあり、それをどっちが取るのかを駆け引きできるものだとばかり思っていたぼくの期待感は、キラキラと目を光らせながらカードを選ぶきみの姿に打ち砕かれながらも、どこか清々しい青空を見ているような気持ちにかわっていたよ。

彼の手が止まることはなく、永遠に彼のターンがつづくかと思われた7ターン目。ついにぼくは声をかけた。

ぼく「ねぇ、ちょうなん」
ちょうなん「ん?なぁに?」
ぼく「つぎ、ぼくの番」
ちょうなん「うん、いいよ!同じやつを出したら勝ちだからね!」

いいじゃないか。

このゲームがババ抜きだろうとババ抜きではなかろうと。ぼくはそんな小さなことにこだわろうとしていた自分を恥じた。思い切り恥じた。

中学校1年製の頃、朝非常に体調の悪さを感じたぼくは放屁したつもりが、ゆるいアイツが臀部周辺を漂う結果になったことがあった。

青春の苦い思い出だ。

その時、ぼくは自分の体調不良を恥じた。

中学校に上がったにもかかわらず、まるでオムツの取れてない幼児のような状態に陥ったことを強く後悔し、恥じた。

そのとき同様、今回、長男とのゲームについて名称を強くこだわろうとしている自分を、そして、そんな自分が正しいのだと思おうとしていた、その瞬間の自分を強く恥じた。

その後もひたすらに同じ「Q」を軸にうらがえし続ける彼を止めることはできませんでしたが、それを繰り返している彼の姿は決してつまらないことを繰り返しているだなんて姿勢ではなく心底たのしんでいる。

トランプをめくるたびに笑顔が弾ける感じ。

もう、自分がトランプを裏返すのを待ちきれない

「Q」の次に出てくるのはどんな図柄なんだろう。

自分が次に起こす変化はどんなものなんだろう。

次に自分ができるようになるのはなんだろう

そんな風にワクワク、ドキドキする様子をみているとうれしくて仕方ありませんし、自分もそうでありたいと思うばかりです、というお話でした。

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