正義の証

助けて!
そんな声に反応したのはいつが最後だったろうか、忘れかけてた時だった。

田舎の河岸を散歩しているとそんな声がどこからか聞こえてくる。
耳を澄ますとどうやら対岸の方からだ。

俺は無我夢中で川を渡る。幸い浅いため靴が濡れる程度ですんだ。
すると若い女性が襲われかけている。
警察を呼ぶべきか、そんなことも考えている余裕もない状況であった。

私は女性の手を掴みはしった。

犯人の男は叫びながら追ってくる。うまく隠れることができたが、見つかるのも時間の問題。

そこで俺は囮になる覚悟を決めた

お姉さん私が囮になりますから逆の方へにげて!
ありがとう!そんな言葉を聞いたのはいつぶりだろうか、俺は嬉しかった。
男を惹きつけるため叫びながら走った。
が、男は女性の方へ走って行くではないか。

…足を止めて考えてみた。当たり前ではないか

後日、分かったこと。あの男女は夫婦で痴話喧嘩をしていただけであった。

そのため、私が奥さんを誘拐未遂したことにより今、留置所にいる。

…本当にカツ丼て出るんだなあ…

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