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【#ギター】グレッチギターの歴史とGretsch G6120DSW Nashville

非常に美しいギターを手に入れました。
Gretsch G6120DSW Chet Atkins Hollow Body 『Nashville』Western Orange
です。(名前が長い)

今回も興味がない人には全く面白くない話をいつもよりテンション高めに語ります。

届いたときには恐ろしいほどに埃かぶっていた

Gretsch(グレッチ)というブランドのギターです。
Gretschはよくロカビリー系バンドが好んで用いるギターってイメージです。

このG6120DSWという型式のギターはGretschの王道『6120』系のなかでもちょっと異質な存在。

前オーナーさんが新品で購入した後にほとんど弾かずに置かれていたと思われるほぼデッドストックみたいな個体です。
金額は多分ドン引き(弾けないくせに頭おかしいって意味で)すると思うので伏せます。

憧れのGretsch 6119テネシアンとベンジー(浅井健一)

6120の前に、僕の中で外せない話を少しだけ

Nashvilleの派生ギターである6119 Tennessean(現在はTennessee Rose)は、いろんなロックミュージシャンが愛用しているギターです。

僕の憧れはベンジーこと浅井健一さん
高校生くらいの時にブランキージェットシティで度肝抜かれたよね。

椎名林檎さんの歌詞『グレッチでぶって』で有名なベンジー

元ブランキージェットシティのボーカルandギターでありテネシアンといえばベンジーです。
実はこちらの現行版の6119も所有をしたことがあります。

ミッシェルガンエレファントのチバユウスケさんもTennessee Roseを使ってましたね。

なんと美しいことか。。

残念ながら今は手放してしまったのですが、
それ以来とても後悔(そもそも弾けないのに)
再び手に入れるならこの6119を超えるギターがいいなとなんとなく。
それで王道「6120」を考えていました。

Gretsch の王道モデル『6120』

Gretschにはたくさんのモデルがあります。
Fenderにテレキャスターやストラトキャスターがあるみたいなものですね。

その中でも6120は『チェット・アトキンス』のシグネチャーモデルとして有名なギターです。

実はよく知らない

チェットアトキンスは後述するGretschの歴史の方でもう少し触れます。

6120だけの特集ムック本

こちらの「丸ごと一冊グレッチ"6120"」という超マニアックなムック本で勉強しながら6120について少々まとめてみます。


Gretsch G6120DSW Chet Atkins Hollow Body 『Nashville』Western Orange

僕が買ったこのG6120DSWは6120系の中でも1956年モデルの復刻のようなヴィンテージスタイルの1品です。

https://www.digimart.net/cat01/shop169/DS08560949/

Chet Atkins シグネチャーの初期モデルでもある1956年モデルは現行の6120と違ってシルバーのビグスビーに「G」マーク、それからゴールドパーツとなっています。

そしてピックアップがDiarmond Dynasonicが二基搭載されています。
僕のG6210DSWにもDynasonicが載っています。

そのほかの説明をchatGPTにお任せしてみます。


チェット・アトキンスシグネチャーモデル

チェット・アトキンス(Chet Atkins)はギターのマスターピッカーであり、このモデルは彼のスタイルと要望に基づいてデザインされました。

ホロウボディ

G6120DSWは、ホロウボディギターであり、
特にウェスタンオレンジのメイプルトップとバックが特徴的です。
ホロウボディ構造は、ウォームでレゾネートなトーンを提供します。

ダイナソニック・ピックアップ

シングルコイルの

ダイナソニック・ピックアップは、クリアで明瞭なトーンを持ちながらも、アタックがシャープであり、特有の鋭いサウンドが特徴です。これは、グレッチのギターに独自のカラーをもたらし、ロック、カントリー、ロカビリーなどのジャンルで人気を博しました。

また、ダイナソニック・ピックアップは、外観も特徴的で、メタリックなケーシングとフィルタトロンのようなデザインが目を引きます。これは、グレッチギターのヴィンテージな外観に一役買っています。

Bigsbyビブラートユニット

びぐすびー

Bigsbyビブラートユニットが搭載されており、
ヴィンテージなビブラートサウンドを追求するプレイヤーにとって魅力的です。

ビンテージスタイルの装飾

うしさんとサボテンのインレイ

G6120DSWは、ビンテージスタイルの装飾が施されています。
これには、フィリグリーのペグヘッドインレイ、ネオクラシック "Thumbnail" インレイ、ネオクラシック "Western" インレイなどが含まれます。

快適なプレイフィール

メイプルネックとローズウッド指板が組み合わさり、プレイヤーに快適なプレイフィールを提供します。


いやー、chatGPTはまだまだですね😌

Gretschの6120 Nashville はもうセッツァー兄貴の代名詞

セッツァーパイセン

Gretsch 6120といえばブライアン・セッツァー兄貴と言っても過言ではありません。

氏が持っている6120の1960年モデルは60(ロクマル)と呼ばれファンの間ではめちゃくちゃ人気のあるヴィンテージとなっています。

トーンスイッチを外してしまうホットロッド・モディファイをするのが主流。

たくさんのシグネチャーモデルとカラバリが出ています。


Gretschの歴史

かんたんにGretschというギターブランドの歴史を紹介します。
はじまりはアメリカです。

1883年 創業

ドイツからアメリカに移住したフレデリック・グレッチ
ニューヨークのブルックリンに楽器店を開いたのが始まり。
当初の取り扱いはバンジョー・タンバリン・ドラムがメインで、
ギターはまだまだだったみたい。

ドラムのロゴがかっこいい

1895年 創始者の死去とシニアの引き継ぎ

この当時で10階建って

39歳でフレデリック・グレッチ死去。
息子のフレッド・グレッチ・シニアが事業を引き継ぐ。
会社を成長させ、ニューヨーク州ブルックリン60番地に立地する10階建てのビルへ、工場を移転。凄腕よねー

1942年 シニアの引退

ジュニアとビル

フレッド・グレッチ・シニアが経営から引退。
その後、息子のフレッド・グレッチ・ジュニアウィリアム・ビル・グレッチが経営を引き継ぎましたが、すぐにグレッチ・ジュニアは海軍に奉仕するために経営から離れました。ビルが社長に。

同時に、軍需産業の影響で楽器の生産も一時的に停止。
不遇の始まり。

1946年 生産再開

第二次世界大戦の後、
グレッチ社は楽器製造を再開。

パーカッションの達人かつ先駆者であるフィル・グラントが、グレッチ・アーティストに加わり、マーケティングを本格的に開始。

グレッチ社とルイ・ベルソンの共同開発による初のダブル・ベースドラム・セットを発表。

気づきました?まだギターの話がでてこない。
1933あたりから生産がはじまってたくさいですがまだまだメインじゃないんですよね。

1948年 ビル・グレッチの死去

1952年 グレッチ・シニアの死去

1955年 シグネチャーモデルのリリース

お待たせしました。
6120 チェット・アトキンスモデルの販売開始。
同年はその他のチェット・アトキンスモデルやホワイトファルコンなども登場した。

会社として大きな転機を迎えた年になります。

当時はすでにGibsonのレスポールが大ヒットしていた時代です。

GretschはGibsonに(勝手な)ライバル意識むき出しで当時の人気カントリーミュージックギタリストであるチェット・アトキンスと契約しシグネチャーモデルを多数販売することになります。

なので、ヴィンテージグレッチの多くがチェット・アトキンスのシグネチャーモデルだということになります。

いまのGretschとはイメージが違う超カントリー感ありますね。

1957年 フィルタートロンの発表とカントリージェントルマンの発売

https://www.digimart.net/cat1/shop1220/DS08074222/

1957年のNAMM Showでフィルタートロンを発表。
同年に登場したカントリージェントルマンにはフィルタートロンが搭載されました。

それまでのGretschはディ・アルモンド社のダイナソニックを搭載していました。エレキギターの心臓部であるピックアップが外注だったということ。

Gretschにとってフィルタートロンは待望の自社製ピックアップとなります。

1958年 アニバーサリー、テネシアンの発売

https://www.ikebe-gakki.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=763644&bid=ec

シグネチャーシリーズとしてCountry Gentleman(カントリージェントルマン)とともに世に送り出された『6119 Tennessean(テネシアン)』
現在はテネシアンという名称がつかえないということでTennessee Roseとなっています。

1967年 ボールドウィン社へ売却

フレッド・グレッチ・ジュニアが自身の引退に合わせてグレッチ社をボールドウィン社に売却。
ボールドウィン社もピアノやオルガンの売上が芳しくなかったそうだから、双方共に生き残りをかけた経営判断となった。

この頃からフレデリック・グレッチの曾孫にあたるフレッド・グレッチ三世は買い戻しを決意。

不遇に次ぐ不遇ですね。

1973年 火災発生

さらに不幸が続きます。
工場が燃ゆ。

しかも2回も。

このあたりから大きく品質を落とし、
火災で型枠を失ってしまったからシェイプが変わってしまった。
この時期のモデルは全然人気が無く、ヴィンテージグレッチとしては破格で入手できるそうです。

1980年 生産中止

なのによく生き残ったよね。。。

1985年 会社がグレッチ一族の手に戻る

一瞬グレイシー一族かと読めそうだが、
そうではなく創設一族であるグレッチ家に事業がもどるということ。

創業者、フレデリック・グレッチの曾孫にあたるフレッド・グレッチ三世がグレッチの経営権を取得。

おいらもなにかの創設一族に生まれたかったなぁ。

1989年 日本の神田商会と代理店契約

日本の神田商会と契約し、寺田楽器による製造がスタート。
このころからロットNo.にJTと付くようになりました。じゃぱーんてらだですね。

安定共有が再開されたものの、2002年まではボディシェイプが変だったりと品質に問題があったようですね。

2002年 フェンダー傘下に

転換期です。
なんとフェンダー傘下に入ります。

2003年 品質アップ

ボディシェイプの大幅な見直しが行われました。
ヴィンテージギターを採寸してシェイプを作り直し。
この頃からシリアルにGが付くようになりました。

6120 → G6120
みたいな感じです。

2021年 そしてフェンダー直営へ

2021年3月31日を以て、神田商会との代理店契約が終了
全てフェンダーミュージック株式会社が引き継ぐことになりました。
イシバシ楽器やクロサワ楽器のような正規取扱店で買えるようになりました。

正直いうと神田商会さんは超いい仕事をしていたと思います。
日本人ミュージシャンのシグネチャーがたくさん出ていたし。

フェンダーになってからパーツが入手困難になっています。
がんばれフェンダー!!応援しているぞ!

Gretschのグレード

Gretschには価格帯によりグレードがありめす。
ギブソンとエピフォンみたいな関係ですかね。

Gretsch

本家シリーズです。
全てのオリジナルモデルがラインナップされます。
ヴィンテージはアメリカ製もしくは日本製、
現行は日本製です。
モデルコードが6120のように大体6000番台です。

Gretsch Electromatic

本家に比べるとやや安価なシリーズで、
本家モデルの廉価版がシリーズ化されてるイメージです。
廉価版とはいえ良きギターです。
中国、もしくは韓国製です。
モデルコードは大体5000番代。

Gretsch Streamliner

最も安価なシリーズになりますが、
やや派手でアートなデザインなイメージがあります。
生産国はインドネシアです。
モデルコードは2000番台となっています。

その他のGretschギター

6120以外のGretschの有名なギターをいくつか紹介します

世界一美しいといわれるホワイトファルコン

https://www.shimamura.co.jp/shop/abeno/product/20201018/4972

なんならこちらの方が有名な、『世界一美しい』といわれるホワイトファルコン

チバユウスケさん

ミッシェルガンエレファントのチバユウスケさんが使ってた事でも有名ですね。
Tennessee Roseとホワイトファルコンをよく使ってるイメージがあります。

ちなみに、チバユウスケシグネチャーモデルもあります。
G6119T-62TB-YC Yusuke Chiba Tennessee Black with Bigsby

6136T-KF FSR “KENNY FALCON

https://www.shimamura.co.jp/shop/shintokorozawa/product/20161023/226

Hi-STANDARDの横山健さんのシグネチャーモデルであるケニーファルコン。
日本人としても初ですね。

ケニーファルコンJrなど他にも何本かモデルがあったと思います。
横山さんのギター愛はこちらの動画を見ると楽しい。

G6128T-GH George Harrison Signature Duo Jet

ビートルズのジョージ・ハリスンが愛用したDuo Jet

GretschはフルアコセミアコなイメージがありますがDuo Jetはソリッドボディーでギブソンのレスポールのような立ち位置になります。

https://nagublog.com/gretsch%EF%BC%88%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%81%EF%BC%89%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%8C%E6%84%9B%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%AE%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%83%93/

カッコ良すぎて草

僕とGretsch

Gretschが好きになったのは前述の浅井健一さんが理由ではありますが、
その美しさや妙な派手さ、扱うアーティストさんのクセの強さなどがとても魅了的です。

多少エレキを使ったことがある人は、
「よくハウる」
「チューニングがずれやすい」
「重たい」
「でかい」
などと言いますが、しゃらくさいっす。
そんなの関係ないのよ。
どうせ弾けないんだから。

かっこいい。それでいい。


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