後方腕組み彼氏面

23時に店を閉め、売上を計算し、やってくる明日に追いつかれないように終電に駆け込む生活が続いていた。
年末だけは20時に店を閉め、会社のメンバーで年越しの瞬間を迎える。人の気楽は環境に対して相対的で、普段から長時間労働に身を浸しているほど、こうした3時間を大切に思う。不良のゴミ拾いはクローズアップされるし、DV彼氏のプレゼントは最高のプレゼントになる。

会社を辞めようと思っていた。
口約束だったボーナスの40万円は、全て店のイベントで客に還元する形で消えた。「来てやった」と言わんばかりに厚かましく話しかけてくる客の顔が、全て歪んで卑しい顔に見えていた。

もう、辞めよう。金に釣られて動くのは惨めだ。

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