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勝間和代さんのカミングアウトで思うこと

経済評論家の勝間和代さんが、LGBTアクティビストの増原裕子さんと交際していることを公表した。幸せそうな二人の写真が眩しく、嬉しい。交際おめでとうございます。

勝間和代さんが!ということにも驚いたけど、お相手が増原さんということにもびっくりした。

増原さんは、2015年にディズニーランドで元宝塚の東小雪さんと結婚式をしたこと、そして昨年末に東さんとのパートナーシップを解消したことを公表している。

このニュースのネット上での反応は様々なんだけど、自分の中で気になる部分があるので、人の意見をピックアップして整理するために書きます。

・意見その1 「そんなこといちいち公表しなくていい」について
「今の時代はLGBTなんて当たり前にいるし、興味がないからそんなこといちいち公表しなくていい」「どうでもいいから騒ぎ立てるな」「増原さんは前のパートナーと別れているのによく次の人とのことを公にできるな」

こういうのが一番目に付いたし、グサグサ刺さった。
なぜ勝間和代さん(と増原さん)が、同性とお付き合いしていることを公表したか。
そしてそれにどういう意味があるのか。

勝間さんがインタビューで話したことにすべての答えは書いてある。
「自分が異性愛者であることを前提にされたまま生きていくのは苦しい」
からだ。

「ダメなことだと思っていた」
「(女性を好きだと思う気持ちに)蓋をしていた」
「世の中には、離婚した女性の再婚は祝福しても、その女性が同性と暮らすことには批判的な人もいる。」
「いつまでも黙っていたら友達にも紹介できない、旅行にも行けない」
「それは自由に生きられないこと」

勝間さんほど、自由に堂々と力強く生きているように見える人でさえ、
・人から批判されるかもしれない
・けれど黙っているのは苦しい
・自由に生きたい、愛する人のことを偽りたくない
と思うくらい、自分を偽って生きることはしんどいです。

意見その2「勝間さん子供もいるし昔結婚してたじゃん、なんで?」

人の性的指向は流動的なものです。
人にもよるけど、一生同じわけではありません。
これを性的流動性・セクシャル・フルイディティというよ!

そういうわけで昔結婚してようが子供三人産んでようが、そのあとに女性と恋に落ちることも十分にありえます。
結婚して子供も生まれて普通に男性として暮らしていた人が、自分の性自認が女性であることに気がついて女性装をして生きていくこともあります。
その逆に、レズビアンとして女性と交際していたけど、男性と結婚する人もいます。

誰を好きになるか=性的指向
自分とはなんぞや=性自認
は、変化する可能性のあるものです。
どこのどんな人にもその可能性はあります。

性的流動性のある人生の話は、LGBT当事者の中ではよく聞く話なんですが、そういうエピソードが世間に出ないのは、
まさに勝間さんが言ってるように
「世の中には、離婚した女性の再婚は祝福しても、その女性が同性と暮らすことには批判的な人もいる。」
ということだからですね。
人の人生に批判的になる前に自分の人生見つめた方が有意義っすよ。

意見その3 「少子化に拍車がかかる」

かからないので心配しなくていいですよ。

・勝間さんのカミングアウトで考えられる影響

勝間さんの知名度は大きく、彼女の活動するフィールドはとても広い。
知名度があり、発言に力がある彼女のカミングアウトは、
今クローゼットにいるけどいずれはカミングアウトしたいと考えている人
にとって大きなエンパワーメントになると感じました。
嫌な話ですけど、頭の固い親や身内にカミングアウトしなければいけないとなった時、あの○○さんという著名人もそうなんだよと伝えることが、できるだけ衝撃を和らげる手段として存在しているわけです。
あらそう、そうなのね、そういう人もいるのね、そんな有名人にもそんな人がいるのねえ、とそれだけで全てOKになるわけではないけれど、理解を促す一つのカードになり得るのです。
勝間さんと増原さんが交際を公にしてくれたことは、今後だれかに自分の性的指向や性自認を伝えたいと思っている人々に大きな勇気を与えたと思います。

まとめ

・「いちいち公表すんな」→公表したいからしてんだよ、これからの人生楽しく生きるために必要な手段なの。
・「前は男と結婚してたじゃん」→好きになる相手や性自認はその時々で変わる可能性もあります。あなたにもその可能性はあるんだよ。
・「少子化に拍車がかかる」→かからない。
・お二人の勇気と幸せそうな笑顔が嬉しい。本当におめでとうございます。

おわり。

投げ銭してくれたらあなたにも私にもいいことがあるでしょう。たぶん。