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大人にこそ、読んでもらいたい絵本『わすれられないおくりもの』

こんにちは。
絵本書評を担当している、
みっちゃんです。

今回ご紹介する絵本は、
こちら。

『わすれられないおくりもの』
スーザン・バーレイ さく え
小川仁央 やく
評論社

です。

(写真をクリックすると、
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■本の内容

歳を重ね、大変もの知りで
皆に頼りにされていた
アナグマ。

ある日、
そのアナグマが
死んでしまいます。

仲間は皆、悲しんで
途方に暮れます。

互いに行き来し、
アナグマとの思い出を
語り合う中で、

仲間たちは、
アナグマが教えてくれた
知恵や工夫が
いかに、ゆたかであるかに
気付きます。

アナグマが残してくれた
知恵や工夫の豊かさに
気付いたことで、

悲しみも癒えていき、
アナグマとの思い出を
楽しいものとして
語ることができるように
なりました
というお話です。

私ごとで恐縮なのですが、
先日、私の父が
死去いたしました。

会社員をしながら修士号を取り、
博士課程に進学、
早期退職をして、博士号を取得。
その後、2つの大学で
大学教授をしていた父。

大変物知りで、
厳格だけれど、優しい父でした。

本書に出てくる
アナグマの死と
父の死が
リンクしているようで
涙なしに
読むことができませんでした。

■この絵本の魅力

大切な人を失った悲しみから
どう立ち直っていくのか
を丁寧に描いているところが
一番の魅力だと
思いました。

立ち直る過程の一つとして、
アナグマとの思い出を
皆で語り合うシーンが
描かれています。

モグラは
物の形を切り抜く方法を、
カエルは
スケートの滑り方を、
キツネは
ネクタイの結び方を、
ウサギは
料理の仕方を、
アナグマから
教えてもらっていました。

一人一人に
アナグマとの思い出があり、
アナグマは
一人一人に
知恵や工夫を
残していってくれていた。

次第に
アナグマとの思い出を
楽しいものとして
語り合うことが
できるようになっていく
仲間たち。

悲しみの癒える過程が
自然な形で描かれていて
読んでいると
なんとも言えない安心感に
包まれていきました。

■今は安心して悲しんで!悲しみを乗り越える過程を知れば、安心して悲しめる

頼りにしていた父が居なくなり、
ふとした時に、
言いようのない寂しさが
込み上げてきます。

もう父に意見を聞くことも
私の息子や娘を会わせた時の、
父の満面の笑顔を見ることも
できないのだなあ。
この悲しみが癒える日は
来るのだろうか。
父のいない生活に
慣れていくことが
できるのだろうか。

などと、
私は
いつまでたっても
前向きになれない自分に
不安になっていました。

加えて、
母や姉との会話で
父の話題が出ると
3人揃って、
どうにも悲しくなってしまうことが
ありました。

そんなことが何度かあると
父の話題を出すことが
良くないようにも思えてきて、
苦しい気持ちになることも
・・・。

でも、
この作品を読んで、

思い出を語り合うことで
悲しくなってしまっても、
大切な人を亡くしたのだから、
それは自然なことだと知り、
心強さを感じました。

また、
父との思い出を語り合い、
いかにたくさんのことを
父が残して行ってくれたのかを
皆で共有できれば

その豊かさで
悲しみが癒えていくことになる
ということを知りました。

いずれ悲しみが癒え、
いつか父との思い出を
楽しく語れる日は、
必ず来るのです。

そう思うと、
悲しみが癒える日は
来ないのではないか、
という
先の見えない不安感に
襲われることが
なくなっていきました。

大切な人を失っても
悲しみは必ず癒える。

だから、
焦らず、安心して、
悲しんで良い、
そう思うことが
できるようになりました。

絵本ですが、
大切な人を失った悲しみに
途方に暮れている大人に、
ぜひ読んでもらいたい、
とっても素敵な作品です。

文責:たにみつえ

 
 
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