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エッセイ

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決死の女神探訪

決死の女神探訪

春の女神とよばれる蝶がいる。
ギフチョウというアゲハのなかま。
いつもの森にもいたのだが、今ではほぼ絶滅状態なので他所にお邪魔する。
ここ何年か訪れ、確実に会えていた。
ただ、昨年は3.31で勇み足。
会うことは叶わなかった。
どうしようと少し悩んでいたのだけど、やはり会いに行くことにした。
425mという小山の山頂である。
正直にいえばプチ登山がだんだん厳しくなっている。
最後の急勾配ではノンス

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写真集vol.2を制作中

写真集vol.2を制作中

今、また写真集をつくってます。
第二弾です。

写真集は2年前に作製しました。
初めての2年前は、写真集をつくりながら、発表してしまったあとの弊害をいろいろ予想しました。

予想によると、写真集は売れまくり、写真集の舞台である「いつもの森」に人々があふれすぎて破壊され、やがて里山ブームとなり日本中の里山どころか、森という森、アマゾンさえも荒廃し砂漠化される。
その罪を感じた毒多は十字架を背負い、い

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「地雷ワード」にキレてしまった夜の追想@傾聴

あの夜、友人たちとの酒宴でワタシはキレました。

かなり酒を飲んでいたことは理由のひとつです。
これは間違いありません。
おそらく酔っていなければキレることも、そのまま席を立ち帰り去ることもなかったと思います。

リアルでは数少ない友人たちで、楽しい空気ではあったのだからシラフならありえない行動です。
今後のことを考えれば、気まずい空気を遺すべきでないことは考える以前の問題です。
後先の考えなくキ

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「介護物語の美談」なんて書けない(4)慣れか?諦めか?それとも

前回(3)から随分、時間が経った。
この間、介護から解放されたわけでも、問題が減少したわけでもない。
なにか書くことで、ププン、ププンプンという日常の追体験をしてしまい、また苛立ち苦しくなる気しかしなくて、あえて書く気がしなかった。
ところがどっこいの強迫観念。「テキスト芸人」としては、死ぬまで書きつづけてしまう、いちど書いたらもう止まらない誰か助けて赤いハイヒール♪状態というわけで、綴ることから

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あいつは黙って旅立った

ある日の午後、森のなかであいつは黙って旅立った。
あいつにはボクのアイデンティティを預けていたのに。
それらを背負ったまま、知らぬ間にボクの元から消えた。

たしかにボクはアイデンティティって奴を軽く扱っていた。
やれ虚構だ、やれ幻想だ、と馬鹿にしながら、あいつに背負わせていた。
あいつは何も不満を言わず黙々と背負っていた。

あいつがいないことに気づいたのは翌朝だった。
ボクは慌てふためいた。

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カメラバッグのDIY

カメラバッグのDIY

実は数週間前にカメラバッグを買った。
前のものは、すでに20年ぐらい使っていて穴が空き始めたから、まあ納得の買い替えである。
さすがにカメラバッグを自作することはない。

1万円以下で評判のよさそうということと、ファスナーの取ってのオレンジ色が気に入り決めた。
カメラの取り出しにも一工夫あり、使い勝手もよい。

実際にはカメラは手に持ちっぱなしで、この便利な出し入れを利用することはないんだけど、大

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酔っぱらって書く・・・

最近ボトルの中のメッセージというnoteをフォローさせて頂きました。
Note主は、毎日、古今東西のビッグネイムの「言葉」を紹介しています。

朝一番でチェックして、なるほどなぁ〜、と紹介されたセンテンスと、そのセンテンスをチョイスする主のセンスに感心しています。
とはいっても、半日もたたないうちに「名言」は忘れてしまいます。
感心が続かず、忘れてしまうの老齢のせいかもしれませんが、そもそもnot

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「はじめてのお使い」は虐待ですか?@埼玉の条例案

「子どもの虐待死がありました」と言う声がテレビから流れ、怒りに震える。
虐待された生育歴で心の傷が癒えないまま苦しむ大人の話をいくつも聴く。
DVが世代を超え繰り返されることも、実際の声を聴き実感として知っている。

他にも多々あることを知っています。
それでも敢えて言いたい・・・・

別に言わなくてもいいのだけど・・・

言うのか、言わないのか、どっちやねん???ロックンロールショー^^;

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「介護物語の美談」なんて書けない(3) デイサービス通所が決まるまで

おいおいおい、こいつ意識もなくギターなんか弾いてるぜ。
爪弾いてたアルペジオはステアウエイ トゥ ヘヴンかぁ?
天国への階段、、、4ヶ月ぶりかな?
ぜんぜん指が動いてないじゃないか。
右も左もギプスで巻かれたように重い。
アレ以前は無意識に右指と左指がシンクロしてたのに。
あの日から俺の自由が狂わされたのだ。
痴呆老人らを見て見ぬふりをして得られていた自由が奪われたのさ。

4ヶ月まえ、、
「胸が

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「介護物語の美談」なんて書けない(2) 91歳の犬殺しドライバーの家族に思いを馳せつつ

たとえば、こんな感じ。

車を運転する91歳の認知症老人に娘を轢き殺されそうになった。
娘は犬の散歩で横断歩道を歩いていたのに。
娘はギリギリ助かったが犬は轢き殺された。
娘はトラウマに悩まされている。

ようやく探し出した加害者の認知症老人に娘の両親と祖父は迫る。
「娘が危うくはねられかけた。このことを、どう思っているのだ!!」と。
認知症老人に一人の女の子を轢き殺しそうになったこと、犬を轢き殺

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「介護物語の美談」なんか書けない(1)

イライラする〜
マジもうめっちゃイライラするっ!!

在宅介護での、3食の用意で自由な時が分断される。
日曜使役で休日一日がぶっ飛ぶ。

それにしてもこいつらときたら、、
おいおい、なんで雨のなか植木の水やりをしとんねん。
役所からの郵便物を持ち込んで隠すなよ。
下着ぐらい毎日着替えろよ。
おい、家中の電灯付けまくるなよ。
うるさい、テレビの音量85かよ!!
冷凍物を冷蔵に移して腐らせるなよ。

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「トー横キッズ」を亡き者にする大人たち

「(トー横)界隈の子」=「トー横民」の言葉を聴きながら、ふいに口ずさんでいた。

♪・・息が詰まるほど hold me tight
・・・教えてほしい no pain tonight
Yes,you need somebady to love・・・♪

♪・・心のなかでは heavy rain
・・・いつもいつもただ love is in vain
Yes,you need somebady to

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リストカット

多くは死のうと思ってリスカはしない。
ドラマの印象からそう思っている人もいるかもしれないけど。

リスカは「生きよう」とすることの証。

DV、虐待、貧困、いじめ、孤独、、
子どもはそこから逃れる術を知らない。
大人のアドバイスなんて簡単に実行できない。
だってそこに投げ込まれた身なんだから。
悪いのは振るう方なんだ。
振るわれる方は無力なんだ。

大人だって自分自身の苦悩からは逃れられないのに。

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慈愛あふるる「介護物語」なんて書けない(序)

 両親の介護生活がはじまり2ヶ月ほどが経った。
 介護突入の当初、テキスト芸人としては、かなり面白いネタを手に入れたと思った。

 両親共にかなりボケまくっていはいるが、「介護物語」ではオトボケ老人として書き上げ、そのお世話を人情とユーモアがあふれるヒューマンタッチなドラマに仕立てるなんて分けないさ、と高を括るのに「秒」もいらなかった。

 さらには、介護初心者が四苦八苦というより七転八倒しながら

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