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【双六】プロレスガール、ビジネスヒロインの双六でKO狙って女子会をやったらわちゃわちゃしすぎて遅刻した件

今回は、長編小説「プロレスガール、ビジネスヒロイン」のおまけ(番外編?)です。
完結祝いのお遊び心です🎵
本編読んでない方は意味不明と思いますのでスルーしてくださいね💦


後に『SJW恒例となる双六大会』は、こうして始まった……

「あのぉ、私の友人がSJWをネタに双六作ったからって渡されたんですけど、どうしましょう?」

 朝練途中の水分休憩中、タマちゃんからのメールに気付いたミナミは添付された双六をみんなに見せた。

「あら、ミナミちゃん、すごろくですか?」
「お?なんだか面白そうじゃん」
「ミナミの友達、なかなか面白いアイデア持ってるわね」

 アキラとサクラ、ツツジも興味を示した。

「ミナミ、サイコロもってこいよ。やってみようぜ」
「え?ええ?今からですか?朝練はどうするんですか?」
「今だ、今しかねぇだろ」
「そうね、今からやりましょう」

 ミナミは朝練中に相談したことを後悔した。

(とはいえ、アキラさんやサクラさんが今やろうというんだから、特訓に役立つのかもしれないわ……仕方ない)

 ミナミはどこからともなくサイコロを持ってきた。

「じゃあ、じゃんけんで順番決めるぞ。じゃんけんぽん!」

 順番は、ミナミ→ツツジ→アキラ→サクラとなった。

「よし行け、ミナミ」
「は、はい」

 サイコロは4だ。

「いきなり左に行ってGoalに行っても、PWゼロだから勝ち目がないわね。右に行くと……柴崎。特に影響ないみたいです」
「ちぇっ、最初だからもっと景気いい奴期待したのに。ミナミらしいな」
「そんな……(サイコロの運の問題なのに……)」

 次はツツジが1を出し北野へ。税理士に出会うも特に問題なく、イベントは起こらなかった。

「お前もか?全く。お前らの世代は勢いが足りねーぞ。次、アキラ、頼むぞ。こいつらに先輩の威厳を見せてやれ」
「はいはい。わかりましたよ……っと。3だから……」

「聖蹟桜ヶ丘。サクラと出会ってPW+4ですね。さすがサクラ、強いじゃない」
「あったりまえよ。やるじゃねぇかアキラ。じゃあ次、おれだな」
サクラが振る。
「6だ!ほら見ろ!これが先輩の力だ。えっと……右に行くと……一回休みか。じゃあ、左に行って折り返すと……南平?」

「ミナミちゃんに出会ってPW+1ですって」
「おいおい、ミナミ。+1ってなんだよ。弱々じゃんか。ちっとは練習しろよな」
「ええ!?この評価、ひどすぎませんか?」

 これで全員の一ターン目が終わる。

「おい、その調子で遊んでると始業時間に間に合わないぞ。遅刻したら給料減らすからな」
 大沢が遠くから声をかける。

「大沢さん、それはひどいですよ」
 そういいながらも、大好きな大沢の信頼を失うわけにはいかない。

 ミナミは慌ててサイコロを振る。
 5だ。なんと新宿まで到達しあこがれのアラタをゲット。PW+6。

「おいおい、出来過ぎだろ?南平は+1のくせに」
「だから、その評価は納得いきませんよぉ……」

 次はツツジ。サイコロは3でつつじが丘へ。自分と出会いPW+3。

「+3か。なかなかやるじゃん」
「さすがツツジちゃんね」
「誰かさんとは違うよな」

良く見ると、同期のツツジはPW+3、ワカバでもPW+2だ。

(……PW+1の弱々キャラなんて私だけじゃん……確かに合格は一番遅かったけど……グレたくなるわよ。いつかしばくからね、タマちゃん……)

    注……正確にはイズミも+1キャラ

 次のアキラは1。柴崎方面か稲田堤方面かの分岐でどちらに進むか悩んだ挙句、稲田堤に進みPW+3(計PW=7)

 次のサクラは1で聖蹟桜ヶ丘。自分に出会う。PW+4で計PW=5。

 こうして、2ターン目が終了。
 ミナミ:PW=6
 ツツジ:PW=3
 アキラ:PW=7
 サクラ:PW=5

 こんな感じで、3ターン、4ターン、5ターンと進んでいく。

 ミナミは新宿→柴崎→永山(もう一回)→堀之内(1回休み)→稲田堤(やっと+3、計9)と奮わず。
 ツツジはつつじが丘→代田橋→渋谷(PW+6、計9)→柴崎と進むがやはり奮わない。
 アキラは稲田堤→明大前→桜が丘(PW+5+4、計16)→北野とGoal目前。
 サクラが聖蹟桜ヶ丘→柴崎→久我山(PW+3、計8)→新宿(PW+6、計14)と猛追。

 そして運命の6ターン。
 ミナミ、ツツジはともに北野どまり。
 アキラは1か3でゴールインできる好位置で、しっかり1を出して狭間にゴールイン。

 そして最終決戦。

「サイコロ+PWが20以上……つまり、PWが累計16だから、サイコロ二つで4以上で勝ちね」

 運命のサイコロが振られる。
 出た目は6と3。
 アキラがアリーナでの敵との最終決戦を制して優勝した。

「あらまあ、運が良かったですわね」
「うわー、やっぱアキラが勝つのかよ」
「おめでとうございます。アキラさん。私はいいところゼロでした……」
「もう一回やりましょうよ」

 ツツジの催促でもう一回……なんてやっている場合じゃない。

 ハッと時間が気になり時計を見る。

 9時5分前……

「うわー、遅刻しちゃう」

 ミナミは慌ててシャワー室へ駆け込んでいった。

 こうして、SJW恒例となる記念すべき第一回双六大会はアキラの圧勝で幕を閉じ、ミナミは初の遅刻を経験したのであった。

♠♠♠♠♠

電車の駅にはランクがあるってご存じですか?

駅で広告だすときの値段を決めるランクのようで、利用者数が多い駅はランクが高いようです。
新宿や渋谷は特S、吉祥寺や明大前は特A……のような感じで規定されています。
タマちゃんはこれを見ながら選手のPW+〇の数字を決めたと言っているらしいです。

プロレスガール、ビジネスヒロイン、番外編、完結


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