「行動がはやい」とは

三菱東京UFJ銀行の三毛頭取は、店舗窓口業務においてデジタル分野の技術を駆使し、全体で9500人分の業務を効率化したいと強調した。語弊を恐れずに言えば「人員削減」だ。シンギュラリティも近づき、「第二産業革命」なるものが現実に起きようとしている。

実は、ぼくはもともとこの銀行に属していた。今回の情報も公ではないが、「近いうちに1万人規模のリストラがあるらしい」と噂程度で聞いていた。昨年の12月頃に。

ネットニュースや新聞の情報は「早い」との認識があると思うが、それは違う。本当は遅い。情報が表に出てから拡散されるまでは早いかもしれないが、表に出てきた時点で既に遅いのだ。

ニュースに対して敏感に反応し、次の打ち手に出る。一見、行動力があるように思えるが、それだと遅い。情報が公開され「ヨーイドン」で走ったところで、ライバルと差をつけにくい。走ってる人数も多いから、埋もれる。「情報の価値」は低いということになる。

逆に、インサイダー情報を感じ取るくらいの情報レベルで行動に踏み切ってしまう人間こそ、「ファーストペンギン」としてお腹いっぱい餌にありつける。自分しか走っていないから、周りからは「変人」と見られてるかもしれない。しかし、いざ情報が公開され「位置について」の頃には圧倒的な差がついている。ビジネスにおいては、フライングは必須だ。
※株の売買においてはフライングは犯罪です。為念。

人員削減の噂を聞き、銀行のビジネスモデルや今後の自分のやりたいことを鑑みたとき、ぼくは転職をすることを決意した。今でも銀行時代の友人に合うと、異口同音に「いいなぁ」と羨望の眼差しを受ける。ぼくも後悔はしてない。

ぼくは、自分のことを「ファーストペンギンだ」とは全く思っていないが、それに近しい行動が出来たことは自信になった。「行動が大事」と書いてある自己啓発本を何冊も読んで「行動」しなかった自分に、こんな行動力があったとは。この自信が、フットワークを軽くする。

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