ピアニストの脳

毎朝6時に起きる。起きたらすぐにストレッチをしながらカーテンを開ける。シャワーに入る。青汁をサプリと一緒に飲む。全く同じとは言わなくても、似たようにルーティーン化している作業が皆さんの中にもあると思う。

換言すれば「慣れ」だろうか。たとえば自転車の乗り方。最初はどんなに体をまっすぐにしようと思っても倒れてしまう。練習するうちにバランスが取れるようになり、乗れるようになる。体が慣れてくる。

ピアニストも究極の「慣れ」だ。ピアニストも普通の人も、脳の活動量は実は一緒だ。ピアニストの脳が異常に発達し、普通の人の脳が「10」しか動かないのに対し、ピアニストの脳が「100」動く、というわけではないのだ。どちらかと言うと、圧縮に近い。

普通の人なら「10」必要な処理能力に対して、ピアニストは「1」の力で処理できる。だから、ピアニストが「10」の力を使えば普通の人と比べて「100」の情報を処理出来ているように見える。技術が進化して省エネになるエアコンに似ている。これがピアニストの脳だ。

情報が圧縮されると、一般的には説明が出来ない。言語化する情報量すらも圧縮されるので、本人も何故出来るのか理解できていない。自転車に乗れる理由を説明できないのと一緒だ。このことを「暗黙知」と言うが、この暗黙知をいかに増やすかが、人生の質を向上させる鍵となる。

ルーティーンも暗黙知の一種だ。みんな勘違いしているが、暗黙知とは運動等に限らない。普段の行動で頭を使っていない、無意識に行動してしまうことも暗黙知という。脳のキャッシュを開けることで、違うことに頭をつかうことができ、アイデアも生まれやすくなる。良い人生は良い習慣から。意識して「無意識」を作り出してみてはいかがだろうか。

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