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tanka

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とある初心者の自由で、つたない短歌、アイドル短歌など
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#短歌

【短歌】にせんにじゅうふゆ

コンビニに行こうと言われダウン着てつめたい小指たちがほどけぬ ひとひらの初雪ふればさむいのが苦手なきみのちぢんだ首に ベランダへつれる口実 ほらあそこ 流星群ははやいからいい ささくれと毛玉のニット/よせ鍋と湯気でくもった眼鏡/ゆたんぽ 冷えた部屋に置かれたままのジーパン履くこれだから冬はいやなの できあいのものばかり食う毎日はこころも誰かの作りもので スキップのリズムに合わせて揺れるつゆ 袋の中で踊るおでんよ 雪が降るしかししんみり降るもんだ待ち望んでない人々

めまいする日は少しだけ気持ちいい ゆがんだ世界とひとつになる #tanka #短歌

京本大我くんの短歌を詠む

化粧をした少し背の高い子は 色白い肩するりと撫でた 見惚れてた 深海に住むほととぎすみたいなシャツ 着こなしたきみ 紅茶の王子 よめない地図片手 シャツのボタン全部閉めない 沈丁花 その白い指触れたなら、僕は負けだと言うしかないね 僕だってもう大人です 馬鹿ねって笑ってください じゃないと俺は いつからか針が止まったあの時計 夜にしまった場所も忘れた 心臓の音を聴くためにうつ伏せで寝る日があるしひとりで泣くし 底のないブラックコーヒーの黒さに勝てる

れんこんの輪切りをタテにかじる癖 ひとりあの人のマネしてみる #短歌 #tanka

溶けかけのコーヒーフロートみたいになった僕たち まだ中2だよ #短歌 #tanka #夏

【短歌】透明な器の中の小さな味方たち

最下位の占いみても落ち込まずにいる私を作るまじない 毎日同じヨーグルトを出す母 うんざり思う15の私 父さんに謝るためのきっかけが欲しい この味うまいよねって 友達と朝方になるまで電話 小腹空いたし、いつもの食べよー この席で何十年も朝食を食べた私と変わらない味 強くなりたい

【短歌】雨

冷えたすねに触れる指 午前3時 揺れる雑音 キミはモルヒネ 雨の日のベランダ ねこもいない街であなたに読む最後の手紙 給湯室のコーヒーが無くなって、砂糖二個入れなきゃ飲めない人をおもう 大体は忘れてしまう記憶たちつれて泳ぐ 都会にまぎれたクラゲの仲間 星印の3つついたお店より たばこの匂い染みついた部屋で

【短歌】ベビー・ブルーのリボン

すっぴんのまつ毛長くて良いなって褒められたからマスカラやめた あんたって私がいないとひとりでトイレもいけずにどうするのよ 泣かないで、ココア買ったよ。良かったら飲んでちょうだい。話聞くから。 ショートヘア似合うねって言ってくれたあの日からもう3年経つよ 本当に全然そんなじゃないからお願い今はこのままでいて 一昨日の振られた話聞きながらカフェで冷たいアイスティー飲む 簡単に触れられること これほどに虚しいことがあってたまるか 冷たい手同志つないであたためて 女の

生きてないぬいぐるみだけ囲みつつ鬱陶しく生活したい #tanka #短歌

僕がノーと言っても君はイエスと聞き間違えるから仕方ない #tanka #短歌

線と線 手を伸ばしても届かない 凍える前にほら抱きしめて #tanka #短歌

あと何回辛さを抱えながらまた眠れぬ夜を過ごせばいいの #tanka #短歌

あなたに褒めて欲しくて欲しくてね 泣いたフリして目を腫らすだけ #tanka #短歌

似合わないパステルカラーのカーディガン 羽織って生きる自信がないの #tanka #短歌