シンデレラの靴が入らない

「わたしのための一足」

に出会ったワタシは、シンデレラの靴ごとく輝くシルバーと、深海魚のように深いきらめきを放つダークブルーの色選びで迷っていた。どちらも本当に素敵だった。
だけど、ワタシは派手好きに見えた現実主義だから、少しふわふわした感覚になりつつもしっかりとダークブルーを選んだ。
そのお店にはまだ小さいながらもシンデレラをこよなく愛していたワタシがいたように思えて、思わず「バイバイ」と言って店を出た。
なんだか外の空気がしんと冷たくて、だけど正しいような気もして、早く履いて合理化を進めたくなったワタシはまだまだ子供なのかもしれない。