見出し画像

会津木綿〜YAMMAさんの服

先日、行きつけの生活雑貨のお店・橋本のPEDLARさんへ行きました。

贈りものを選ぶときはもちろん、台所雑貨や衣類、お財布など「いいものないかな…」というとき、折々訪ねています。この素晴らしいお店を知ったのは10年ほど前、YAMMA産業さんの展示会がきっかけでした。

その洋服メーカー・YAMMAさんを知ったのはおそらく『暮しの手帖』の記事であったと思います。社長の山﨑ナナさんがデザインした服を腕自慢のおばあちゃんが縫製する、というところに関心を持ったのです。それ以来、色とりどりの麻や会津木綿の服をのんびりと新調してきました。

今回は半年前に注文したものが上がってきたので、ワクワクしながら取りに伺ったのですが、そこで山﨑さんの著書『YAMMAの服にできること』(小学館)を購入、あまりに面白く、帰りの電車の中で夢中で読んでしまいました。

YAMMAさんの展示会は年に2回ほどあります。シンプルな定番の型と新作があり、たくさんの色や柄の生地見本から選びます。また、丈も5センチ単位で伸ばすことができます。

自分は手工芸的な服があまり似合わないと感じているので不思議なのですが、YAMMAさんを通して会津木綿を着るようになり、こころを奪われています。厚手の綿織物ですが、シャンタンのような艶のある黒緑、辛子色と紺色の細目のしま柄・棒縞、グリーンとブルーのしま柄・まりも縞など、色柄は現行で105種類あるとのこと。元来野良着用の生地だったこともあり、冬は温かく夏はサラッと、がんがん洗えて型崩れせず乾きもよく、とても重宝しています。

あたしは好きなものがたくさんあるけれど、なんといっても洋服が大好き! 自分なりのこだわりもあります。①できるだけ天然繊維で肌触りのよいもの。自分で洗濯できるもの ②作り手が身近な国産のもの ③肌映りのよい色や柄 ④当然、着やせして見えるもの!⑤応援したいお店で購入する!

画像1

画像はYAMMAさん定番のキュロット(グリーン×ブルーの、まりも縞)です。現在は色柄違いで合計5枚持っています。もともと、キュロットなんて色気のないものは絶対着ないぞ! 派だったのですが、スカートをはいて腰のあたりがスースーし不調になることが度々あり、それ以来これに替わったのでした。(現在スカートは1枚もないけれど、ワンピースは大好きです。)

『YAMMAの服にできること』によると、山﨑ナナさんの会津木綿との出逢いは、会津出身のお客さまからの紹介でした。会津木綿は400年の歴史のある伝統産業として土産物などに使われていましたが、業績としてはさっぱりの状態だったそうです。その後、会津木綿の服はYAMMA服の主力になるのですが、織物工場の社長が急死し、廃業の危機に陥ります。しかし、幸いなことに協力者が現れ、山﨑さんは織元を存続したいとの思いから共同代表となりました。

ざっくりと書いてしまいましたが、この件は読んでいて胸に来るものがあります。山﨑さんの人柄、もの作りへの思いはユニークで興味深く、これからも見つめていたい、応援し続けたい。

あたしがPEDLARさんへ行き始めた当初は、社長の山﨑さん自ら展示販売をしていましたが、ここのところは店主のペド子さんが程よい感じでYAMMA服を着こなし、誘惑され続けています。ペド子さんは自分とはタイプがまったく違うため、参考にならないにも関わらず、気兼ねなく試着を繰り返せるため、ああでもないこうでもないと長居し、まんまと注文に至ります。チャーミングなペド子さんはしっかり者で勧め上手、(もちろん試着しまくって買わずに帰ることもあり)何よりも商品への理解や愛情が深く、YAMMA服の売上では関東一だそうです。

あたしにとってのYAMMA服は、くたびれても生地を捨てられずバッグに作り替えたり、まったく同じものを買い替えたり、今やかけがえのないものです。普段着を大切に永く着る、着ていてほっとする、買うことにも誇りが持てる、そんな服なのです。