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動画「くろあめのきもち」を作ったボクのきもち

1)ボクの黒あめ経験値

黒あめのことを考えたとき、最初に浮かんだイメージは、「なんか地味」「甘ったるい」そして「あまり好きでない」ということだった。子ども時代のイメージをいまだに引きづっているらしい。あめちゃん(出身地の京都では、飴のことを必ずちゃん付けする)の中で、オレンジ味は大好物だったが、ハッカや黒あめは、苦手な代表選手だったのだ。

そんな私が、変わったのは、いいおじさんになって、年に数十回、出張するようになってからである。飛行機を使うことも多かったので、機内でキャンディをもらうことも多く、黒あめを手にする機会も増えたのだ。特に、のどが不調のときに、一粒ほおばるだけでその甘さがお口全体に広がって、心身ともに安らぐように感じたものだ。CAさんにお願いしたら、黒あめを小袋に詰めて持ってきてくれて、何だかとても得した気分になったのを思い出す。黒あめを大切に思う気持ちが、ボクの中に芽生え始めていた。

(参考:でめさんブログページ)

ところが、その機内での黒あめ体験のことをすっかり忘れていたのである。Hさんからもらったメッセージに「黒あめ」という言葉を見つけたとき、少しどんよりしたイメージが、頭をもたげたと思う。育ゲーに例えれば、経験レベルが、ゼロに逆戻りしたような話だ。

2)Hさんとの交流

Hさんは、春日井製菓のマーケティング部に籍を置くサラリーマンである。部門を仕切るマネージャーでもある。同社が主催する「スナックかすがい」という企画に興味があって、そのイベントページにボクが何気に投稿したところ、それに反応をくださったのが縁のはじまりだ。いただいたメッセージに感じたのは、Hさんからあふれ出る熱量と誠実さで、スタート時から私の中の気になる人物になっていた。

Hさんの方も、黒あめと絵本をコラボさせたキャンペーン(黒あめバトンキャンペーン)を展開していて、ちょうど絵本への関心も高まっていたこともあり、ドンハマ★へ連絡をいただいたようだった。

(春日井製菓「黒あめバトンキャンペーン」Webサイト)

絵本好きのドンハマ★が、このキャンペーンをおもしろいと感じるのは、起用した絵本作家さんの顔ぶれである。「あらしのよるに」を代表作とするきむらゆういちさんやおくやまひでとしさんなど、大御所の方々もラインナップされる中、おおでゆかこさん、やまだなおとさん、むぴーさんといった絵本作家としてはまだキャリアが浅く、これからの期待が高まる方々が、起用されている。

実は、やまだなおとさんは、ドンハマ★が以前、札幌に行ったとき、デザイナーの友人からこんな絵本を作っている仲間がいると「プップクプードル」を実際に見せてもらったことがあるが、一読して、その世界観に引き込まれた記憶がある。今回、そのやまださんが作り手の一人として起用されているということもあって、キャンペーンの目の付け所のユニークさ、仕掛人であるHさんへの関心が一気に高まった行ったのである。

新人作家の起用は、ビジネス視点で考えれば、大人の事情の裏返しかもしれないが、いつかは「絵本作家の登竜門」にしたいと私に伝えてくれたHさんの言葉は、決して「お茶にごし」ではなかったと思う。

3)蝶ネクタイつながり

そういうドンハマ★であったから、Hさんへの興味は尽きず、氏がゲストとして登壇するオンラインセミナーを視聴しようと考えた。それまでは、メッセージ上の文面でのやりとりであったから、目にするリアルなH氏がどんな雰囲気を醸し出すのかにも関心があった。このセミナーは、ファンベースというマーケティング手法について、実践例を交えながら伝えるというビジネス色の強い内容であったので、私もビジネスモードに気持ちを切り替えて、セミナーに臨んだのである。

しかし、始まってものの5分とたたないうちに、想像と違う状況に目が釘付けになってしまった。なんと、Hさんは、ビジネスセミナーの登壇者らしからぬ姿、「かすがい」のイメージカラーであるピンクの背景画面に、赤い蝶ネクタイ姿で登場してきたのである。これにはセミナーのMCの方も「どっちがファシリテーターかわからない」と何度も連呼されるほどのインパクトで、Hさんが、場の空気を一気に持って行ったのは、言うまでもない。

一方、話の中身におちゃらけ要素は微塵もなく、緻密でロジカルでありながら、チャレンジ精神や人への敬意にあふれる内容であったから「ハートは熱く、頭脳はクールに」という、私にとっての理想像をHさんが体現しているように感じていた。それに、蝶ネクタイといえば、ドンハマ★の代名詞でもあるわけだから、どんなシーンにおいても、自分の役割を潔く貫くHさんに、同じ蝶ネクタイ仲間としても強いシンパシーを強く感じたのは、当然のことと思う。

4)黒あめを口にしたときのようなやさしい気持ちを

セミナーのあとにも、何度かメッセージのやりとりがあった。綴られたHさんの文面には、いつも奢った態度がなく、好感を持ち続けていた。あるとき、文面の中の「黒あめの深いやさしさ」という言葉が、私の目に留まった。それは、黒あめのキャンペーンでも使われてきたはずのフレーズで、これまでも見ているはずだが、私は素通りしてきたわけだ。

しかし、そのときは、気になり出して、何度も何度も見返した。するとどんどんイマジネーションが私の中に膨らんで行った。まるで、黒あめのやさしさと絵本のやさしさ、そのふたつのやさしさがいい感じにミックスされて、世界にどんどん広がっていくイメージだ。

私は、その世界観をどうしてもカタチにしたくなり、まずはPowerPointのスライドにざっくりまとめてみた。試しにと思って、Hさんに送ってみたところ、思いの外、喜んでいただけたので、その世界観の完成度を高めたくなって、今度は動画にまとめることにした。

それから数日間は、元スライドを作り直したり、動画編集をし直したり、際限のない作業になっていた。ほとんどゾーン状態に入っていたように思う。ようやく自分でも納得できるところまでになったので、YouTubeに格納して、一区切りをつけたのである。それが昨夜未明のことである。

動画は、「くろあめのきもち」と題して、KASUGAIに捧ぐという形式でまとめてみた。デジタル絵本のようなテイストに仕上がったのではないかと思う。

自画自賛っぽいが、「(黒あめを通して)紡がれてきた、たくさんの愛をもっと次世代の人に伝えたい」というHさんの願いと、「絵本で未来を人々の笑顔とわくわくでいっぱいにしたい」というドンハマ★の願いをひとつの形にまとめられたように思う。ご覧になった方に、「黒あめを口にしたときのような」やさしい気持ちが、伝わって行くとうれしく思う。

そして、私の中にある、くろあめへのどんよりとした苦手なイメージもいつのまにか、なくなっている。早く、くろあめをなめたくなってきた。

※おまけの話になるが、Hさんとご縁をいただことへの感謝の気持ちとして、春日井製菓さんの所在地名も動画の中に表現している。

【YouTube えほん未来ラボ チャンネル「くろあめのきもち」(2分38秒)】

(BGM作曲:「すてきなオルゴール」クラウンジ作)

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