知のひらけた社会を目指して、僕達は動き出す

学問間の繋がりをより豊かなものにしたい、そしてその豊かな知を社会と接続させたい。そんな夢を描いて3ヶ月、12月10-11日にて合宿を行い、とうとう思考から行動へとシフトしていきます。

作りたい世界(ビジョン)

僕は、知のひらけた社会を作りたいと思っています。これは最も大きな理念であり、抽象度の高い言葉です。様々な意味や意義を内包しているがために、様々な人が「なんとなく良さそう」と思ってくれるような気がしています。

僕にとっては、たとえば専門化していく学問分野に懸念を持っています。博士課程のような極めて専門性の高い方々が、他の分野の博士課程と繋がっていないことは典型的な「知がひらいていない」状態だなと思います。

また、学問的な知と政策との間にある乖離というのも「知がひらいていない」状態と言えるかもしれません。大学での学びの価値や目的を高校生が知らないことも、社会人が気軽に学べる場所が無い状態も、全部「知がひらいていない」と言えそうです。

僕はそういう世界を変えて、それらがひらけた世界が見てみたいと思っています。それは極めて重層的な意味で価値があると思うし、何より僕の好きな世界です。

そのためにやること(ミッション)

このような世界を創るために、僕はいま40人以上の仲間と共に動き出しています。このミッションは今後変わりうると思いますが、当面は2つのことに取り組むつもりです。

1.学問分野の違いと固有の価値を認め合い、手を取り合う場を作ること
2.複合的な知を、様々な形で社会と繋げるための仕組みを作ること

1は学問分野に閉じこもりがちな知をひらけたものにするということです。形式としては、恐らく学会に似たコミュニティになると思われます。様々な専門分野の人間が交流し、それを通して違いを認め合い、時には手を取り合って協働出来るような場を作っていきます。

2は、そのような形で生まれてくる複合的な知を元に、それを社会に様々な形で繋げていく研究所/シンクタンク的なものを創るということです。それは時には政府に対する政策立案や評価なのかもしれないし、あるいは私企業と協働して教育をより良くすることなのかもしれないし、市民団体の取り組んでいる課題に何らかのアイディアを提供することかもしれません。

学会によって生み出される有形無形の価値ある知を、社会と繋げるための仕組みにしていきたいのです。どのセクターにとっても「こういうことに困った時は、あそこに相談すると面白いヒントが手に入る」ような場所になるかもしれません。(海外で既にThe good lobbyという団体が、学問と政策の乖離を埋めるために様々なセクターと協働しているようで、1つのモデルになりそうです)

2017年上半期(アクション1.実験)

知のひらけた世界を創るという壮大なビジョン、学会と研究所を創るという壮大なミッションに対して、現状まだまだ目を塞ぎたくなるほど距離があります。しかし、着実にステップを踏んでいくことは出来ると確信しています。

当初、300人規模の研究者コミュニティイベントを開催するというアクションを一歩目に置く予定でしたが検討の結果新たな、あるいは先んじて行うべきアクションが見えてきました。

知のひらけた世界とは何か。学問分野の異なりを知り、協働するとは何か。知が社会と接続するとはどんなことか。それは、ある意味で僕達自身も動いてみなくてはわかりません。

ならば、動いてみよう。これから半年間、連続的にワークショップを開催して「僕達が考える分野越境の方法や価値はなにか」「学問と社会が繋がるってどういうことか」を考えてみたいと思っています。

ワークショップは二種類に分け、1つは「学問の違いや関係性を知り、概念化する」ことをアウトプットに、もう1つは「実際に他セクターが抱えている課題にアイディアや解決策、意見を提示する」ことをアウトプットにします。

また、大規模なイベントの前に小規模で複数回開催することでこの学会が目指しているビジョンを着実に共有していき、仲間を増やしていく目的もあります。

半年間の実験が、この学会の在り方の方向性を決める良い材料になるはずです。そして2017年の7月からは二つのアクションに派生させていこうと思っています。

2017年下半期(アクション2.ジャーナル)

ワークショップで得られた知見をまとめて「知のひらけた世界とは、つまりこういうものだ」と説明出来るジャーナルを作り、2017年を締めくくるアウトプットとしたい。

内容は3種類に分けられると考えています。1つ目は分野同士の関係性と協働可能性を示す手がかりになるワークショップの成果物。2つ目は複合的な知が社会と実際にどうか変わりうるかを示す、ワークショップの成果物。3つ目はそれらの具体的アウトプットを元に組み立てた理論を紹介する論考、ないし論文のようなものです。

それは僕達のやりたいことを説明するためのものであり、同時に僕達の価値を説明するためのものになるはずです。論文誌として価値を持たせるかは要検討ですが、それも自然な流れの中で決まっていくでしょう。

2017年下半期(アクション3.年次会)

半年間の実験を経て、ジャーナルを作るだけではなく数百人規模の学会も開こうと考えています。2017年12月に開催し、完成したジャーナルもそこで配布出来たらと考えています。

これから半年間掛けてどのようなニーズがあるか、どのようにすれば専門家が楽しめるのかをよく確かめた上で、社会との繋がり方も見えてきた上で、知的に最高に面白い年次会を開きたいと考えています。

今後、毎年大規模な学会とジャーナルを出すというのをルーティンにしていけたら良いなと考えています(それが必然、シンクタンクとしての仕事を呼び込むことにもなるはずです)。

また、この学会&ジャーナルの機能と、シンクタンクとしての機能を同時に持つ組織として研究所という形になっていくのかなとも考えています。組織体系などについては年度内に確定予定です。

この夢に込めた想い

僕は子どもの頃から、ずっと知的なものに対する飢えを感じていました。だから、知的なものへのオープンなアクセスを作りたい。そんな想いで今まで多くのプロジェクトを作り出してきました。知の見取り図もサロンも学部選択白熱教室も大学院入試.comも全てそうです。

いつしか自分自身の飢えを満たせるようになってきて気づいたことは、そのような知というものがどこかで「頭でっかち」で(特に基礎研究は)「役に立たない」ものだと思われていること。それこそが「知がひらけたものにならない理由」なのではないかと感じるようになりました。

学問や知は、豊かな連関の中で、この世界をきちんと捉えること、そして改善したり新たに生み出していくために機能しています。それに、みんな気付いていないだけではないか。研究者の中にさえ、他の分野への無理解や、分野間の関係性に対する無関心があるのではないか。

僕は、この無理解・無関心に立ち向かいたい。この世界をより豊かで素敵なものにするために、様々なアプローチがあると思います。僕は、僕が最も思い入れのある「知/学」の領域に取り組みたい。

簡単なことでもなければすぐに達成出来る目標では決してありません。1人で出来るものでもなければ、内向きの仲間とだけやって達成出来る目標でもありません。

時間のかかる難しい課題ですが、様々な立場・専門と協働していきながらこの夢に突き進んでいこうと思います。大変ですが、きっととても楽しいものだと確信しています。

多くの方と共に進んでいくために、このような理念に共感頂ける方々のためのFBグループを用意しています。是非ご参加ください。随時、進捗などを共有していきます。



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哲学者が社会に働きかけていること

知の見取り図、出張授業、大学での講義、大学での共同体などを通して、哲学者として社会に価値を届けるためにやっていること
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コメント2件

ビジョンに心から共感します。
私はまだ学部生ですが、分野間の壁、理論と実践の壁に違和感を抱き、これらを取り除きたいと考えております。
Facebookグループにも参加リクエストを送らせていただきました。
是非宜しくお願い致します。
ありがとうございます、今後グループでどんどん進捗を共有していきますのでお待ち下さいね。
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