33歳人妻が16歳の少年に恋した話 30 小雨と緊張

2022年10月中旬、月曜日。

会う約束をしてからも、3〜4日に1回ぐらい連絡が来て、他愛もない会話をして、寝る前にはお互い好意を伝え合う、そんなやり取りが続いていた。

彼が何を考えているのか、全くわからなかった。
本当にこの状態は何なんだろう。

あんなに大好きで愛おしかった彼が、怖い存在になりつつあった。

そして迎えた当日の朝。

ものすごく天気が悪かった。
今にも雨が降りそうだった。

なんだか今の精神状態みたいだな、と思った。

そして、待ち合わせの1時間前から小雨が降ってきた。
お互い自転車に乗って集合だというのに。

これは会うの中止になりそうだな…と思っていたところに、フラッグ君から連絡が入った。

会うのやめましょうって連絡だろうな、と思った。
そうだとしても凹まないようにしなきゃ。
覚悟してスマホを見た。

「めっちゃ雨降ってる笑」

予想外。
これはどんな反応を求めているんだろう。

遠回しに会いたくないって言ってるのかな。
会うのやめようって私に言ってほしいのかな。

ネガティブにしか考えられなかった。

「本当ね(笑)会うのやめとく?」
と返してみた。

返信が来るのが怖くて仕方がなかった。

スマホが鳴った。

「いや、とりあえず行きます笑」

また予想外。

会ってくれるんだ。雨が降っているのに自転車で来てくれるんだ。
それだけで安堵した。
何となくまだ大丈夫なのかな、と思えた。

私も公園へ向かう準備をした。
前は家の近くまで迎えに来てくれたのにな、なんて思いながら。

小雨が降る中自転車を漕ぐこと20分。
公園に到着。
全身がまあまあ濡れていた。33歳にはキツかった。かなり体力を持って行かれた。

彼はまだ到着していないようだった。

自転車に乗っている最中だろうなと思いながらも、ひとまず到着の連絡を入れた。

「着いたよー」

やはり既読は付かず。
ひとまず持参した折り畳み傘を差して彼の到着を待った。

数分後、彼が来た。

彼の姿を見た瞬間、ドキッとした。

恋のときめきのドキッではない。
今日で振られちゃうかな、とか、もう会えるのはこれで最後かな、とか、どんな話をされるのかな、とか、不安と恐怖の入り混じったドキッである。

彼は傘を持参していなかった。

私が傘を差し出し、
「入る?」
と言うと、彼はコクっと頷いて傘の中に入ってきた。
相合傘。

初めて川辺で会った日みたいなニッコリした顔ではなかった。真顔だった。
触れた彼の肩は、冷え切っていた。

やっぱり今日でこの関係は終わりかもな、と思った。

とりあえず、屋根のある場所へ行こうと言って、相合傘をしながら屋根のあるベンチへと向かった。

続く

関係ないけど、今週アーネストという芸人さんを知り、昨日の昼休みにYouTubeのチャンネル登録をしたら、昨日の夜解散発表してた。私って疫病神なのかもしれないなと思った。

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