33歳人妻が16歳の少年に恋した話 61ポッキーゲーム

フラッグ君のリクエストで、某つり革のゲームをした。

さすが常日頃ゲームをやりこんでいるだけある。初めてやると言うくせに何回かやっている私よりもずっと上手い。

つり革以外のゲームも、まあそれはそれは上手かった。
私は全てのゲームに惨敗した。

「フラッグ君うますぎ」
「いや、あのこさんが下手すぎ(笑)」

私は昔からゲームが下手だ。
だから家族で唯一ゲームにハマらなかったのだと思う。

足が冷えてきたので、途中から2人でこたつに入りお茶を飲みながらゲームをした。
物理的な距離が近くなったので、コントローラーを動かす度に腕がちょっとだけ触れてドキッとした。

どれだけコツを教えてもらっても私は上達しなかったし勝てなかった。
彼は私のゲームの下手さに爆笑していた。

30分ほどでゲームに飽き、適当なテレビ番組に切り替えて雑談をした。

今年のスポーツチームのメンバーの中で誰のユニフォームを買うとか、今年入ってきた新メンバーの話とか。
フラッグ君の年末年始のおばあちゃん家の話とか。
他愛もないことばかり話した。

しばらくしてフラッグ君が

「あのこさん、ポッキーゲームしようよ」

と言ってきた。

ついにこの時が来てしまったか…と思いながら、私は買ってきてテーブルの上に置いていた数種類のポッキーを指差し、

「どれがいい?」

と聞いた。

フラッグ君はなぜか笑っていた。

「なんで笑ってんの?」
「なんで1袋に何十本も入ってるやつばっか買ってきたんですか(笑)全部そのタイプじゃん(笑)1袋に2〜3本とか入ってるような小分けのやつ買ってくればよかったのに(笑)どんだけポッキーゲームする気だよ(笑)」

小分けのタイプのポッキーの存在を完全に忘れていた。いつも買わないんだよね、あれ。割高だし。

「あのこさんってたまにアホだよね」
「ほんとだね…ゲームも下手くそだしこんなポッキーばっか買ってくるしロマンチックなムードなんてありゃしないね」
「とりあえずやってみたらそれっぽいムードになるんじゃないですか(笑)」

そう言って彼は、一番ノーマルな味のポッキーの箱を開封し、袋を破ってポッキーを1本取り出した。

「はい」

と言って、チョコのついている方を私の口元に持ってきた。
チョコついてる方くれるんだ、優男だなって思った。

「食べてる最中の顔ブスだから目瞑ってね」
「やだ、見る」
「いや、頼むから本当に見ないで」

そう言って私は、互いにポッキーをくわえたことを確認してから彼の両目を塞いだ。
こうしてポッキーゲームがスタートした。

人の両目を塞いでポッキーを食べている。
そしてだんだんその顔がこちらに近づいてくる。
状況が変すぎて笑いそうだった。

食べ終えて唇が触れ合ったが、お互い口の中にポッキーが残っているためキスどころではなかった。

「キスどころじゃないね」
「ほんとに」

と言って笑った。

すぐさま唇を離し、お互いポッキーを咀嚼しながら話した。

「世のカップルってポッキーゲームの後どんな空気になってるんだろうね」
「ほんと。これは後の処理が難しいですね。世のスタンダードを知りたい」
「ねー」

咀嚼が終わり、お互いお茶を飲み一息ついた。

「ちゃんとチューしよっか」

と言ったら、彼がニコーっとしながら頷いた。
お互い背中に手を回してキスをした。

そのままこたつの中に体ごと入り、こたつの中でキスを続けた。

続く

関係ないけど、紅しょうがのYouTubeがめっちゃ面白くて最近毎日見てる。私と熊元さんって性格が似てるなって思う。

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