【天鳳】リーチ宣言後の迷い

 宣言牌を決めてからリーチボタンを押したほうがよい。


待ちが高精度で透けることがある

 リーチを発声してから、数秒して發を切った。たったこれだけの情報で、9p単騎が透けてしまったのだ。これは決して私の読みが優れているわけではなく、与えられた情報を適切に処理出来れば誰でもこの結論が導ける。

 リーチ宣言後に迷うということは、宣言牌以外にも切る牌の候補があったということだ。これが例えば数牌であれば、3456sから3sと6sで迷ったようなケースが存在するため大した情報にはならない。しかし、これが字牌となると話は別だ。

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 發が単純な余剰牌の場合、發を切らなければ聴牌出来ない。リーチ宣言後に考える必要がない手牌は今回のケースに該当しない。よってこの可能性は存在しない。

 發を切らないという選択肢が取れる時点で、手牌は3パターンしか存在しない。単騎選択の場合、發暗刻から1枚切る場合、国士の場合だ。

 国士は除外するとして、やはり本命は単騎選択である。しかし、發よりも優れている単騎待ちを探してみると、萬子と字牌にはそれらしい牌が残っていない。東単騎はダブ東があるためあんまりない、中単騎は地獄単騎で普通選ばれる待ちではない。他はすべて通っている。

 ならば、發単騎より優れている単騎待ちは一つしかない。9p単騎である。

 多少チートイっぽさはあるが、面子手の可能性も全く否定できない河だ。この捨て牌だけを見れば、筋の9pを切る人も少なくないだろう。少なくとも生牌の發よりは無警戒に出てくる牌と言っていい。

 一見すると安全な牌だからこそ、一番の危険牌になる。發切りに迷ったというたった一点で、すべての牌の危険度がひっくり返る。この河でいかにも危険そうな9s単騎を選ぶ人はいない。だから9sを通せた。まあ4sは流石にドラ単騎の可能性を否定出来ないので分からないが。


例外の考察

 実戦的には単騎選択以外をレアケースとして片付けてもいいところだが、一応その可能性も考察する。

 例えば發暗刻から1枚切る場合。

 この牌図は69sの一手だが、愚形待ちなら単騎も選択肢に入る。しかし、単騎の比較対象として多種多様な手替わりが存在するため、迷うならリーチ前である。同様の理由で、發暗刻ヘッドレスのパターンはほとんどない。

 2つ暗刻があるヘッドレスの場合は、發切りで1翻捨てるのは相方がドラ4sか役牌の東しかない。東なら迷ってもおかしくないとは思うが、迷う必要性はない。ドラ4sの場合は4s切りダマで満貫確定のため黙る選択肢が存在し、この場合リーチボタンを押す前に考えるはずだ。


 次に、単騎選択の発展形。

 普通の危険牌で刺さるとしたらこのパターン。發切りリーチで迷うまでもないとは思うが、それ以前に6pツモ切り→5s→1sの切り順で發を残すことを合理的に説明出来る牌姿が思いつかない。

 索子下に何かあれば發を切って1sを残す。索子下に何もなければ筒子3面子で、この場合6pをツモ切る牌姿が想像できない。実戦中に考察していたわけではなかったが、冷静に考えてもこのパターンは滅多にないと思う。


 あとは、チートイと面子手の選択が出来る場合。

 これはどっちで曲げる人がいても違和感はない。迷うのも頷けるし、このパターンは存在しそうだ。しかし、この場合でも単騎待ちの場合に一定以上の和了が見込める待ちという前提が付く。

 例えばこれの東が6sだったなら、6s単騎は流石に手替わりを考慮すべきなのでリーチ前に考慮すべきである。このパターンは、リーチボタンを押してから選択出来る程度にはチートイの待ちとして相応しい単騎のはずだ。この場合、9p単騎が本命に変わりないが、東や2sまでは許容されそうだ。


 暗刻を發以外にすることで、牌理上違和感のない待ちを作れる。しかし、チートイの方が一盃口より1翻高いので、普通は發単騎にするはずだ。東暗刻かドラ4s暗刻なら翻数は同じになるが、その場合でも發単騎より和了率で優れる待ちという条件が付く。

 この条件に合致するのは、やはり9pと東である。これらが相方であれば、多少危険そうに見える牌がシャボで刺さってもおかしくはない。

 これなら索子上や筒子下が刺さるパターンは存在する。これは切った牌がすべて浮き牌でなければ整合性が崩れそうなので、123p9sが他より若干危険にはなりそうだ。8sは通ったので除外。


 このパターンはあるので、一応4pが刺さる可能性はある。



再掲

 総合的には、9pがほぼ刺さる、東は刺さってもおかしくはない、ドラ4sは刺さる可能性はある、1234p29sは理論上刺さる牌姿が存在するがほぼ通る、他はむしろ刺さるなら刺さってみたい。現実的に存在するのは9p東4sまで、それ以外は超レアケースとして片付けていい。実戦では単騎選択以外をすべてレアケースとして切り捨てたが、この認識でも十分だろう。

 『發より優秀な単騎待ち』が本線ということに気付ければ、9pを切らないことは難しいことではない。9sも確信を持って通すことが出来た。

 読みの起点は、違和感に気付くことである。他家の迷い、見抜いてみませんか?



 ちなみに、この局は当然ここから華麗に和了を

 ぽやしみ~。



使用素材

 牌画には、天鳳の牌画生成機能を利用しています。


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