緊急提案④(拡散にご協力ください)

※時間のない方、長い文章を読むのが苦手な方などは、最下段の【概要】欄のみお読みください。

これまで、3回の緊急提案をさせていただきました。
1回目がBPOで、2回目がNHK、そして3回目は首相官邸が対象でした。

10月半ばには最終提案④を予定していましたが、働きかけるはずの主体であるジャニーズ事務所が(形式的に?)消滅してしまったため、中止しました。

さて、ここのところ、公共放送のNHKと、在京キー局のうち日本テレビ・TBSと、立て続けに旧ジャニーズ事務所との関係についての検証番組が放送されてきました。
そして10月21(土)にはフジテレビが前出の検証番組に倣ったフォーマットで検証番組を報道し、テレビ朝日も同様の検証番組を放送することをすでに公表しています。
これら一連の検証番組放送は、旧ジャニーズ事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」の報告書に記載されている「マスメディアの沈黙」を受けてのものと思われます。
特別チームはジャニー喜多川による児童性虐待が長期に及び、被害が拡大した背景として、マスメディアが報道を控えたことを報告書に記載しています。

テレビ局をはじめとするマスメディア側としても、ジ ャニーズ事務所が日本でトップのエンターテインメント企業であり、ジャニー氏 の性加害を取り上げて報道すると、ジャニーズ事務所のアイドルタレントを自社 のテレビ番組等に出演させたり、雑誌に掲載したりできなくなるのではないかと いった危惧から、ジャニー氏の性加害を取り上げて報道するのを控えていた状況 があったのではないかと考えられ、被害者ヒアリングの中でも、ジャニーズ事務 所が日本でトップのエンターテインメント企業であり、ジャニー氏の性加害を取 り上げて報道するのを控えざるを得なかっただろうという意見が多く聞かれた ところである。 このように、ジャニーズ事務所は、ジャニー氏の性加害についてマスメディア からの批判を受けることがないことから、当該性加害の実態を調査することをは じめとして自浄能力を発揮することもなく、その隠蔽体質を強化していったと断 ぜざるを得ない。その結果、ジャニー氏による性加害も継続されることになり、 その被害が拡大し、さらに多くの被害者を出すこととなったと考えられる。

「再発防止特別チームによる調査報告書」より引用

NHK・日本テレビ・TBS、そしてフジテレビ。
それら4局の検証番組の中で『週刊フジテレビ批評』の枠を移動して日中に放送したフジテレビの検証内容はあまりにもひどく、無残なものでした。
未見の方はこの先を読み進める前に、まずはフジテレビ公式がYouTubeで公開している当該番組をご覧ください。

先行の他局検証番組をなぞっただけという安易さもさることながら、尺がわずか25分、しかも関東ローカルのみで放送の『週刊フジテレビ批評』枠です。
この『週刊フジテレビ批評』は、第1回の放送で、当時の社長・日枝久氏が視聴者に向けて「テレビが一方的に視聴者に語るだけでなく、視聴者とテレビ局がお互いに語り合いながら番組作りを進めることが、よい番組を作り、放送文化の向上につながる」と番組の趣旨を説明してはじまっています。
いったいどの辺に「視聴者とテレビ局がお互いに語り合いながら」の場面があったでしょう?
どの辺が「よい番組」で、どこが「放送文化の向上につながる」のでしょう?
視聴者を置き去りにし、あまりにも一方的で、自分たちしか望んでいない“アリバイ作り”に終始した内容でした。

政府要人による「個別の事案についてはコメントを差し控える」といった逃げ口上がまかり通っている現在ですが、フジテレビが自局の個別事案に触れることなく、先行局の検証番組と差し替えても誰も気づかないほどの劣悪な内容を、「批評」をタイトルに冠した枠で、「検証」と称して放送したことは、自浄能力のなさを露呈しただけでなく、当該番組にも氏名と短いコメントが登場した番組審議会委員の無能・無力・無意味をさらけ出したものとして映りました。
この番組審議会は放送法第六条の規定によって「放送番組の適正を図るため」に設けられている機関ですが、フジテレビの現在の審議委員は次の8名です。

・但木 敬一(委員長)弁護士
・岡室 美奈子(副委員長)早稲田大学教授
・井上 由美子 脚本家
・小山 薫堂 放送作家・脚本家
・最相 葉月 ノンフィクションライター
・齋藤 孝 明治大学教授
・舞の海 秀平 大相撲解説者
・三浦 瑠麗 国際政治学者

<「なぜこれまで報道しなかったのか」「事務所との関係性はどうだったのか」、今日はこれを検証します>とのナレーションからはじまった当該番組検証ですが、先にリンクした番組動画を視聴すればわかる通り、検証番組としてはほとんど意味のない、視聴者を馬鹿にしたような内容でした。
視聴後に、なぜそのような内容になったのか、つらつらと考えてみるに、次のようなことが思い浮かびました。

25分という短い尺
言い逃れのできない“前科”を持ち出したくない
旧ジャニーズ事務所との具体的な関係を知られたくない
今後も旧ジャニーズ事務所と深い関係を続けていくため

②の「言い逃れのできない“前科”」というのは、2016年1月18日に放送された『SMAP×SMAP』でのSMAP公開生謝罪放送のことです(動画はYouTubeにありますので、未見の方は探して観てください)。

③は、藤島ジュリー氏が上智大学卒業後、フジテレビに入社したこと。

さらには、フジテレビから旧ジャニーズ事務所に出向して、そのまま旧ジャニーズ事務所に転籍して役員におさまり、新会社の役員にもなると一部で報じられている重岡由美子元フジテレビ編成局編成センター・ゼネラルプロデューサーの存在です。

フジテレビと旧ジャニーズ事務所の関係を語る上で大変重要な②と③について、検証番組では一切触れられていませんでした。
特に、②のSMAP生謝罪放送については、プライムタイムで全国生放送され、瞬間最高視聴率が37.2%と、大勢の国民が視聴した番組です。
当時も異様・異常な放送だと大きな話題になりましたが、今になって振り返ると、旧ジャニーズ事務所とフジテレビの関係を如実に表す唯一の“証拠映像”として検証されるべきものです。
どうしてあのような異様で異常な番組をプライムタイムで全国放送したのか、できたのか。
その裏では旧ジャニーズ事務所とフジテレビの間にどのようなやりとりがあったのか。
旧ジャニーズ事務所とフジテレビの力関係はどのようなものだったのか。
当時のフジテレビ上層部はどのように考え、判断したのか。
現在の上層部は今振り返って、あの放送をどのように考えるのか。
今ならまだ2016年1月にフジテレビ上層部として判断に関わった人間が生存しているはずです。

『SMAP×SMAP』は、国民的アイドルグループと称されたSMAPの番組ではありましたが、“公開処刑”とまで呼ばれたあの衝撃的な放送は、いちグループの問題を超え、旧ジャニーズ事務所のテレビ局支配・共犯関係を明らかにする上で、他にはない格好の“教材”であると言えるでしょう。
また、7年前のあの公開生謝罪を放送した両者の関係性は、今年になってから大問題になっているジャニーズ問題に関して、特別チームが調査報告書に記した「マスメディアの沈黙」にどのような影響を与えたのでしょう?

『SMAP×SMAP』の公開生謝罪放送後、大勢のSMAPファンたちが、「公開パワハラであり、電波の私物化だ」「むりやり謝罪させられている」などといった声をBPOに送っています。
その数は放送のあった2016年1月だけで約2800件だったと2月になってBPOが明らかにしています。

当時の放送倫理検証委員会委員長の川端和治氏は、「我々が扱う案件かどうかという観点でいうと、本人たちから被害を受けたという訴えがあれば別だが、放送された内容それ自体が放送倫理違反というわけではない」とコメントし、審議入りしない考えを示しています。

SMAPファンの中には早い段階で「あの放送は人権侵害だ」と喝破している方も少なくなかったようです。

2016年から7年が過ぎた今、SMAPファンでもアイドルファンでもない弊会から下記の通り皆さんに提案し、広く参加を呼びかけたいと思います。
おそらく、これが最後の実現のチャンスではないでしょうか?

ひとつ、特にSMAPファンの方にお願いしたいのは、これはあくまで旧ジャニーズ事務所とフジテレビの関係について明らかにすることが主目的であり、SMAPメンバーの名誉回復や人権侵害といったようなことを目的にはしていないことを理解していただきたいということです。
もちろん、そうなればそれに越したことはありませんが、それが主目的ではないということ。
なぜこのようなことをわざわざ書くかと言いますと、ジャニーズを退所した人、グループは他に何人もいるからです。
本提案はSMAPファンだけに向けたものではありません。
あの映像を突破口にしたいという意図があります。
その点について、どうか各人が視野を広く持ってご理解いただければと願います。

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【概要】
■下記3点について、BPOに意見・要望の声を届ける。

1. BPOが2016年に「審議せず」と判断した同年1月18日フジテレビ放送の『SMAP×SMAP』について、現在大きな問題となっているジャニー喜多川の児童性虐待と、それを拡大させた「マスメディアの沈黙」を念頭に、テレビ局は加害者側に立っているという観点から、今一度BPO三委員会(放送倫理検証委員会・放送人権委員会・青少年委員会)での番組審議を求めます。

2. 上記1.について、現在のBPOの見解・声明を求めます。

3. BPOからフジテレビに対して、2016年1月18日放送『SMAP×SMAP』冒頭のSMAP謝罪生放送についての検証番組放送を要請するよう求めます。

※重要なことは、2016年当時と今とでは、旧ジャニーズ事務所とテレビ局の関わり方、事務所と所属タレントの関係について、BPOの各委員や視聴者の前提知識が大きく変わっていることです。
そのことは再発防止特別チームによる調査報告書の「4.マスメディアの沈黙」や「5.業界の問題」等によって理解されるものです。

【送信先】(BPO)

【期間】
10月22日(日)~10月28日(土)までの7日間

◉上記の説明や、他に目にした記事等を参考に、自分個人の自由意思で意見・要望を送ってください。
主目的はSMAP云々ではなく、あくまでBPOに対して上記概要の1.2.3.を実行してもらうことにあります。

■実際に意見を送った方のみ、下記ハッシュタグを記載して、送信した旨を「X」にポストしてください。

ハッシュタグ:#BPOにスマスマ審議の要望を送りました

なお、このアクションはツイデモの性格を持つものではありません。
上記ハッシュタグをツイートするのは実際に意見を送った方だけにしてください。
ハッシュタグをつける目的は、このような要望があることを可視化させるためです。
数が少なければこのアクションは失敗ですし、要望・意見が通るかどうかもわかりません。
そうした一つひとつが、現在の日本における人権意識の現在地を示す指標のひとつと言えるのかも知れません。

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私たちのやっていることにどれほど効果があるのかはわかりませんが、やれるだけのことをやってみましょう。

よりよい社会を次世代へ──。
私たち一人ひとりは微力ですが、決して無力ではありません。

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