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BPO理事長の見解を受けて。

弊会ではこれまで、BPO (放送倫理・番組向上機構)を対象に何度かの呼びかけを行ってきました。
その時系列による経緯は<緊急提案⑤>にまとめてありますのでご覧ください。

<緊急提案⑤>の要望3点には記載していませんが、弊会主宰者の私は個人的に要望3点に「BPOとしての声明・見解を求める」旨を加えてBPOに送っています。
12月4日、「芸能事務所における性加害問題について」というタイトルで、BPOの大日向雅美理事長がジャニーズ問題についての見解を発表しました(正確には“ジャニーズ問題に関する視聴者の意見・要望を受けてのBPO理事長としての見解”でしょうか)。

Wikipediaによると、大日向雅美氏は現在73歳の心理学者とのこと。
恵泉女学園大学学長にして人間社会学部人間環境学科教授。
専門は発達心理学(家族・親子関係)、ジェンダー論だそうです。
その他のプロフィール・実績はこちら。

さて、前述のBPO理事長見解にはいろいろとそれらしいことが書き連ねられていますが、要点は最後の段落のわずか数行です。

視聴者と放送局を繋ぐ第三者機関の役割をもつBPОは、各放送局の今後の取り組みをたゆまず注視してまいります。そして放送がこれからも視聴者の信頼の上に公共的な役割を果たしていくため、適時、さまざまな形で放送局と議論する場を設けて、意見をたたかわせていきたいと考えております。

BPO理事長見解(2023年12月4日) https://www.bpo.gr.jp/?p=11822

この数行では何を言っているのでしょう?
修飾語などを除去して、要点だけを書き出してみるとこうなります。
(「意見をたたかわせて」を平常の言い方に書き換えています)

各放送局の今後を注視してまいります。
さまざまな形で放送局と議論する場を設けて、意見交換をしていきたいと考えております。

BPOは<放送倫理・番組向上機構>であり、NHKと民放連および加盟各社によって作られた第三者委員会という存在なのですから、「各放送局を注視」するのは当然のことで、わざわざ記載しているのが奇異に思えるほどです。
よって、この見解で言っていることは次の一点のみ。

さまざまな形で放送局と議論する場を設けて、意見交換をしていきたいと考えております。

このBPO理事長見解は、[BPOトップページ]⇒[BPOについて]⇒[BPOの決定一覧]と進み、[2023年度 声明・提言・見解など]の欄に掲載されているものです。
いったい、この見解は何を意図して、何を目的に書かれたものなのでしょう?
「さまざまな形で放送局と議論する場を設けて、意見交換をしていきたいと考えております」は「考えております」であって、何ら具体的なこと(日時や参加者・目的等)には触れられておらず、決定事項ではありません。
弊会では、ジャニーズ問題について局を横断した調査をするための第三者委員会の設置を要望をするよう呼びかけていました。
ところが、大日向雅美氏の見解や、BPO三委員会(放送倫理検証委・放送人権委・青少年委)の議事概要、視聴者からの意見抜粋に至るまで読んでも、どこにもそうした要望(テレビ局ではなく、BPO内に第三者委員会を設置すること)があることには触れられていません。

ジャニーズ問題に関しては、BPO始まって以来、視聴者から月間で最多の意見・要望が届いている(BPOホームページより)にもかかわらず、BPO自身が能動的・積極的・具体的に対処しない、というのが決定事項なのでしょうか?
私はX(旧Twitter)でこうポストしています。

そして、しばらく経ってからこのようなポストを。

大日向雅美氏は見解の冒頭で「未だ解決の道筋は見えず、むしろ緒についたところとも言える本問題」と書いています。
なぜ解決の道筋が見えず、BBCが3月に放送してから9カ月も経とうとしているのに、大日向氏が「緒についたところ」と言ってのけるのか、僭越ながら私がお教えして差し上げます。

あなたたちのようにテレビ局の活動を監査する立場の人間が本気になってこの問題を考えていないからです。
あなたたちが人ごとのように考えて何もしない間に、人がひとり亡くなってしまいました。
それでもあなたたちが口にするのは「注視してまいります」です。
もう要らないんじゃないですか、BPO。
どんなに大層なことをおっしゃっても、どんな偉そうな肩書をぶら下げていても、人の命が失われたときですら、テレビ局に忖度して何もできない役立たずなら存在する意味なんてないでしょう。

だけど。
だけど、なんです。
そんな存在のBPOでも、私たちはあなたたちになけなしの一縷の望みを託すしかないのです。
そこで、近々に改めて広く皆さんに、BPO自身が主体となって、能動的・積極的・具体的に対処するよう呼びかける検討をはじめたところです。

決定しましたら、これまで同様、このnoteにておしらせします。
どれくらいかかるかわかりませんが、なるべく急いで、できれば本年中に開始し、年明けの1月中には完了できるよう考えますので、今しばらくお待ちください。

やれることは何でもやってみようと思っています。
その際には、どうかまた皆さんのご協力をお願いします。

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