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驚きの旧ジャニーズ事務所。こんなことが許されるのか?! SMILE-UP.とSTARTO ENTERTAINMENTのやり方を解説。

※弊サイトのエントリーはすべて、半世紀以上にわたって前代未聞の児童性虐待をおこなったジャニー喜多川と、それを隠蔽することで被害を拡大させた旧ジャニーズ事務所のあり方及び、それに加担する人物や団体について、批評・論評・研究を目的として書いているものであり、公共の福祉(社会全体の共通の利益)に資するものとして、日本国憲法第12条に従い、自由及び権利のもとで掲載している。
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これらは著作権法第32条第1項において認められている行為である。


本日未明の午前4:00のことでした。
旧ジャニーズ事務所を引き継いで名称変更をした株式会社SMILE-UP.が運営する所属タレントのファンクラブ「ファミリークラブ」(以下、FCと表記)及び、ジャニーズ事務所の芸能部門を引き継いだ形の株式会社STARTO ENTERTAINMENTが、4月(東京ドーム)と5月(京セラドーム大阪)に、旧ジャニーズ事務所所属のタレント多数が出演するコンサートを開催すると発表しました。

それと時を同じくして、多数のメディアがその情報を記事にしています。

このコンサートについては、すでに一部スポーツ新聞などが“未確定情報として”報じていましたが、それが実現することになったわけです。

さて、この件につきましては、旧ジャニーズのファンや、非ファンにとっては疑問だらけの事態のようです。
それについては記事にしているメディアも同様だと思われますが、今のところ、それに言及しているメディアはないようです(おそらくこれから出てくるでしょう)。

どんな疑問かと言いますと、まずは同コンサートのチケットは、今のところFC会員限定で本日より申込受付が開始されていますが、FCはSMILE-UP.が保有・運営しているにもかかわらず、STARTO ENTERTAINMENTという別会社がチケット発売の告知をしていること。
つまり、SMILE-UP.とは「資本関係のない独立した会社」である別会社のSTARTO ENTERTAINMENTにファンクラブ会員の個人情報が横流しされているのではないかという、疑問というより疑惑があります(詳しくは後述します)。

さらには、タレントの移籍について、いまだに公式発表がされておらず、所属は今もSMILE-UP.のままだと思われるのに、なぜSTARTO ENTERTAINMENTが絡んでいるのかという点。
「タレントはどこに所属してるの?!」ということですね。

旧ジャニーズファンの方の話によりますと、FC会員ページの申込案内や会員メールには、本日未明に発表されたコンサート「WE ARE! Let's get the party STARTO!!」について、主催・共催・後援等の記載は見当たらないとのこと。
以前よりジャニーズ事務所主催のコンサートには、事前情報としてそのような記載があった記憶がなく、チケット券面ではじめて知ることになったそうです。

「WE ARE! Let's get the party STARTO!!」という公演タイトルには珍妙なる社名の一部「STARTO」の文字が入っていますが、主催はどこなのでしょうか?
共催や後援といった企業・団体はあるのでしょうか?

ここで、昨年12月9日に、株式会社STARTO ENTERTAINMENTの代表取締役として、はじめてメディアのぶら下がり取材に応じた福田淳氏の言葉を振り返ってみます。

独立系WEB動画ニュースサイト「Arc Times」より

福田淳氏の発言より抜粋します。
「この会社(STARTO ENTERTAINMENT)ができる前提になっているのが、社会や経済界から(SMILE-UP.とは)分離しないと駄目ですよ、という要請に基づいて作られている」
「全くSMILE-UP.と資本関係のない独立した会社を作ったが、井ノ原快彦さんには残っていただいて、私は経営、井ノ原さんはタレントさんと向き合う。(略)補償と全く関係ない、そして創業家も関係ない、SMILE-UP.の関連企業の資本も入っていない、全く独立した会社」

福田氏は、STARTO ENTERTAINMENはSMILE-UP.とはまったく関係のない会社であることを必要以上に強調し、ジャニー喜多川の被害者に対する言及さえ頑なに拒否しています。
ジャニーズ事務所から社名を変更したSMILE-UP.ですが、そこのタレントと社員を引き受けるのに、「全く関係ない」というのは誰が考えても噴飯ものですが、それはテレビ局(の向こう側にいる広告代理店及びスポンサー企業)の要請によって、無理やりにでもそういう体裁にしなければならなかったということなのでしょう。
ジャニーズ事務所+テレビ局+広告代理店+スポンサー企業、これを私は「暗黙のカルテル=利益共同体」と呼び、これまでも何度か弊サイトで問題にしてきました。

ちなみに、福田氏の言によりますと、STARTO ENTERTAINMENT社長就任にあたっては、最初に藤島ジュリー景子・東山紀之・井ノ原快彦の各氏が面談に訪れ、社外取締役就任の打診をされたそうです。
その時はまだ当初の発表通り、東山氏が社長に就任する予定だったのでしょう。
ところがその後、東山氏が社長だと旧ジャニーズと縁が切れていない印象を世間に与えのでまずいという指摘を利益共同体から受けたのでしょう、東山氏が社長を断念したと報じられました。
そのため、急きょ福田氏に改めて白羽の矢を立て、社長就任の打診をし、最終的に福田氏が引き受けたという経緯であることを福田氏自身が説明しています。

ちなみに、SMILE-UP.は東山氏が新会社の社長に就任するということを公式に発表しておきながら、それがなくなったことはいまだに公式発表していません。
他にも公式発表などを守っていないことはいくつもあり、前回のエントリーではそのことを書いていますので、未読で興味のある方はどうぞ。

さて、今回発表されたコンサートについての疑問や疑惑について、少々面倒な作業をしながら詳しく見ていきたいと思います。

まず、前述の通り、福田氏は自分が社長を務めるSTARTO ENTERTAINMENTはSMILE-UP.と関係がないと言い切っています。
東山氏が社長を断念せざるを得なかった理由は前述の推測で間違いないだろうと思っているのですが、その理由を押し通すことによってSMILE-UP.は当初の予定に狂いが生じ、今に至るおかしな事態を引き起こしているのだと私は考えています。
顧問弁護士を交え、考えに考えて法的な問題だけは避けるようにして、なんとか体裁を取り繕っているつもりなのでしょう。

SMILE-UP.が保有・管理・運営するFCの会員規約を見ていきます。
「特定商取引法に基づく表記」によると、事業者はSMILE-UP.で、運営責任者は伏見茂という方のようです。
事業者名はジャニーズ事務所からSMILE-UP.に変更になっていますが、事業者所在地は東京都渋谷区渋谷1-2-5 MFPR渋谷ビルB1Fとなっています。

「ファミリークラブ」会員規約を一つひとつ見ていきましょう。
以下の規約抜粋はすべて、上記リンク先にて確認できます。
第2条の3には、規約変更は「相当期間前までに第4条(通知)に定める方法により」「効力発生時期を通知することによって、周知するものとします」と書かれています。

そして、第2条で指定されている第4条(通知)はこちら。
「公演の告知など必要な情報」は「会員サイトへの掲載、電子メールの送信、その他当社が適切と認める方法により」通知するとあります。

今回、本記事をエントリーするにあたって複数のFC会員に確認したところ、規約変更についての通知は受け取っておらず、会員サイトにも掲載されていないとのこと。

さらに第13条(免責)。

会員に周知されていないため、FC会員規約は変更されていないものとして話を進めます。

個人情報の取り扱いについて書かれた第14条。

そのプライバシーポリシーを見てみましょう。


ますは「個人情報の第三者提供」の部分。


次に個人情報の「共同利用」。
共同で利用する範囲を「当社のグループ会社」と規定しています。

では、「当社のグループ会社」を確認してみましょう。
……あれ?
おかしいです。
以前はあったグループ企業一覧がSMILE-UP.公式サイトのどこを探しても見当たりません。
もう一度確認。
ありません……もう一度。

何度確認しても同じです。グループ企業一覧が消えています。
旧ジャニーズ事務所と懇意にしているらしい日刊スポーツの過去記事で、SMILE-UP.公式サイトにグループ企業一覧が掲載されていたことを確認。
やはり間違いありません。以前は確かにありました。


念のため、個人情報を預ける「業務委託」についても確認しておきます。


念には念を入れて、「法令規範の遵守及び見直し」についても確認です。


ファミリークラブ(FC)オフィシャルサイトでの告知であることを再度確認。

https://www.johnnys-net.jp/ より
https://www.johnnys-net.jp/page?id=consta&artist=12#847 より

そして、こちらはSTARTO ENTERTAINMENT公式サイトでの告知。
「新会社でのスタートとするべく、この度コンサートを開催させていただく運びとなりました」と書かれています。
「開催させていただく」のですから、日本語として考えればその主体は新会社、すなわちSTARTO ENTERTAINMENTということになります。

https://starto.jp/s/e/news/detail/10005?ima=5946 より


こちらはSTARTO ENTERTAINMENTの告知記事にリンクが貼られていた特設サイト。
コピーライト表示はSTARTO ENTERTAINMENTとなっています。


そしてこちら。
チケット購入のみならず、ファミリークラブ会員の新規入会までリンクを貼って誘導しています。
コピーライトも確認。


☆  ☆  ☆  ☆  ☆

【まとめ】

さてさて、いったいどういうことなのでしょうか?
上記で見てきたことを整理してみましょう。

①STARTO ENTERTAINMENTはSMILE-UP.とは関係がないと、福田淳社長がぶら下がり会見で再三にわたって強弁。

②3月2日(土)未明、SMILE-UP.所属のはずのタレント多数が出演するコンサート「WE ARE! Let's get the party STARTO!!」の開催が、SMILE-UP.の保有・管理・運営するファミリークラブ公式サイト及びSTARTO ENTERTAINMENT公式サイトで告知される。

③「WE ARE! Let's get the party STARTO!!」特設サイトのコピーライトはSTARTO ENTERTAINMENT。

④同コンサートのチケットはSMILE-UP.が運営するファミリークラブ公式サイトにて、FC会員限定で3月2日より申込受付開始。

⑤FC会員規約では会員の個人情報をグループ会社内で共有することができる(=それ以外では共有できない)。

⑥3月2日時点でSMILE-UP.公式サイトには、以前はあったグループ会社の記載がなくなっている(=STARTO ENTERTAINMENTがグループ会社かどうか不明)。


以上のことから推測されることを以下に述べます。
チケット販売はSMILE-UP.が保有・管理・運営するファミリークラブであることから、4月と5月に東京・大阪で開催されるコンサート「WE ARE! Let's get the party STARTO!!」の主催は、本日3月2日時点ではSMILE-UP.であると思われるのですが、同コンサート特設サイトのコピーライトがSTARTO ENTERTAINMENTであることから、4月のコンサート開催日前までにSTARTO ENTERTAINMENTがSMILE-UP.から開催権の譲渡を受ける、もしくは買い取るという形をとるのではないでしょうか。
そうした権利の移管そのものは外部の人間にはわかりません。
すでに特設サイトのコピーライトはSTARTO ENTERTAINMENTになっていることもあります。
問題は、現時点で部外者であるはずのSTARTO ENTERTAINMENTが特設サイトのコピーライトを持ち、SMILE-UP.の主催事業の告知をしている点です。
そうです、規約やチケット取り扱いの観点から考えると、現時点ではSTARTO ENTERTAINMENTが、「全く関係のない別会社」であるSMILE-UP.主催のコンサートを告知している形になっています。
しかも、その告知文言や、特設サイトのコピーライト、メディアの報道などからはSTARTO ENTERTAINMENT主催のコンサートだと思わせるものになっていて、これは告知・宣伝のやり方として問題があるように感じます。
JARO(日本広告機構)では問題にならないのでしょうか?

前回のエントリーにも書きましたが、SMILE-UP.は公に約束した記者会見を約5カ月にわたって開催していません。
また、そのことについて何の説明もありません。

このような事態となっているそもそもの原因は、ジャニーズ事務所を引き継いだSMILE-UP.が、問題が大きくなって以降も営業を停止せず、ずっと継続している点にあると思います。
テレビ放送やイベントは、放送や開催の数カ月前、場合によっては数年前に企画がスタートします。
営業を続けるということは、そうした企画についての話も継続的におこなわれているということであり、先々の仕事を決めていくことで、それありきの現状のごまかしが必要になります。
簡単にいえば状況にタイムラグが生まれるわけです。
それでつじつまが合わなくなっているのが今回見えているということではないしょうか。
特に今回の場合は、当初予定していた東山氏の社長就任がなくなってしまい、それで生じた事態のつじつま合わせが大変であろうことがうかがわれます。
コンサートの開催はずいぶん前に決まっていて、それに合わせてつじつまを合わせているつもりでも、そこはやはりどうしてもおかなしなところが出てきます。
そのため、いろんなことを隠さざるを得なくなって、その積み重ねが今なのでしょう。
本来であればSTARTO ENTERTAINMENTの資本構成やタレントの所属変更、それに伴う諸々の権利移管などがあり、旧FCの解散と新FCの創設があり、コンサートの開催発表というのが流れとしては筋ではないでしょうか。
しかし、発表できないことがいくつも残っているなか、とっくに決まっているコンサートの開催日が刻々と近づいてきて、チケットを売らなければ席は埋まりませんから、そのリミットを考えた結果が本日の発表になったと思うのです。

旧ジャニーズのやり方は、あらゆることを非公開にすることでした。
経営を担う人間が記者会見をしたのは、半世紀以上にわたるジャニーズの長い歴史のなかで、昨年9月がはじめてのこと。
あらゆることを部外者には見えないようにし、利益を共有する内部の人間だけで物事を進めます。
それがテレビ番組や各種イベント、そしてメディアでの報道を手中にするジャニーズのやり方でした。
隠蔽と排除と制裁。
SMILE-UP.もそうした風通しの悪い、そして透明化とは程遠い、隠蔽体質・社内風土があり、要するにジュリー氏が「痕跡を消す」と言ったジャニーズと何も変わっていない、そのままであるように感じます。

そして、かつてはジャニーズ事務所に限らず、日本の芸能事務所の古くささを明快に批判していた福田氏ですが、この数カ月の間にすっかり旧ジャニーズに染まってしまったように思います。
やっていることが旧ジャニーズ。

何を発信するかも大事なことですが、もっと重要なことは、何を実践した(する)か、ではないでしょうか?
「口より行動」ということですね。

以上、長くなりましたが、本日未明のニュースを知り、にわかには信じがたい事態になっていたので考察し、論評してみました。

この面倒な作業をさせるような何かがありましたら、その時にまた。
社会にとっても私にとっても、そんなことはもうない方がいいのですけど……ね。


【2024年3月3日(日)午前0:30追記】

上記の推測で考え方がひとつ抜け落ちていました。
もしかすると現時点でコンサートの主催者はSTARTO ENTERTAINMENTであり、それは開催時まで変わらないのかもしれません。
そうなると、問題なのはチケット申し込み受付をSMILE-UP.が保有しているファミリークラブがやっていることで、少なくとも上述の通り、STARTO ENTERTAINMENTとSMILE-UP.には資本関係がなく、「全く関係ない」のですからやはりおかしな事態なわけです。

資本関係がなくてもグループ会社と言えるものなのでしょうか。
FC会員規約では、グループ会社のみが個人情報を共同利用できることになっており、それ以外の提携等では共同利用はできません。
現時点ではSTARTO ENTERTAINMENTがチケットの申込受付をSMILE-UP.に業務委託しているという体裁を整えているのかもしれませんが、そうした発表は一切ありません。
仮に、現在はそうであったとしても、今後はファミリークラブを何らかの方法でSTARTO ENTERTAINMENTに移管させたいのでしょう。
そこを曖昧にするためにSMILE-UP.公式サイトからグループ会社一覧を削除したものと思われます。

グループ会社であるか否か。
それは、何らかの理由でファミリークラブをSTARTO ENTERTAINMENTに移管できない場合、会員の個人情報の取扱いに関わってくることです。
よもや、SMILE-UP.がFCを保有したまま、今後も業務委託としてSTARTO ENTERTAINMENT主催のコンサートチケットの取り扱いをしていくわけではないでしょうね?
そんなことをしたら莫大な額の会員入会金及び年会費がSMILE-UP.に入ることになります。
補償が済めばSMILE-UPを.廃業させると公言していることからも、それはあり得ません。

いずれにしても紛らわしくて、信じられないほど姑息であり、「誠実さに欠ける」を通り越して、倫理的かつ道義的に大きな問題があり、社会通念上、許される範囲を大きく逸脱しているように思います。
そして、そんな企業と取引を続ける、国のライセンス事業であるテレビ局、そして広告代理店やスポンサー企業の「暗黙のカルテル=利益共同体」にもかなりの問題があると言わざるを得ません。


【2024年3月3日(日)12:14さらに追記】
書いたつもりでいたことが抜け落ちていました。
今回発表されたコンサートは、STARTO ENTERTAINMENTのお披露目を目的としていますが、公にしていない目的がもうひとつあります。
むしろ、そちらの意味合いの方が濃いのではないでしょうか。

それは、現金収入です。
STARTO ENTERTAINMENTには当座の運転資金が必要なのです。

コンサート会場はすでに早い段階で確保していましたが、その時点で土日祝日は埋まっていて、平日しか空いていなかったのでしょう。
それでもファンはチケットを買ってくれると判断したということなのでしょうね。
だけど不安はあると思います。
そんなことは決して言わないでしょうけど、本当に席が全部埋まるのか、チケットはソールドアウトになるのか。

コンサートに出演するタレントたちは、これからテレビやラジオ、雑誌、スポーツ新聞等を通じて告知宣伝に励むことになると思います。



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