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『安平町・比呂麻衣子さん/季節の変化や、その日1日の時間の流れを感じるようになりました。』

北海道の南西部に位置する安平町は、札幌から車でおよそ80分の所にある農業と酪農の町。特産品には「メロン」「はやきた和牛」「アスパラ」などがあり、気候は穏やかで夏は涼しく、冬の雪は北海道の中では比較的少ない地域となっています。

安平町に移住され、現在はメロン農家として歩み始めている比呂さん。ご主人と、産まれたばかりの息子さん、家族三人で暮らされている比呂さんは北海道への移住をどのように感じていらっしゃるのでしょうか?

―移住に至った経緯や今のお仕事、家族構成についてお聞かせください。
比呂さん:私はもともと神奈川県の横浜市出身でして、大学卒業後はJAグループの出版社に編集者として4年間勤めていました。
仕事で農家さんと関わる中で、自分も農村や農業に関わってみたいと思うようになったのが移住のきっかけです。

2021年の3月に移住して、今は安平町のアサヒメロンの農家として研修を受けています。今年の5月に息子が産まれまして、今は3人家族です。

―なぜ北海道の安平町を選んだのでしょうか?
比呂さん:私と夫は学生の時からアウトドアをやっていて、「自然が魅力的な北海道っていいよね」という話はしていたんです。
そんな中、2020年に東京で開催された『新・農業人フェア』という説明会に参加した際に、「安平町でメロン農家の研修性を募集している」という話をうかがって興味を持ちました。

その時はコロナ禍ということもあって担当者の方とはオンラインでお話したんですけども、安平町での暮らしですとか、農業についてくわしく話していただいたのがすごく印象的でした。

―とても親切に教えてくださったんですね。安平町のメロンのどんなところに惹かれましたか?
比呂さん:メロンは栽培がかなり難しいのですが、そのかわりにビニールハウスで育てるので比較的せまい土地でも始めることができ、かつ夫婦2人でも作ることができる作物である、というところに惹かれました。

私たちが作っているのは、アサヒメロンというブランドで、果肉が赤い“赤肉メロン”と呼ばれるものです。糖度や品質の厳しい基準を設けていて、味は甘さがありつつ、とてもスッキリしています。

―アサヒメロンを食べたいと思ったら、どうすればいいですか?
比呂さん:安平町で手に入れる場合は、道の駅に農産物直売所〈ベジステ〉という場所がありまして、そこで購入していただけます。
札幌ですとデパート、札幌以外ですと大手スーパーに売っていることもあるので、そちらでお買い求めいただけます。シーズンにメロンコーナーに行くとあるかと思います。

―就農してみて、以前の暮らしと変わったことはありましたか?
比呂さん:会社勤めの時はビルでオフィスワークする毎日だったんですが、外で農業すると季節の変化や、その日1日の時間の流れを感じるようになりました。
牧場があって馬がいたり、菜の花畑があったり、自然豊かな風景が家のすぐ近くで見られるというのが大きな変化でした。

―アクティビティは楽しまれたりしますか?
比呂さん:サップ(SUP)のような海のアクティビティに初挑戦したりしました。それから主に山登りをするので、冬はニセコの雪山でバックカントリーを楽しんで過ごしています。

―安平町の魅力はどのように感じていますか?
比呂さん:気候がとても過ごしやすいと感じています。特に夏、今年(2022年)本州は暑かったと思うんですけども、安平町では30度を超えることはなかったです。かつ冬は雪が少ない地域なので、私のような雪に慣れていない移住者でも比較的過ごしやすい冬を過ごせるかと思います。

―町の教育環境に関してはいかがですか?
比呂さん:安平町は子どもにやさしい町づくりに取り組んでいまして、最近注目されているところですと、新しく小中学校が一体となった『安平町立 早来(はやきた)学園』という学校が設立され、そこに注目している子育て世代の方も多いと聞いています。
建物もかなり立派で、町民も訪れやすい場所になるみたいです。

―北海道の“食材の良さ”についてはどのように感じていますか?
比呂さん:地元の農家さんから“おすそわけ”をいただくことがたまにあるんですけども、夏はトマト・なす・きゅうり、秋冬はカボチャ・長芋・ゴボウ…いろいろいただけるので有り難いと思っています。

―北海道の名物は召し上がりましたか?
比呂さん:こちらに来て、ジンギスカンを食べるようになりました(笑)
道民の方だとジンギスカンは馴染みがあると思うんですけど、移住するとなかなか新鮮です。ジンギスカン用の鍋を買って、友達と食べたりしています。

―魚介類はいかがですか?
比呂さん:隣の苫小牧市から新鮮なお魚が入ってくるので、スーパーに並んでいる魚も種類が豊富ですし、時期によってはお得に美味しいものが食べられます。

―北海道は美味しいものが多いですよね。すごく魅力的な場所だなとあらためて思うんですが、これから移住を考えている方へのアドバイスは何かありますか?
比呂さん:そうですね、移住後のことは皆さん考えているかと思うんですけども、私が盲点だったと感じたのは、本州からだと時期によっては引越し費用が高くついてしまうことでした。
やはり3月あたりが1番お高くなっているみたいなので、そこを避けて移住できるとすごくいいと思います。

それから車も、東京に住んでいた時は基本的に電車に乗っていたので車は持っていなかったんです。なのでこちらに来てから車も用意して、車移動するようになると必然的にガソリン代もかかってくるようになりました。

最近はガソリン代も値上がりしているので、そこがちょっと痛いかなと思っています。そういった交通手段とかも、あらかじめ考えられるといいと思います

―アドバイス有り難うございます。北海道で1番好きな食材と、その食材を使った食べ物はなんですか?
比呂さん:今は秋なのでカボチャがすごく美味しいです。北海道の郷土料理“かぼちゃ餅”にすると何個でも食べられます。
手が止まらなくなりますね(笑)

―続きまして、北海道に暮らして感じた、魅力と大変なことを教えてください。
比呂さん:やっぱり雪がある景色というのは北海道の魅力だと思っていて、地元の人の中には「北海道は、冬の方が美しい」って言う方もいらっしゃったりします。
逆に雪かきは大変なんですけども、同時に(雪は)魅力でもあると思います。

―ありがとうございます。北海道の冬支度と冬の生活について教えてください。
比呂さん:車周りの冬支度が大変だなと思っていまして、タイヤはもちろん、ワイパーやウォッシャー液も変えるし…っていう感じで、ちゃんと準備しないとそもそも出かけられません。そこが1番大事かなと思いました。

10月後半や11月に入ってくると山間部の方では雪がもう降っていたりするので、確かに車の冬支度は大事ですね。

比呂さん、本日は貴重なお話を有り難うございました!

#安平町hokkaido #胆振hokkaido #移住体験

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