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Mリーグ2022-23シーズン「最高の顔」10選

今年度からMリーグ見てますnoteを書いてから2か月。ついに閉幕してしまいました。楽しかったですね。いやー楽しかったな…。Mリーグが無い日は「暇すぎだろ…」とキレる日々を送っていた私、このオフシーズンは憤怒の化身になってしまいそうで怖いですね。

ということで(?)、今回はMリーグを見ていて「良い顔してるな…」と思った瞬間を振り返っていこうかなと思います。
※全試合見ているわけではないので、他にも良い表情たくさんあるかもしれません。あったら教えてください。

なんで顔なん?

ルッキズムの化身になりたいわけではないです。Mリーグの魅力の1つに「選手たちが時折見せる感情剥き出しの表情」って絶対あると思うんですよね…みたいな建前はどうでも良くて、単純に私がどうしても振り返りたかったとあるシーンを紹介するのに都合の良いテーマだからです。だからぶっちゃけこの記事は「1選」でも良いのですが、他にもたくさん良いシーンありましたからね。思い出のアルバムをめくっていこうかなと。

【10/3 第2試合】開幕戦 伊達朱里紗四暗刻和了時の顔

この前の、7pポンされたときに視線がビッと行く場面も大変良いです

画像だと伝わりにくいのですが、相当消耗している様子でした。和了ったのにです。当たり前なのかもしれませんが、「役満だせfoo~~~!!!」じゃないんだなって。
この日は開幕戦でパブリックビューイングも開催されており、注目度が高いだけでなく「この日の対局の面白さが今年1年のMリーグ視聴者数を左右する」と言っても良い状況。この表情を見たときに、この舞台で麻雀を打つことの精神負荷の高さみたいなものをひしひしと感じ、Mリーガーへの尊敬の念が強くなったことを覚えています。

【10/27 第2試合】園田賢 魂のオーラス2m止めも無念のラスインタビュー…を聞く堀慎吾の顔

「まだしゃべる気・・・?」

ごめんなさい堀さんの表情ピックアップしといて園田さんの話です。
今年度一番好きになったMリーガーと言っても過言ではない園田さん。まずこの対局自体がめちゃくちゃ面白いし河野さんの解説も分かりやすくて最高だったのですが、相当しんどいラスがどれだけ続いても、待ってる堀さんにこんな表情をさせ、インタビュアーのまつかよさんをも笑わせてしまうようなインタビューができるって、めちゃくちゃ凄いですよね。
応援している選手がラスったら、視聴者は誰だって悲しい気持ちになると思いますが、園田さんだけは「ラスならラスでインタビューと検討配信楽しみだから良いか!」ってなっていました。全Mリーガー中最もストレスフリーで応援できる方だと思います。さあみんな、ソノケンをすこれ。

【11/7 第2試合】黒沢咲伝説の半荘からまさかの連投 渋川難波の入場時お辞儀する瞬間の顔

どんな想いだったのでしょうね…

今年度のMリーグ、前半戦の主役は渋川さんだったんじゃないかなと、私は思っています。
この記事を書く上で最初はインタビュー時の表情を切り取るつもりでしたが、今見返していて最初のお辞儀のときに物凄い表情をされていたことに気が付きました。俺でなきゃ見逃しちゃうね。
…そうですよね。今となってはこの後トップを取ることが分かっているわけですから、熱い1日だったなぁ~と穏やかに振り返れますが、お辞儀をしているこの瞬間はまたとんでもないラスを引いてしまう可能性もあったわけで。その表情は祈りにも見え、恐怖にも見え、様々な感情が綯い交ぜになっているようでした。ですが私は、「ここにまた送り出してくれた仲間への感謝と決意」が一番強かったんじゃないかなと解釈したいです。熱心なMリーグファンの方でも、お辞儀の瞬間の表情って見落としがちかと思いますので、是非アーカイブから見に行ってみてほしいです。こみ上げてくるものがあります。

【1/12 第1試合】上家のチーで飛来した赤5p 押す10秒前の二階堂瑠美の顔

この後堀さんがツモ和了った際に7m暗刻&裏ドラ表示7mを確認したときの表情も最高です

1月12日の第1試合は、個人的には今シーズンのベストバウトの1つだと思っています。見ていて本当に面白かった。特に南2の近藤さんと堀さんのスーパーセーブ、そしてこの南4局2本場です。
この日は最後の最後までフラットなヒリつく展開で、この日の全員の表情だけでも10選できちゃうくらいですが、瑠美さんはこんな場面すらも「楽しんでいる」ように見受けられるのが本当に凄いなと思います。私だったら、ここで赤5pなんて飛んで来た日には「ァ…ァ…」みたいな声出ちゃいます。ちいかわかな?
園田さんに負けないくらいラスインタビューも明るいですし、少なくともメンタリティの面では全Mリーガーの中でもワンランク上の状態で戦っているのではないかなと。いやー、かっこいい。瑠美さんって・・・良いですね。

【2/14 第2試合】トップ目から不可避の四暗刻単騎を放銃 直後の南2局第一打を淀みなく選択する魚谷侑未の顔

この数十秒前の、引きの映像の際にフッと切り替える魚谷さんの姿も必見です

この日の四暗刻単騎は本当に麻雀ってゲームの悪いところが魚谷さんに襲い掛かったなって感じでしたが、その後の魚谷さんの切り替え、第一打、見事としか言いようがなかったですね…。
この日は村上さん待望の初トップの日でもあり、その表情とどちらにしようか迷いました。ですが今期魚谷さんは(私に魚谷さんの今季の麻雀を総括できる雀力などありませんが)その実力を発揮することすら許されないくらい手牌と展開に恵まれなかったように見えていて、それでも凛として卓に向き合う姿はこの日だけでなくずっと美しかったので、それをどうしても書きたくてこちらを選ばさせていただきました。
それにしても、あの9mで32,000って言われて、よくこのゲーム辞めないでいられるなと。理不尽すぎるでしょ。私だったらその日のうちに転職します。

【2/16 第2試合】園田賢 ラスインタビューで、「めっちゃしゃべりたいんですけど…今日はすみません」と終える顔

この日まで私は、ソノケンをスーパーマンか何かだと思っていたかもしれません

前半戦の主役は渋川さんだったのではと言いましたが、後半戦の主役は東城さんと園田さんだったかと思います。
特に園田さんはフェニックスよりさらに相当厳しい状況にあったドリブンズのレギュラーシーズン突破における、最後の砦として奮闘していたのですが、この日の4着はあまりにもキツかったのか、本当に珍しく自分からインタビューを終えるような発言をされていました。
対局内容を話されていたときは普段通りだったと思うので、その後まつかよさんから突破条件について振られ、それを考えているときに「気持ちがきて」しまったのかなと。一方で、内心100%あきらめていたのなら、そもそもこんなに胸に迫るインタビューにはならないわけで。。。
これはファイナル・セミファイナルでも思いましたが、現実的にまず達成できないような条件でも、そこに立つ者だけはあきらめずに戦わなければいけないというのは、あまりにも過酷ですね。麻雀にもコールドゲームがあった方が、最大多数の最大幸福になるんじゃないかと思わずにはいられません。ただ、それでもあきらめずに戦ってくれるから、こんなに園田さん好きだな、かっこいいなと思えるのも事実で。

…ちょっと話が逸れてしまうのですが、こういう状況でのファンからの応援って、ある種の呪いになってしまいそうで、私はどんな言葉を投げかけたら良いか分からなくなってしまいがちです。ファンが全員あきらめていれば、Mリーガーだってあきらめていいわけで。でもあきらめずに応援してくれるファンが存在しないなら、誰のためのプロですか?って話でもあって。
重荷にならず力になれる言葉を、何か見つけたいんですけど、なかなか難しいですね。

【3/20 第2試合】MVP決戦 裏裏条件6pロン和了りの見逃す瑞原明奈の顔

勝手に出そうになる声を、必死に飲み込んでいるかのようです

これを書くためのnoteでした。マジで、この日以来瑞原さんが好きになりすぎて終わってます。

何故か分からないのですが、この瞬間私は顔面ぐしゃぐしゃにして泣いてしまいました。前回のnoteにも書きましたが、私はKONAMIとドリブンズを応援しているのでこの瞬間まで伊達さん逃げ切りか翌日園田さん捲りを期待していたはずです。そのはずなのに、もうここから「瑞原さんツモれ!ツモれ……!!!」って気持ちが溢れてきて人格が分裂していました。

実況の日吉さんは「今は自分のために、チームを犠牲にしてMVPを取りに行く」と、恐らく状況説明も兼ねつつ盛り上げる実況(日吉さんは本当にこういうの上手い。尊敬です。)をされていましたが、私にはむしろ「チームのために絶対にMVPを持って帰りたい」ように見えました。
…いや、このとき瑞原さんが何を思っていたかなんて私に推し量れるわけがありませんね。この後瑞原さんの検討配信やパイレーツの動画などで思考の一端に触れることはできましたが、感情まではやっぱりちゃんとは分かりませんでした。
でも、カバンを受け取ったときに中身は分からなくても重さは伝わってくるように、この選択に瑞原さんが込めた何かの“重さ”が流れ込んできて、私はボロ泣きしたんだと思います。

もちろん、結果や理論的期待値から和了った方が良かった可能性は大いにあると思いますが、私にとってそこはあまり重要なことではありません。

私は麻雀よりは将棋の方が得意で、将棋の世界であれば多少は語れるのですが、運要素の無い将棋でも最善手は日々変わっていきます。
私が学生の頃、持っていた定跡書に「この盤面まで進めば優勢」という局面どおりに進んだところからプロが放った新手により形勢評価が逆転し、以降の定跡書は「この盤面は劣勢」と書き換わった、というのをリアルタイムで目撃しました。
今の時代はAIが示す手が最善手と思われていますが、そのAIは2~3年後にできた新AIに恐らくボロ負けします。何が言いたいかというと、解析が終わっていないゲームにおいて「最善手」は誰にも分からないということです。

だから私はMリーグ(に限らず全ての競技観戦と言ってもいい)で最善手の応酬を見たいとはあまり思っていません。それよりも、どうしてそれを選択したのか、そこに何を想ったのかが見たいというか。神の一手よりも、神を越えんとする人間の一手を見ていたいのです。私は。

な~んて気取って書いちゃいましたが、「こういうものが見たかったんだ」と気づいたのは、瑞原さんのこの表情を見たときです。この瞬間誇張抜きに「Mリーグ見てきて良かった~!」と思いました。多分来年度も見ます。

【4/27 第1試合】白鳥翔トップインタビューでの涙

涙を隠すように敢えて笑う様子が、かえって突き刺さります

Mリーガー32人中、一番“熱い”人って、多分白鳥さんなんじゃないかなと思っています。
もし的外れだったらめちゃくちゃ恥ずかしいのですが、この白鳥さんの涙って、私が瑞原さんを見てボロ泣きしたときとトリガーは近いと思うんですよね。整然とした理由があるわけじゃなくて、感情が流れ込んできてよく分からないまま泣いてしまうみたいな。私も私でこの日までの堀さんの数々の打牌に凄みと、それが報われない辛さを感じていたので、この涙には共感せずにいられませんでした。
普段の配信やABEMASの楽屋動画、ツイッターなどを見ていても、本当にバランスが良くて感性豊かで、「良い男感」が凄いなと思います。

(時系列前後しちゃいますが)個人的にABEMASの優勝は、ずっと惜しくも逃してきたのをリアルタイムで見てきたわけではないので「まあチャンスはいつでもあるでしょう」という目で見てしまっていた節があったのですが、初めて多井さんがレギュラーでマイナスした年に全員が全員を引っ張り上げあっての優勝となったのは、チームの勝利って感じがして清々しかったです。

【5/02 第2試合】鈴木優

タイトル悩んで悩んで、つけられませんでした

パイレーツセミファイナル最終戦。ここで雷電をかわすか、KONAMIの最終日に少しでも厳しい条件を突きつけなければ敗退濃厚という中で痛恨の4着。このシーンは優さんのインタビュー直後の、萩原さんのインタビューでの一幕です。
園田さんのところに書きましたが、現実的にまず達成できないような条件を目指さなければいけないことの裏返しで、現実的にまず達成されてしまう条件が残っているせいで、今の悔しさや来シーズンへの意気込みなどを十分に語ることもできず、一旦結果を待たなければならないというのは、ある意味この瞬間敗退が決定するよりも苦しかったのではないかなと。
このときの優さんの感情は、もう察しようとすることさえも憚られるような、そんな様子で。いつもビシっと闘う優さんからは想像もできないくらい背中が丸くて。

また、仲林さんがご自身のチャンネルで配信されていた敗退直後の感想で、「瑞原さんの選択に誰にも文句を言わせたくなかった」という話にも、胸を打たれました。麻雀って厳密にはチーム戦の要素って無いっちゃ無いですけど、やっぱりチーム戦なんだなって。仲林さんや優さんからすれば、ある程度のプラスは計算できる即戦力の実力者として指名されたのに、レギュラーのスコアとしては瑞原さん一人にキャリーしてもらった格好で。そりゃ、セミファイナルで返すしかないだろってもんですよね。だったのに。・・・良いチームだなぁ。
レギュラー終盤~セミファイナルで、パイレーツがめちゃくちゃ大好きになってしまったので、来年はパイレーツ推しとして見ることになるかもしれません。でも高宮さんも大好きだし・・・

【5/15 第2試合】2-5m聴牌直後に5mツモられを受けての勝又健志の顔

左上の口は一旦無視します 一旦ね?

ファイナルは縦長の展開になったことで、緊迫感よりも「そんな中でどういう信念をもって戦うか」みたいなところが見所になるシーンが多かった印象でした。その中でもこの勝又さんの表情は…。
ファイナルに入ってから風林火山の展開の不運さは尋常ではなく、特に勝又さんは何度良い立直を打っても和了できない、掴まされるで、麻雀ゲームの悪さが猛威を振るっていたように思えます。そんな中でも常に冷静に最善を尽くすイメージのあった勝又さんでさえ、このツモは「効いた」んだなと。

理屈だけを言えば、Mリーガーにとってはファイナルに進出した時点でほぼ目的は達成されているはずで、エキシビションになってしまってもおかしくありません。Mリーガーである時点で一定の年収と付加価値を持った状態での仕事が舞い込んできますし、賞金が出るといっても選手への分配はそこまで多額ではないと思いますし。
だからガチじゃない、必死さが足りないなんて言う人もいますけど、この勝又さんの顔を見てしまったら、私にはそうは思えないです。人間は直接的な利害よりも、応援してくれるファンのため、スタッフのため、仲間のため、家族のため、そういう曖昧な何かのための方が頑張れるし、頑張れてしまうから間違えたり、普段できることができなくなったり、できないことができたり、そしてそのときの感情が、表情に、手に、全身に表れるんじゃないかなと思います。だから私はMリーガーの顔を見るのが好きなのです。

ちなみに本当にどうでも良いですが、「一番麻雀が上手いMリーガーは誰?」と聞かれたら、今のところ私は勝又さんと答えそうです。麻雀って数学的な平面計算の能力と、正体隠匿ゲーム的な対人心理戦の能力が絡み合っていると思っていて、勝又さんはその2つを掛け算した積が一番高いかなと。思考の量がやばすぎて、本当にそんなこと考えてるの?って疑ってしまうくらいです。

(おまけ)表彰式で「去年よりは全然悔しくない」って言っちゃう本田朋広の笑顔

左上の岡田さんのリアクションも最高でしたね

ここ、めちゃくちゃ最高でしたね~~~~~~~~~~~~~!
本当に本心なんだろうなと、見ていてこっちまで笑顔になってしまいました。「敗者」って何となく、悔しがるのが礼儀みたいなところがあると思うんですけど、昨年から大きくジャンプアップして賞金を持ち帰るわけですから、うれしい気持ちもあって当然だと思うんですよね。なによりこういうスピーチを見たら、例えば雀荘で本田さんゲストのときに、ファンも心から笑顔で「お疲れさまでした!」って言えますもんね。本当に最高でした。シーズン1年を通しての主役は、本田さんだったかなって思います。

【まとめ】なんか、普通に喜んでいるショット少なくなっちゃった…

全然そんなつもりは無かったのに、気づけば「辛そう」「無力感」「やるせなさ」みたいなショットが多数になってしまいました。
せっかくだから全チームから1人以上で10選(雷電は本田さんの表彰式が良すぎたのでおまけ込み11選になっちゃいましたが)と思っており、笑顔系のショットをピックアップすると何故か高宮さんばっかりになってしまうので、バランスを取ろうとした結果こうなった、という面が正直あります。

ですがそれ以上に、笑顔が咲く裏では必ず恵まれなかった選手が出てしまうわけで、今年はそちら側に目が行くことが多かった、ということなのかもしれません。
皆さんのインタビューを聞いていると、負けた時にファンに申し訳ないと語る方と、意識して謝罪的な言葉は避けていると思われる方がいて、どちらも凄く分かるんですよね。いちファンとしては、謝ってほしいなんて絶対思わないけど、謝ってしまった方が気持ちを切り替えて次に臨めるなら、そうしてほしいかなと思います。

…なんか余計な事書きたくなってしまいそうなのでこの辺で終わります。気持ちがノったら、「笑顔・面白顔10選」も書きたいです。仲林さんのキムタクのモノマネみたいな頭ハネられ顔とか、勝又さんの虚無顔とかホント面白かったので。いや~面白かったな!Mリーグ。来季もたのしみじゃあ。

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