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ときには文豪のように〜避暑地における合宿に関する一考察〜

きっかけは「積ん読」

本を読むことが好きだ。
2018年は183冊読んだ。2019年も、8月時点で110冊を超えている。

なかなかのペースで読んでいるはずなのだが、本棚にある未読の本は減らない。なんなら増えている。なぜなのか。

・ついつい買いすぎる
・買ったものの、ページを開くまでのハードルが高いものがある
・読み始めたが、いまいち進まない
様々な理由がある。一番目の理由が全ての元凶だという説もあるがここでは無視する。

これはもう、缶詰して本を読むことに集中した合宿をやるしか積ん読を崩す術はないのではないか。
かくして、読書合宿は企画された。

山奥に籠る

長野県の蓼科。標高1000m超え。
今回の読書合宿開催場所として選択されたロケーションである。

・涼しい
・静か
・観光地がいいかんじに遠い
・涼しい
・とにかく涼しい

命の危険を感じるほど暑い東京。そこから10℃ほど最高気温が低い蓼科では、エアコンを使わずとも涼しくすごしやすかった。
また、部屋のバルコニーの真下を川が流れ、その音がよい塩梅で集中を促進してくれる。これは良い環境だ。


さあ、ではこの環境で、どれほど積ん読を崩すことができたのか?

最後は己との戦い

2泊3日の工程で読了したのは2冊、読みかけたのは1冊。
読了したのは300p超え、400p超えのものなのでペースとしては悪くなかった。
しかし、合宿までした割にはちょっと弱いかんじだ。
いくつか阻害要因を考えてみた。

・静かさが集中よりも眠気を召喚してしまった
・重い本ばかりで疲労が蓄積した
・なぜかビールがあった

一つ目だが、日々の疲労が蓄積していたためか読みながらウトウトすることが度々あった。
集中はできていたので、もしかしたら初日は疲労回復にあてる、など計画的な旅程の使い方をすればカイゼンできるかもしれない。

二つ目については、200ページくらいの新書を挟むと疲労感が低減されるかもしれない。また、重めの本の周辺テーマを補間する新書であればベターだろう。

三つ目については、もう自分の力ではどうすることもできない。これは甘んじて受け入れよう。

日常と不連続な環境をつくることは有効

己の弱さにより、描いていた野望ほどには読了できやかったことは事実だ。
しかし母性のディストピア、繁栄のパラドクスを読了し、その重厚な佇まいからもはやオブジェと化していた「利己的な遺伝子」に手をつけ100ページ以上読み進められたのは、なかなか自分の部屋にいてはこの期間で実現できなかったように思える。集中がもたないのだ。

今回、集中に役立ったのは冷涼な空気、川の流れる音くらいしか聞こえない静寂、そして同じような目的の方々がいたことだ。

読書以外にも、思い思いの作業をする。たまに会話があるが、基本的には一人ひとり、自分のやりたいこと、やることと向き合っている。
「友達の家に集まって黙々と漫画を読んでいる」、あの感じだ。

同じように集中している人が近くにいると、自分の集中も促される。そういう意味でも、この合宿は効果的だった。

積ん読がある人、集中した環境が必要な人はこういった志をもつ人を巻き込み、静かな避暑地でそれを成すということを試してみてはいかがだろうか。

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