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「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」からPythonに入門するなら

ついに量子コンピューター入門書の決定版が出た

5/20、MDR(株)の湊さんによる「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」が出版された。

量子コンピューターという、やさしくしようがなさそうな技術に対して
どう「いちばんやさしい」コンテンツにするのか。果たしてやさしくできるのか。
いざ本書を開くと、たしかにこれは「いちばんやさしい」本であった。
・量子コンピューターとは何か、をまずざっくりと解説
・量子の性質について簡単に解説
・古典コンピューターについて簡単に解説
・量子コンピューターでの計算の流れを古典コンピューターと対比しながら解説
・量子アルゴリズムの紹介
・量子コンピュータ使用事例の紹介
Pythonで実際に動かしてみる
・量子アニーリングについて
・量子コンピュータのビジネス活用

ステップを踏んで解説されており、また量子コンピューターを構成する要素ひとつひとつについて初歩的なところから説明がなされるため、予備知識がない人でもある程度の感覚はつかめそうだ。

せっかく、実際にコードを書くのなら…

エンジニアが一番興味を持つのは、「Pythonで実際に動かしてみる」ではないだろうか。
ここもプログラミング未経験者への目配りがなされ、
Pythonをインストールするところから手順が紹介されている。

ここではWindowsのcmdで動作させる手順が書かれている。
blueqatという量子コンピューター開発用ツールをインストールする手順が
紹介され、そこからはPythonにバンドルされているIDLE(アイドル)を利用する手順になっている。

pip install blueqat

pipでのインストール手順まで書かれており非常に丁寧。
Windowsで試す人向けには、環境変数の設定方法についてもサポートしたほうがいいかもしれない。

さて、ここからが本題なのだが、この本をきっかけにPythonも触ってみよう
という方は、もうひと手間かけてIDLE以外でPythonコードを書くことに
チャレンジしてほしい。(IDLEは必要最低限の機能しかない)

Jupyter Notebookを使おう

Jupyter Notebookは、コードやメモ、そして実行結果を残しておける
Webアプリケーションだ。
本書のサンプルを試す場合など作業しながら結果を見て…というプロセスに
とてもフィットしている。

では、どのようにしてインストールし使用するか?

pip install jupyter

これでインストールできた。

jupyter notebook

これで起動できた。

本書p.137のサンプルをJupyterで実行した結果のスクショがこちら。
IDLEの場合と比べて、単純に「みやすい」ことがわかるだろう。
少し手間を加えるだけでJupyterの世界に入門できる。

こんなコンテンツもJupyterと相性がいい

O'reillyから出版されているこちらもJupyterと相性がよい。
写経し、結果を見る。考える。そういったプロセスにフィットしているのだ。

まとめ

・量子コンピューターの入門書として「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」はオススメ
・せっかくPython書くならJupyter使ってみよう

今後、量子コンピューターのライブラリはますます充実し
Python経由でプログラミングする機会は増えてくると思われる。
今回のような用途ならJupyter、ガッツリ開発するならPycharm/VSCodeなど
実は開発を行うにあたっての選択肢は幅広い。
JupyterからPythonに馴染み、技術革新と楽しくつきあおう。




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