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その自己組織化組織は代謝できるか

ライダーショーを見た。

俗に「平成ライダー」と言われる特撮シリーズをご存知だろうか。
オダギリジョー主演の「クウガ」から最新作「ジオウ」まで、2000年から途切れなく続いてきたシリーズである。
子供たちは「ジオウ」から見始めており、今回近所にライダーショーがやってくるというので見に行ってきた。
開始30分前にしてほぼ満席、子供たちの手にはライダーのおもちゃ。
ステージ上に応援を送る子供たち、「ジオウ」のピンチに駆けつける先輩ライダー。
なんともすごい熱量なのだが、何がすごいってそれぞれの世代の子供はそれぞれの世代のライダーがお目当てなのだ。(手に持っているおもちゃなどからそれはわかる)
そもそも「クウガ」のリアルタイム世代はもう大人になっているし、昭和ライダーまで遡るともはや孫がライダーを見る世代だ。
これだけ長い間続き、そして人気を保っている。うまく「代謝」しているのだ。

過去との連関を、あえて断つ。

昭和ライダーから平成ライダーの間には断絶がある。
いや、昭和ライダーもいくつか断絶があるはずだ。
昭和ライダーは、初代ライダーを起点として世界観が連続しており、結果としてどうしても過去作の客演が不可避的に発生する。
最初は盛り上がるものの、そんなカンフル剤はマンネリ化してゆく。連関が長くなると自由度が狭まり、そして中断せざるを得なくなる。
平成ライダーはその反省を活かしたのか、基本的に作品ごとの繋がりはない。(もちろん例外はある。)
そのためだけではないだろうが、結果として20年続いているわけだ。

自己組織化組織の試練

いよいよ本題だ。
「自己組織化」というのは、チームワークの理想形のように語られる。
自律的に目標に向かい、成長し、連携する。
私も自己組織化チームは理想に近いと思う。

しかし、自己組織化チームにも弱点はある。
多様性があったはずの組織はいつの間にか同質化し、似たような意思決定をするようになる。
うまく向かうべきほうへ向かえているうちはよいが、
何かのきっかけでボタンを掛け違えてしまうと全員が同じベクトルを向いているがゆえに、すごい速さでゴールから離れていってしまうのだ。

チームは生き物であるがゆえに、代謝を必要とする

ではどうすればいいか。
一言でいうと代謝することである。
具体的にはこういうことだ。

・チーム内で役割をシャッフルする
・新しいメンバーを受け入れる
・コアメンバーの退場を許容する
・チームのトップを交代させる

下にいくほどインパクトが大きく、やりようによっては失敗する。
そこをどううまくハンドリングするかは、また別記事で言及したい。

まずはチームメンバー間のシャッフルを行う。フラスコを揺すってみるのだ。
チームを異なる視点で見ることになり、まずはこれで多様性が少し戻ってくる。

続いて、新しいメンバーの受け入れだ。
阿吽の呼吸で行われているが本来ドキュメント化されているべきものや
不必要なのに儀式化しているプロセスが可視化されるし
先住メンバーへの刺激になる。

いよいよ難易度が上がってくる。コアメンバーの退場だ。
これは組織がうまくいっているときでないとできない。
短期的には戦力ダウン必至だが、このプロセスを通しベロシティがもとの水準に戻る頃には
コアメンバーしかできなかったはずの業務がチームの細胞に浸透していることに気づくだろう。

最後の仕上げはチームのトップを交代させること。
ここで大事なのは「現体制の維持にこだわらない」、言い方を変えると「新体制のトップの方法に切り替える」ことだ。
リーダーシップは千差万別。もちろん、前任と同じ方法論ならメンバーの戸惑いはすくない。
しかしサイズの合わない靴を履いたままダンスは踊れない。
いずれ窮屈になり空転を始めてしまうであろう。
ここは新トップがメンバーと腹を割って話し合い、自分なりのリーダーシップスタイルを模索しながらやっていくのがよい。

その自己組織化組織は代謝できる

あくまで私の経験に基づいたものだが、今回は組織の代謝についてお話させていただいた。
同じ釜の飯を食い続けることは居心地よいが、
前に進み続けるためには代謝が必要だ。
そして変化というものは怖いものだが、乗り越えてみればなんてことないし、変化を通して進化しているものだ。
あなたの組織も、代謝できる。

行き詰まりを感じたら、代謝へのチャレンジを。

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