ここに青春を閉じ込めよう
4年振りにお祭りに行った。
高校時代よく行っていた地元じゃ有名なお祭り。
張り切って浴衣まで買った。
前日は特に準備することなんて何もないのだけれど、なんだかそわそわして。
家を出るのは夕方だというのに朝も無駄に早く起きた。
あれ、お祭りってこんなにワクワクするものだっけ?
駅に着くと人がたくさんいて、ものすごくたくさんいて、警察とか消防の人たちがこちらから回ってくださいって叫んで誘導してくれていて、どこを歩いて目的地に行ったらいいのかわからないこの感じがあまりにも久しぶりすぎて。
「人多いね〜!!」なんて当たり前の会話をしながら歩いた。
まず向かったのは東口のステージ。
こんな田舎の祭りに、MONGOL800のキヨサクさんが来るという奇跡のようなイベントが開催されるからだ。
なんでこんな田舎に来てくださったのか今も謎なのだけれど、運営の誰かへ。
本当にありがとうございます。
モンパチはわたしの、いやみんなの青春だから。
小さな恋のうた
1995年生まれでこの曲を聞かずに大人になった人はいないのではないだろうか。
軽音部だったわたしがベースを購入して初めて弾いた曲がこの曲。
憧れの“バンド”ができることが嬉しくて、毎日夜遅くまで練習した。
初めて教室でメンバーと合わせた日、みんなど下手でとんでもなくひどい演奏で、なのにすごく嬉しくてきゃーきゃー言って喜んだ記憶がある。
わたしたちかっこいいじゃんって。
“バンド”をしている、ただそれだけが嬉しくて楽しくて仕方がなかった。
歌詞の解釈は人それぞれ違うだろう。
恋のうたっていうくらいなのだからラブソングとして作られたのかもしれないけれど、わたしにとっては究極に最大の友情青春ソング。
友達と過ごす、ただ一緒にいるだけで楽しいこの時間が夢ならばどうか覚めないでくれと、そう思いながらわたしはこのフレーズを弾いていた。
大人になると理想ばかり高くなって、何かをするだけで満足することってすごく少なくて、夢は覚めてしまったのかな?なんて思ったりもするけど、あの頃を思い出すといつでもこの気持ちに戻ってこられる。
いつでもわたしを楽しませてくれる、永遠の星“思い出”になった。
みんなで大合唱
この曲にそんな青春が詰まっているのはわたしだけではないのだと、そう実感したステージ。
キヨサクさんが小さな恋のうたを歌い始めると会場の熱量がググッと上がって、みんなの顔が穏やかで、だけどちょっと熱くて。うわー!!青春だー!!そんなことを思って泣きそうになりながら聴いていた。
足を止めて聴いている人のほとんどが大人。
大人がみんなで
ほーらーあーあー、ほーらーあーあー、あーあー♪
とウクレレに合わせて大合唱するその姿が嬉しかった。
わたしもみんなもこの一曲で青春に戻れる。
ただそれだけ
そんなスタートを切った今年のお祭り。
ただ歩くだけ、ただ神輿を見てわっしょいわっしょい言うだけ、ただ焼きそばを食べるだけ、ただそこにいることが嬉しくて楽しかった。
友達を見つけてきゃーきゃー騒いでいる学生が可愛かった。
人が多くて歩けないとぐずっている子供に「これがお祭りなんだよ」となだめるお母さん、どこからか聞こえてくるそんな会話が愛おしかった。
いつもは他人のことをこんなふうに思わないけれど、お祭りパワーなのか、
みんな大好き!幸せになれ!と心から思った。
そう思っている時間が幸せだった。
4年振りの祭りはわたしの大好きな水飴の出店がなくなっていて、りんご飴が大行列。ちゃんと令和になっていた。
全然止まってない。わたしたちはちゃんとこの3年生きていたんだ。
声が出せなくても集まれなくてもちゃんと世の中は動いていて、でも焼きそばは変わらず人気で、それに安心したりして。
あぁ!!夏祭り最高!!
この気持ちって、あれ!青春じゃん!?
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