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『ドント・ルック・アップ』はハリウッド版シン・ゴジラである


Netflixオリジナルの映画『ドント・ルック・アップ』。カナカナで書くとダサい。笑

話題の浅草キッドについて書こうか迷ってる合間に観たこっちの映画の方がある種衝撃作だったので想いのままに綴ります。

※ネタバレあり

あらすじ

さえない天文学者ランドール・ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)と教え子の大学院生ケイト(ジェニファー・ローレンス)は、あるとき地球衝突の恐れがある彗星(すいせい)の存在に気付く。二人はオーリアン大統領(メリル・ストリープ)とその息子であるジェイソン補佐官(ジョナ・ヒル)と対面したり、陽気な司会者ブリー(ケイト・ブランシェット)のテレビ番組に出演したりするなどして、迫りくる危機を世界中の人々に訴えようと奮闘する。しかし二人の熱意は空回りし、予期せぬ方向に進んでいく。

これだけ聞くとアルマゲドンや、ディープインパクトのような地球滅亡系映画かと思いますが、これはそれらと一線を画した映画です。なぜならカテゴリーはコメディだから。

いや、最初はシリアスな話なのかと思って観てたのですが、途中からかなり笑える展開に。ただし、ブラックコメディなんで、たぶんディテールはアメリカンじゃないとわからないところもありそうですが、それでもいろんなオマージュがあっておもろかった。

個人的助演女優賞は大統領のメリル。

ちょっとイカれた大統領役で、おそらくトランプを揶揄したような自己中心的かつアホ丸出しな役をメリル・ストリープがやってることのギャップがいい配役だなぁと思うのです。本当にメリルかなと、最初わかんなかった。

また、スマホ会社のイカれたCEOもぶっとんでてよかった。

結局、地球に彗星が落ちるという危機的状況でも、レアメタルの利権やら、人間関係やらで重大なことが決定されるというのがある種現実的な事柄として、あるあるよね、と妙に納得感がある。

いやまてよ。この映画にでてくる主要人物はだいたいイカれていると思ったけど、ただアホで自己中だというだけで、現実にもよくあることなのかもしれない。彗星が落ちてくるといわれて、地球が滅亡するとなったとしても、誰しもが英雄のように、その事実を瞬時に受け入れ、全世界、生きとし生けるもののために立ち上がれるわけじゃないよな。だったらレアメタルのために全人類を破滅に陥れるのも、むしろ「現実」を見たときの選択の結果なのかもしれない。

ディカプリオはメディアにでて、どんどん若返っていく

くそさえない天文学者のディカプリオと、その研究室の大学院生ジェニファー・ローレンスが彗星を発見し、地球に落ちる危機を全世界に伝えていく物語。結果的に、ディカプリオはメディアにでたり、その有名司会者と浮気したりするのですが、どんどん若返っていくのですよね。最後のほうは、もう世の中の有名人にまでなっていて、、ひょんなことからそういうポジションになる人ってたまにいますよね。

新型コロナでいえば、疾病センターの人とか、気づけばよくテレビ出てて、なんか化粧うまくなったよね、とか衣装が素敵になっているとか、どんどんメディアにでると人ってきれいに、かっこよくなっていくもんです。ぜひディカプリオの最初の登場シーンとラストシーンを比べてください。

最後まで見たときに、シン・ゴジラを思い出した

いい意味で期待を裏切られるという点で、シン・ゴジラを見た時のような新しさを感じました。つまり、よくある隕石墜落地球滅亡モノのように思ってみると、表現の角度がまるで違うので、面食らうというか、そこがとても面白くて衝撃。

地球滅亡に対して、「映画界における普通」では、多くの人が協力的であり、ゴールの達成のために力を合わせて、時に邪魔者が入っても正義は勝つわけですよね。対して、このドントルックアップは先ほども申した通り、ある意味「現実における普通」かもしれない。人間のおろかさや、現実を見たくない人たちの存在や、利己的な人の行動によって全世界が死ぬような映画ではないけど、現実だったらこうなっちゃうかもね。という示唆を私たちに与えてくれているのかも、、、、知れないと思うのは私だけでしょうかね。

一番大事なものを思い出すラスト

私はかなりふざけたこの映画をとても気に入ったので、映画大好きな私の兄に「絶対この手の映画好きでしょ?ww」とラインしたら

「面白かった。身近な幸せを大事にしないと、と思った」

と案外真面目なコメントで、そうか、コメディとはいえ、ラストは大事なものと向き合うシーンだったと思い出しました。

大統領が息子を忘れて自分だけ避難ボートに乗るところは良かった。笑

とにかく、先入観抜きにして、これは見るべき映画だなと思います。



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