継続的な購買をコントロールするにはどうすればいいのか?という心理学・脳科学者の仮設

CLV(顧客生涯価値)が重要なのは、マーケティングの世界では今や常識ですが、

Diamond Harvard Business Review 顧客の習慣のつくり方」の中で、

・顧客が継続して購買する要因は何なのか?
・競合の商品から購買をスイッチさせるにはどうすればいいのか?

を、早稲田大学 理工学術院教授の渡邉克己さん(脳神経科学・認知心理学・実験心理学の専門家)が考察していたのが面白かったのでメモ。

まず、顧客が継続して購買する二つの大きな理由は、

習慣的な購買が生まれるメカニズムは二つの要因があると考えている。一つは、初めて購入するケースと同様に、選択を簡単に行うため。もう一つは、自己同一性を維持するためである。

とのこと。
選択を簡単に行うためというのは、
1. 人は認知負荷(物事を理解する労力)が低いものを選びやすい。
2. 一度買ったものは良し悪しがよく分かる。
という理由である。


また、自己同一性を維持するというのをつまり、
1. 人は社会的な生物であり、一貫性を保とうとする。(一貫性を持つことで信頼を得るため)
2. 人は自分自身を、内的手がかりよりも、外的手がかりによって理解する傾向がある。(自己知覚理論)
3. つまり、購買行動によって自己を表現し、一貫性を保とうとする。

簡単に言うと、「Mac Book使っている自分はクリエイティブ! クリエイティブな自分は、Air Podsも買う!」という感じで、購買によって自分のアイデンティティの一貫性を表現しているのではないか?という仮設。

では、逆に顧客の固まった購買習慣を壊して、別の商品にスイッチさせるにはどうすればいいのかを筆者曰く、

自己同一性そのものを無意識下ですり替える事のできるような、「よい言い訳」を提示することが重要だと考えている。 「最新の」「老舗の」「国産の」という枕詞は「新しいなら」「安全なら」という理由をつけることで自ら納得させ、購入している。

とのこと。これは納得です。人は自分自身の態度を変えたときに都合の良い言い訳が必要なんですね〜。

いわゆる、認知的不協和を解消する特性を活かしたマーケティングですが、具体的にどういう言い訳を提案すれば人は納得しやすいのかはまた調べようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?