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ポンコツ刑事(純情派)。もう現場は無理の巻

 泥棒猫です。

 あ、2代目泥棒猫か?いや、何代目だ?24だか25歳の新婚のときにも不倫がバレたことがあると告白されたので、知る限りでは3代目泥棒猫ブラザーズ(仮)。 はぁー。ため息…


 前回の続きです。

 さて。とにかく逆上した元カノ=A子さん。まだ追い回すかもしれない。家はバレてるし家族は怖いよね。私も狙われるかも知れない。

 話が一区切りついたとき、彼の携帯にLINEが入る。奥さんかな。「いいよ。返事して。もう帰ろう」と私。

 そしたら「違う。実は後輩に頼みごとしてて…」と。「ん?」以下、彼の話。

 A子さんはストーキングをやめないかもしれない。私とのカーチェイスのあと、車を乗り換えているらしい。新車の軽自動車だけど色も車種もわからない。今後の警戒のために知っておきたいから、後輩に見に行ってもらえないか頼んだけど、一応法に触れたりヤバイことになったら…と、その後輩も「ちょっと考えさせてください」と返事が来たところだった。…と。

 「ちょっと待ったーーー!その現場、私が行こう。」と、私。

 「はぁーーー?だめだよ。顔もバレてるし、だいいちそんな危ないことさせられないよ。」と彼。

 いやいやいやいや。ちゃんとウオーキングの人の変装をしgumiらさん(私の相棒)と二人で行くから大丈夫!そんな後輩を巻き込むとかしちゃだめ。私とgumiらさんはこれまでそうゆう捜査は何度もしたのよ‼任せなさい。私を信じて‼


 何故か力説して彼を説得。半分嫌がる彼からA子さんの自宅及び顔写真をもらう。おー、そうそう。この人だった。ちなみに私たちは同級生。A子さんは7つ年下。Googleストリートビューで見て、ここかこっちに停まっているはず、車がまだ新しくなってなかったら前のナンバーはコレだから。と説明も受ける。

 こんな大きなお家に住んで(一軒家)、車も軽とはいえ自分専用で新車に買い換え。どんだけセレブ。何が不満やねん‼と一瞬思うけど、大きなお世話でしたな。

 それよりも、捜査捜査♪久々の現場だ!

 って、なんだか浮かれてますが。多分私も頭おかしくなってるんだと思う。あと、知らない恐怖に怯えてたこれまでを、払拭したかった。のかな?

 彼を私のうちの近所の駅に送り届けて、gumiらさんに一緒に行ってと頼む。二つ返事でOKもらう。さすがだ、相棒よ。

 家に帰り、ウォーキングのひとに変装。眼鏡もかける。首からタオル。父の車に乗り換えて、相棒を拾い現場へ直行だ‼


 現場は、昔ながらの狭い路地に入った高級住宅地。古いアパートや新しい小洒落た家が混在している。コインパーキングに停めて、二人でウォーキングの中年二人を装い歩く。

 あった!ここだよ!車もあった!


 ところが・・・・

 老眼&鳥目で、目が見えない‼ナンバーが読めない‼あまり近づくとセンサー付きライトに照らされ、防犯カメラも付いてるらしいので映るわけにはいかない。

 ダメじゃん・・・・ポンコツすぎる二人


 可笑しくなって、声までちょっと大きくなる。使えん。本当に使えん。

 何度も往復し、次は車で通過し、動画を取ろうとか色々したけど…。

 結果、動画はうまく撮れてない。そしてなんとか読んだナンバーも、たった四桁が何故か覚えられない。スマホのメモに入力したつもりが保存できてない。

 なんとかかんとか、四桁のナンバーは「多分、これ」という程度に判明。車種はビミョー。多分これかこれ。

報告を受けた 彼は思ったであろう。やはり無理をお願いしてでも、後輩に頼み込めば良かったと。

  

 私とgumiらさんは、すっかり意気消沈し、自分たちにはもう現場捜査は無理だと悟ったのであった。ここ一年で、本当に目が見えなくなってるのよ。40代後半の皆さん。急にがっくり来るから。ホントだから。


 あれ?私、何やってんだ?


 

 

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