モテ至上主義おたく

出典を示せないので与太話として聞いて欲しいんですけど、大学で教鞭をとっている先生が、今の女子学生は一周まわってモテ至上主義だということを言っていた。モテ至上主義というのは男に媚びて女同士で戦うというわけではなく、どちらかといえば同調圧力的な、輪の中でお互いにいいねし合うポジティブでゆるやかな監視、たくさんの異性にちやほやされるのではなく一人のパートナーに尽くすことで同性に「いいね」と言われたい、誰かにいいねと言ってもらうことこそが自分の価値、という価値観。キャリア志向もなく専業主婦にあこがれ、結婚して彼の家に嫁ぐことに憧れすらある。というタイプのモテ至上主義。

個人個人で考えると多様な価値観としてバリキャリがいたっていいし専業主婦がいたっていい。私自身はどちらでもあってどちらでもないノンポリだし。でも、30~40代あたりの、個性だ自立だ女性雇用だと言われ共働きもただの二重負担だった世代が「こんなん続かんわボケ」いうて働き方改革だとか夫婦別姓だとか言い出した頃にこの下の世代の思想揺り戻しって、あまりにもはしご外されすぎじゃないか、団塊のオッサンとキラキラ女子に揃って「イキりババアうるせえな」と詰られる状況はさすがにあんまりすぎる仕打ちなのでは、という同世代としての絶望感は、ちょっとある。

……みたいな動きを、おたく界隈でもなんとなく感じている。いいねはほしいけどバズりたくない。全通は金と暇のあるババアのすることだし良席ガッツもイキりすぎててダサい。我慢できない愚痴、バズらせたい苦情は捨て垢で。DDや短スパンでの担降りみたいな気の多さも引かれるから好きな子の数だけアカウント作って乗り捨てる。担当くんに一途でひかえめなファン。昨今の転売対策や当日座席発券なんかもこれに拍車をかけているというか、おたく内でのそういう文化的圧力が逆に対策を後押しした感すらある。

だからどうというオチはないです。ただ、私はずっとこの観測されるおたくの変化ってSNSによるおたくの相互監視がそうさせたのかなーと思ってたんだけど、そもそももっと大きな文化的変化によるものだったのかも?ということを、冒頭の話を聞いてなるほどと思ったのでした。という話です。

あーはやくシャブ打ちたい。シャブ打って前後不覚になりたい。そういうヤク中や深酒や酩酊も、いいね世代からみたらダサいことのひとつなのだと思う。

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