月髑髏前期まとめ(あるいは捨てない捨之介についての話)

鳥のとき中日(中千秋楽?)に書いたから月もそうしよ~、って思ってたんですよね。よく考えたらド年末じゃん、ていう。

年内最終公演だしって思ってもともとチケットとってたんです。鳥は連休前がすごく最高の出来で、千秋楽まで終わってみても結局あの日の公演が一番よかったなって思うような公演だったので、やっぱ連休前は観たいなーって思ってたんです普通に。

でもそのあと刀ステの日程が発表されて、千秋楽だしLVだしそっち行かなきゃな~って一度は思ってチケットも譲ろうと思ってたんですが、福士捨のあまりのミラクル確変ぶりに「これは今福士捨見ておかないと後悔する!!!!!!LVは多分ディレイ配信やるからそっちで見ればいい!!!!!!!」と思い直し急に方向転換。自分の選択には満足しています。笑

それはさておき。

阿部サダヲやっぱすげー!!!!!っていう1か月間でした。初日のガッチガチだった立ち回り、たどたどしい動線、緊張で若干上ずった声。もはやすべてが懐かしい。今のサダヲ捨は、360ステージで、関東荒野を無界の里を髑髏城をいきいきと駆け回る、誰も見たことがない、でも超絶かっこいい捨之介として生まれ変わったのDEATH!(シャキーン)(CVなるし)https://note.mu/dosankotv/n/n6230cbe960de

これ鳥のときの感想なんだけど、福士くんにもまったく同じこと言ってるよね私……。福士くんも同じように、たどたどしかった初日の彼なんてもう見る影もなくあの360度ステージを駆け回って我々を虜にしているわけだけれど、特筆すべきはその成長スピード!!!まるでアサガオの観察日記みたい。初々しさを微笑ましく見ていたら、あっという間に彼が生きる捨之介の魅力に取り込まれてしまった。双葉が出たと思ったらつるが伸びてあっという間にぽこぽこ花が咲いて種になって。そしてまた芽吹く。そのレベルの変化を1週間そこらでやってのける。すごい。すごいよ。若いって本当にすごい。剥がれた爪もかかとの靴擦れ?も、2週間もしないうちにキレ~~~に治っちゃうの。お前の新陳代謝どないなっとんじゃい。まも捨の安定型0番も最高だけど、福士捨の圧倒的な0番の引力、どこに連れていってくれるかわからないドキドキ感ったら本当にたまらない。あのいたずらっぽい笑顔にすっかり骨抜きにされている。勿論太一さんだって平間くんだってすごく楽しんで観てるんだけど、観ても観ても観足りない!って思っちゃうのはやっぱり上弦の捨之介が福士くんだからだ。

という、予想外の強敵と戦うことになってしまったので、かなり細かくメモは残している。ツイッターにも手元にも。でもいざまとめるとなると概念の話になりがち。

月捨の最大の特徴は「不殺主人公」であること。といっても、髑髏党なんかはざくざく斬ってるし別に博愛というわけではなくて、自分の懐に入れた仲間にはとことん尽くすタイプの主人公。鳥ではまるでテロリストのように扱われていた地を這う草の者こと「地の男」は、月では母なる大地のような包容力をもった男として扱われていた。っていうか、忍びって普通、忍びの掟とかあって、仲間であっても掟を破ったら殺したりしないといけないのでは???月の捨って、忍びとしては落ちこぼれなんじゃない?????

まあ、そういう主人公はたいてい、手痛い裏切りにあうわけで、それが天蘭なわけだけれど。笑

そして「捨てない男」。

月の捨之介は、花鳥風(の戯曲)にあった「捨之介って名前も捨之介だ」「〜新しい名前を探す旅にするよ」って台詞、言わないんだよね。捨之介の名前を捨てない捨之介って、ちょっと新しい捨之介像すぎる。 https://fusetter.com/tw/GzTDW

捨之介を捨てないってどういうことかな~って考えたんだけど。

そもそも月の捨は失う捨之介だ。捨てるというより何もかも全部抱え込もうとしてぽろぽろこぼしてしまう未熟さと傲慢さがある。いままでの捨って、こんなに欲張りではなかったと思うんだよね。逆に天魔王を止める以外のことは考えていない、そこで死ぬかもしれないから大事なものなんて作らないし、あの頃以上に大事なものなんてもう二度とできないだろうから作りたいとも思わない、みたいな。昔の縁だけが捨てられなかった捨之介。でも月の捨はあれもこれもそれも全部捨てられない。できれば、取り戻したいとすら思ってるんじゃないかな。

(戯曲ベースの話になるけど)花鳥風の捨之介って、守るのはあくまでも「太平の世」だったり「無界」だったりっていう第三者なんだけど、月の捨之介が守りたいのはまず自分の仲間というように思える。無界を守るのだって、もしかしたらそれが“蘭兵衛のもの”だからじゃないかという気すらする。蘭兵衛の居場所、仲間の大切な仲間。そして天魔王も、捨てない捨之介にとっては、まだ守りたい仲間なのだろう。ちょっと聞き分けがないだけでかわいいやつなんですよ、とか言ってきそう。そういう、一度懐に入れた相手はいつまでも大事にするのが、月の「地の男」の在り方だ。

その捨之介が唯一拾ったのが霧丸。あれもこれも全部取りこぼして失った捨が唯一新しく手に入れたものだ。12/29ソワレの、指さして笑いあってたあの顔を見てああ~~~~~やっぱりそうだ~~~~~~って思った。今日のあのふたりは、たぶんあのあと大親友になるふたりだ。笑

まあそれはおいといて。

このある種の「よくばり」な「傲慢さ」をもってるのって、“0番あるある”だと思う。極端なあてがきはやめたということだったけど、いやいや、なかなかどうして、と思うのだけど。これは単純に、私の解釈が中の人にひきずられてしまっているのか、もっと大元でひきずられているのかどっちだろう。

捨てない捨ができたのは、福士くんとまもがやたらと明るい人だからではないだろうか。福士捨もまも捨も、圧倒的陽の生き物だよね。だから天魔みたいな陰キャ(笑)は眩しくて眩しくて目が眩んじゃうのだと思う。さながら太陽に照らされる月だ。蘭は太陽を失ったまま彷徨う月だし、捨だって本当は殿に照らされていた月だったんだよな。この花鳥風月が捨てない捨で終わるのは、私はすごくうれしい。修羅天魔は絶対全然違う話になると思うから、事実上髑髏城はこれで完結だもん。やっぱりハッピーエンドがいい。

などということを考えながらみていました、12月。いままでで一番捨之介のこと考えながらみてしまう髑髏城だな~。天蘭ときりちゃんにつていもそのうち書けたら書きます。書けたら。

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