Never my love ~ ABC座『ジャニーズ伝説2017』千秋楽

これの続きです。

初演再演よりも悲しいお話だったな、というのが最後までみての感想です。

ジャニーズ伝説2017をみてSMAPのことを思うとなんだかすごく悲しくなるというのは、つまり異邦人の悲しみであって、それはジャニーズという民族のなかでSMAPは異邦人であったということなんだけれど、そのジャニーズだって当時の日本の音楽界・エンタメ界においては異邦人だったんだよね。その部分が特に強調して描かれたわけではないけれど、何故か初演再演よりも空港のシーンが強く印象に残った。

初演、再演のジャニーズ伝説は、事実に基づいていながら、物語に対してなんとなく突き放した印象だった。なんというか……えっ他人事かよ?みたいな。語り部は誰だったの?ジャニーさんなのではないの?ジャニーさんなのだとしたら、この解散に少なからず自分も関わっているのではないの?という疑問をもっていた気がする。もっと“フィクション”として作り込んであった。それが日本に残してきた病気の少年とその兄というキャラクターだったわけで。

2017年版は、戸塚くんの姿を借りてジャニーさん(仮)という存在が板の上に存在することによって、ジャニーさんが過去の自分の失敗と対峙しているような雰囲気が生まれて、それはつまり、今また同じようなことと向き合っているということの証左なのだと思う。このタイミングでジャニーズ伝説を再々演したということだけでなく、この物語の構成の変化に、わたしは少なからず自省的なものを感じる。

SMAP解散に端を発する一連のゴタゴタについて、わたしが誰かをいいとか悪いとか評価することは金輪際ないけれど、ただそこに深い悲しみがあったことだけはあらためて感じた。それは河合くん演じる中谷が最後にみせる苦悶の表情でもあるし、その悲しみを癒すのはテーマでもある「Never my love」なのだろう。きっと。多分。だってそんな理由がないと、新しい扉を開けるために歌うにはあんまりじゃないか、この曲は。

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観劇ヤクザ

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