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多ステ厨という生き物が多ステしない人に伝えたいこと

最近わたしの足場が不安定なこともありいろんな界隈の人に捕捉されるようになったのだけど、そちらのみなさまに向けて自己紹介しておくとわたしはそもそもジャニヲタである。ジャニヲタで、いわゆる多ステ厨だ。というかまあ簡単にいうときちがいだ。これは卑下とかマウンティングとかじゃなくて、ふつうに、ただ冷静さを欠いたタイプのおたくだっていう意味だ。

わたしが多ステするのはただ単に我慢がきかないからで、観ないと死んじゃうって本気で思っているから。この作品を一回たりとも見逃したくないとか、推しの姿をなるべく多く見て目に焼き付けたいとか、そういうモチベーションはない。もちろんタレントに認知されたいとかもない。中毒、というのが一番近い。個人的にはシャブ中という言葉が一番しっくりくるけどアル中でも過食でもなんでもいい。とにかくそういう、欲をコントロールできないやつだ。餓鬼道におちているともいう。

だから「全ステしたい」という気持ちはない。コンプリ欲はないのだ。観たいときに観たいように観るのが目的なので、自分が観るのになるべく効率のよい方法を考える。時間とか曜日とか体力とか。金と有給は大体どうにかなる、というか、それより先に体力が尽きる(経験則)。

……という多ステ厨のわたしが知っている唯一のことを、多ステしない人に伝えます。

たくさん観てるほうが役者のことがよく分かるとか、たくさん観てる人の方が作品に対して理解が深いとか、そういうことは、断じてないです。絶対にない。

観劇は集中力。

これに尽きる。

舞台って、異常な情報量が詰め込まれた娯楽だ。たとえばセットもなにもないところに役者がひとりぽつんと立っているだけでも、そこには尋常でない情報量がある。真っ白な映像や無音の音楽とは比べ物にならない情報量だと思う。だから眩しい光の中でセットや衣装をつけて音楽が鳴っている作品のなかで、役者の一挙手一投足や板の上の微妙な空気に気付くためには、相当な集中力が必要だ。観客は無意識にかなりの集中力を使っているので、「ただ座ってただけなのに疲れたねえ」なんて、みんなよく言ってるはず。

だから、観劇は「どれだけの情報量を受け取れるか」がすべてだと思う。

全通とかするタイプのおたくで自分の推しの出番以外は大体寝てる人とかいますけど、それはそれで全然いいと思う。推しを見届けるのが目的なら、それ以外のシーンでは体力を消耗しないよう目を瞑っているっていうのはめちゃくちゃ正しい。私もどうしても集中力がもちそうにない時は、心の中で「すまん!!!!!」と謝りながら意図的に目を閉じることがあります。視覚情報をシャットアウトするだけでかなり脳が楽になるので。つまんない作品ならなおさらだ。つまんない作品のために脳のメモリ使いたくないもんね。

前述の「自分が観るのになるべく効率のよい方法」、以前は時間やお金のことを考えていたんだけど、最近かなり「体力」を意識している。単に年とったからなんだけど、疲れてると本当に集中力がもたない。まじで。居眠りこそしないものの、ぼんやりしちゃうことが本当に多くなった。

低血圧だから頭の働かない休日のマチネはなるべく入りたくないし、マチソワや連日の観劇は自分の集中力がどんどん下がっていくのを身体で知っているのでなるべく避けている。だって、高いチケ代払って受け取れる情報量が半分以下とか、効率悪すぎるんだもんよ。あとルーチンワークになるとそれはそれで流し見しちゃうので、なるべく時間や曜日をばらけさせる、とか。遠征や公演回数の少ない演目だとどうしてもマチソワになりがちだけど、やっぱり集中力もたないな~と思う。遠征なんて特に……移動の疲労がね……あるから……。

その場に身を置くこと自体に意味があるタイプの人もいるし、目的は人それぞれなので、集中してないと観る意味ない、などとはまったく思いません。そういうタイプの公演もあるからね。「気軽に楽しめる」と評される公演はそうだと思う。自然と集中できて自然とリラックスできるやつ。そういうのは通うの楽しいよね。ちゃんと息抜きできるシーンを作っていてくれる演出は優しいなと思う。w

ジャニヲタでもそれ以外でも「わたしはそんなに回数観てないからよくわかってないけど」みたいな前置きする人いるよな~と思ったので(単なるあてつけかもしれんが)真面目にそう思ってるなら「ちがうよ!!!!!全然ちがうよ!!!!!!!!」って思って書いてみた次第。だからみんな「今さらこんなこと書いても」なんて思わずにどんどん感想を書いてくれよな!!!!!

「単にチケットがとれないだけ」っていうパターンについてはお互い頑張ろうとしかいえない。以上です。

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