株主コミュニティを深掘り!

はじめに

前回は株式型クラウドファンディングで購入した株の売却方法について書きましたが、今回はその中で紹介した、株主コミュニティについてもう少し深掘りしていきたいと思います。

非上場株式を売買できる仕組みの一つ

株主コミュニティは非上場株式を売買を可能とするために2015年に創設されました。
同時期に株式型クラウドファンディングも可能となったので、株式型クラウドファンディングで購入した株の二次流通の手段として側面もあったのかもしれません。

また以前は、グリーンシートと呼ばれる非上場株式を売買する仕組みがありましたが、2018年3月をもって廃止となりました。グリーンシートがなぜ存続しなかったかというと、発行会社に対して適時開示の義務を課されるため、業務負荷が上がることが挙げられます。
取引量がそれほど多くないのに、上場基準の適時開示をしていたら、小さな会社だったら置きたくもないのに専任の人を置かなければならないくらい大変なことだと思います。

対して、株主コミュニティでは発行会社に対して適時開示の義務はないため、業務負荷が上がることはありません。
ただし制限として、発行会社の株式を売買するコミュニティに参加しないといけません。
また、証券会社はコミュニティ加入の勧誘をすることができません。
投資家が自ら加入したいコミュニティを見つけて申告しないといけないため、コミュニティの広がりが非常に遅いものとなります。

株主コミュニティも株式型クラウドファンディングと同様に、その企業に共感をしないと株主コミュニティを加入することはないと考えられます。共感を得るためには情報公開が必要になってくるはずですが、情報公開しにくい制度となっています。
それが壁となっているために、株式型クラウドファンディングに比べて普及していないように思います。

株主コミュニティの「コミュニティ」が広がりにくいことが問題

現在のところ、証券会社はコミュニティ加入の勧誘をすることができず、コミュニティ外の人はコミュニティを組成している会社名まではわかるのですが、それ以上のことがわからない状況となっています。
株式型クラウドファンディングであれば、何を行っている会社なのか、将来の予想など購入しない人でも証券会社のホームページを見ることで理解を深めることができます。
対して株主コミュニティでは、証券会社のホームページには何も公開されていません。
コミュニティを組成している発行会社のホームページを見ることができれば、行っている事業などある程度わかるかもしれませんが、財務情報などもっと深い情報を見たくても見ることができない会社もあります。
コミュニティに加入することで見ることができるようになりますが、わざわざ加入しないと見ることができないのは少々問題のように感じます。

おわりに

前回の株式型クラウドファンディングで購入した株の売却方法で書いたことと若干かぶってしまいますが、株式型クラウドファンディングの案件も増えてきていますが、換金できる手段が整っていません。
二次流通としての株主コミュニティの普及には若干期待をしているのですが、今の制度のままでは、普及する見込みがないと思うので、証券会社でどのコミュニティがあって、事業内容や財務情報などをもう少し情報公開できるように法律改正していかないといけないのではと考えています。

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