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【企業研究】伊藤忠商事


はじめに

当記事では総合商社の伊藤忠商事についての企業研究を行います。

総合商社は就活生からの人気が極めて高い業界でありながら、
◆他社との差別化が極めて難しい
◆何が強みなのかが分からない
◆どの部署が花形なのか
◆どのような人物像が求められるのかを掴みづらい

といった特徴があります。

そこで、当記事では上記のような就活生の悩みを解決するべく、
◆伊藤忠商事の他社との違い
◆伊藤忠商事の中でどの部署が強い=花形なのか
◆伊藤忠商事がどのような人物を求めているのか

を伊藤忠商事の歴史を創業から辿り、丁寧な解説を行いました。

多くの方々のキャリア選択を成功させるきっかけとなれば幸いです。

基本情報

会社名 :伊藤忠商事株式会社
設立年 :1858年
採用人数: 例年120~140名程度
選考フロー :ES・適性検査→面接(3回)→内定

創業の歴史

-1858年に繊維を祖業として設立

出典:https://dime.jp/genre/451340/

伊藤忠商事の原点は1800年代後半にまで遡ります。創業者である初代伊藤忠兵衛江は近江商人として麻布の持ち下りを行っていました。持ち下りとは関西を起点として関東ならびに全国各地に産品を流通することをいいます。1858年に初代伊藤忠兵衛が行商を開始したことからこの年は伊藤忠商事の創業年とされています。その後、持ち下りの販路は関東から九州地方にまで広がり、初代伊藤忠兵衛は大阪に紅忠を設立しました。

-1900年代前半に海外進出を成し遂げる

1900年代前半ごろ、日本は世界有数の生糸の輸出国へと発展しました。なぜなら、日本は生糸の生産に適した地政学的環境や農業モデルを採用していただけでなく外国からの最新機材の導入といった技術的発展が従来の生糸生産にもたらされたからです。伊藤忠商事はこのような日本の生糸の輸出ニーズをチャンスとして捉え、外国に多くの支店を設立し、流通の一躍を担いました。また、伊藤忠商事は日本の製糸を外国に輸出して得たキャッシュで鉄や機械を輸入するトレンドに目をつけ、アメリカを中心とした先進国から最先端の材料・機械を仕入れて日本に販売する事業を展開しました。伊藤忠商事はこのような形で日本の経済発展および工業化の流れを掴み、国内から海外への展開および専門商社から総合商社への進化を踏み出していったのです。

-1949年に分社化され、新・伊藤忠商事に

1900年代半ばにかけて軍事主導政治の影響もあり、旧・伊藤忠商事は旧・丸紅をはじめとした姉妹会社と合併を重ね、大建産業として事業を展開していました。しかし、太平洋戦争後に過度経済力集中排除法が制定され、新・伊藤忠商事、新・丸紅、呉羽紡績、尼崎製釘所に分社化されました。

-繊維商社から総合商社の道へ

1949年に伊藤忠商事は大建産業の繊維、機工、物資の分野に関わる業務を引き継いで独立しました。当時の収益構成は繊維が90%以上を占めていました。しかし、1950年代から日本の工業化の進展および朝鮮戦争による軍需景気の影響から、重化学製品に対する需要が著しく拡大しました。そのため、伊藤忠商事は従来の繊維を中心とした経営方針から非繊維分野での収益拡大を狙った経営戦略へシフトしていきました。

-中国市場の開拓に成功した日本初の総合商社

出典:https://diamond.jp/articles/-/167384

旧・武田薬品工業の食料部門を譲り受けただけでなく、従来から繊維を主軸とした生活分野に強みを持つ伊藤忠商事は発展段階で今後生活関連ニーズが上昇する可能性が高いと考えた中国市場を自社のコア・コンピタンスを発揮できる機会として捉えました。そこで、伊藤忠商事は1972年に日中貿易4条件の遵守を宣言および中国進出を行いました。伊藤忠商事の中国との貿易促進に対する取り組みは友好商社として認定され、総合商社として初めて対中国貿易を成功させることになりました。

企業理念/求める人物像

出典:伊藤忠商事ホームページ

伊藤忠商事の経営理念は「三方よし」です。

三方とは「売り手よし、買い手よし、世間よし」を表しており、この3つを満たす「商い」が美しいという初代伊藤忠兵衛の行商人としての理念が根幹となっています。初代伊藤忠兵衛は近江商人として繊維を中心とした産品を全国各地に流通する商いを行っていました。たとえ天候や地形が悪くてもお客様のために脚を使って届けていたという初代伊藤忠兵衛のエピソードは非常に有名です。伊藤忠商事は「挑戦」をスローガンに決算や採用方針を打ち出すことが多いことからこの初代伊藤忠兵衛の挑戦の精神を強く受け継いでいるのではないかと考えられます。どんな困難・失敗があっても何度でも立ち上がり挑戦を続けられる素養を持つ学生を伊藤忠商事は求めているのではないでしょうか。

事業内容

伊藤忠商事はカンパニー制を採用しており、合計8つの部署に分かれております。その中でも注目すべきは「第8カンパニー」です。第8カンパニーは伊藤忠商事が持つファミリーマートを起点に顧客の購買データを収集・分析し、そのインサイトから得られた情報を食料およびその他のカンパニーに横断的に活用していくことを目的として設立されました。

伊藤忠商事の3つの強み

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