見出し画像

【企業研究】電通、博報堂、ADK



はじめに

今回の記事では”総合広告代理店”の業界/企業研究を行っていきます。

総合広告代理店といえば、
・「華やかでキラキラしている」
・「仕事が非常に大変」
・「電通と博報堂の違いがよくわからない」

というイメージを抱く方が多いのではないでしょうか?

しかし、上記のイメージに対して、
・「なぜ?キラキラしている人が多いのだろうか」
・「なぜ?広告代理店の仕事は大変なのだろうか」
・「なぜ?電通は強いのだろうか。博報堂は何で差別化しているのか」

と深く考えたことがある就活生は少ない印象を受けます。

筆者はこれらの疑問に回答できるようになることが総合広告代理店に内定する上での必須事項だと考えています。なぜなら、これらの疑問に回答できること=総合広告代理店の仕事の本質を理解している、すなわち仕事で何が求められている(=どのような人物や能力が欲しい)のかを理解していることであり、面接で何をどのようにアピールすればよいのかを戦略立てることができるからです。

このNoteを読めば、
◆総合広告代理店の業界/企業分析の時間が節約できる
◆総合広告代理店の難関な選考の攻略法がわかる
上記のメリットを得ることができます。

総合広告代理店を強く志望する方はぜひご覧ください。

総合広告代理店の業界構造および仕事内容

(広告代理店のビジネスモデル)

出典:リクナビ「広告業界」より引用
https://job.rikunabi.com/contents/industry/1052/

広告代理店とは、広告主のプロモーション活動を代理で行う仕事を指します。広告代理店の中には、マス4媒体だけでなくインターネットを含めた広告媒体を取り扱う総合広告代理店、インターネットなどの特定の広告媒体に特化した専門広告代理店、もともとは特定の会社やグループ会社の広告を扱うために設立されたハウスエージェンシーと呼ばれる形態があります。

広告代代理店は主に3つの形態に分類される。
①総合広告代理店
⇒電通、博報堂、ADKなど
②専門広告代理店
⇒サイバーエージェント、オプト、DAC、アイレップなど
③ハウスエージェーンシー
⇒東急エージェンシー、JR東日本企画、読売広告社など

総合広告代理店のキープレイヤー


株式会社電通

採用情報
選考フロー)
エントリーシート・適性検査→一次面接→二次面接→三次面接→グループディスカッション→最終面接→内定
採用人数)
例年120~150名程度

株式会社博報堂DYホールディングス

採用情報
選考フロー)
エントリシート・適性検査→一次面接→グループディスカッション+筆記試験→最終面接→内定
採用人数)
例年130~160名程度

株式会社ADKホールディングス

採用情報
選考フロー)
エントリーシート→一次面接→リクルーター面談→二次面接→三次面接→最終面接→内定
採用人数)
例年60~70名程度

業界の市場規模および動向

株式会社電通.「2020年日本の広告費」.2021
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2021012-0225.pdf

2020年度は外出規制が出され、消費者の需要が著しく減少したことによって総広告費は大幅に減少しました。しかし、リーマンショック以降日本の総広告費は堅調な上昇傾向にあります。2019年度までの総広告費の上昇要因は「インターネット広告」によるもので、一方で下降要因は「マス4媒体」によるものです。

株式会社電通.「2020年日本の広告費 媒体別広告費」.2021を参考にして筆者が作成
https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2020/media.html

1996年以来連続してインターネット広告費は上昇しており2019年には市場規模2兆円を突破しました。これは企業と消費者のコミュニケーション手段がテレビや新聞を中心としたマス媒体からインターネット、特にSNS、Webサイト、Youtubeなどのオンラインプラットフォームに移行していることを示唆しています。

上記のデータから、マス4媒体の市場規模は依然として2兆円以上は推移しているもの、近年のデジタルトランスフォーメーションの流れを見ていると、今後企業と消費者のコミュニケーション手段はよりインターネット媒体に移行していくと考えられます。よって、マス4媒体の市場規模縮小とインターネット広告の市場規模拡大の流れは続くと考えられ、マス4媒体に収益を依存している総合広告代理店には逆風が吹くと予想されます。一方で、この逆風は総合広告代理店にとっては従来のビジネスモデルの見直しや新規事業に取り組むきっかけになるとも考えられ、新しい時代を企業と一緒に切り開きたいと考える就活生にとっては面白い仕事になっていきそうです。

総合広告代理店の収益構造

株式会社電通、株式会社博報堂DYメディアパートナーズの決算資料
(2018-2020年)を元に筆者が作成。株式会社アサツーディ・ケイは株式の上場廃止により直近の決算情報が入手不可能。

ここで総合広告代理店の大手2社を見てみましょう。電通と博報堂両社ともにマス媒体における収益(売上)の構成比が30%を超えていることからマス媒体、特にマス媒体の構成比の大半を占めるテレビ広告が収益の柱であることが分かります。一方で、収益構成比におけるマス媒体の割合は年々減少傾向にあり、インターネット広告の割合が上昇しています。このことから、両社ともに経営資源をインターネットに対して本格的に投下し始めていることが読み取れます。

総合代理店の代表的なCM一覧が載っているサイト

ここから先は

6,513字 / 8画像

¥ 299

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?