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新制限対応!【VS(ヴァンキッシュ・ソウル)】解説

《Opening》

こんにちは。どつです。
関東で遊戯王しています。ドラゴン族デッキが大好きです。

改訂出ましたね。
大好きだった深淵の獣が何故かバルドレイクまで葬り去られてしまいました。ブラスターを使ったデッキを作りたかったのですがドラゴンとしてもレベル7としても現代だとスペック不足が否めませんでした。

僕は記事を書くにあたって大会環境で勝ち抜くデッキのスペックは必須だと思っていて、改訂前から勢いをつけていたピュアリィとクシャトリラに抗うことが出来る事前提でデッキを考えていました。

そんな中、魂揺さぶる熱いビジュアルと、エースにクールなドラゴンを内包するテーマと出会いました。
それが今回紹介する『VS(ヴァンキッシュ・ソウル)』です。

発売当初から店舗代表戦や非公認大会で勝ち越しているのですが、みんな制限改訂が気になってそれどころではなく、改訂後初めて興味が出て来た人も多いのではないかと思います。
前提として上述のピュアリィ・クシャトリラにしっかり抗う事の出来るスペックを持っているので是非、読んで頂ければと思います。

早速使用した所、関東でも強豪プレイヤーの参加率が高いわよCSにてベスト8と言う成績を収めることが出来ました。構築について反響があったことに加えて、情報が少ないため動かし方やサイドチェンジ等知りたいと言う声を多数頂いたので、この度解説記事を作成させて頂きました。

型の原案自体は友人の『カナタ氏(@kanata_ygo_2)』が改訂前に載せており、新制限用適用の関東エリアのCS用にカスタマイズし使用しました。

※十二獣環境周辺で入賞を繰り返していた強豪で、質問等も優しく答えてくれるのでフォロー推奨のプレイヤーです!


本編では、【ヴァンキッシュ・ソウル】自体の動きがよくわからない方、これから組もうと考えている方へ向けたへ向けた”基本的な動き・カードの役割・採用枚数・採用理由”や、
大会で勝ちを目指すにあたってデッキの”展開方法・サイドチェンジ・各デッキ対面で気をつけるべき事”など実戦的なことについても多く解説していますので、様々な方が読んでも楽しめる内容になっていると思います。

基本的な記述の前半部分に関しては全て無料部分としていますので少しでも【ヴァンキッシュ・ソウル】に興味を持たれている方は是非、読んで見て下さい。後半部分はプレイ面の意識や勝率に直結するサイドチェンジも含めているので有料とさせて頂きました。

それではご覧下さい! 

Stake Your Soul!

READY!!

《Round1 VS 特徴》

【ヴァンキッシュ・ソウル】(以下、VS)は自分のターン、相手のターンにモンスター達が手札・フィールド間を入れ替わりながらハンドアドバンテージを稼いでいきます。そして増えた手札を活かし、固有に決められた属性のモンスターカードを相手に見せることにより除去効果を発動し相手への妨害や盤面解決を行っていきます。
既存のデッキで例えるならバトルの必要のない【ドラゴンメイド】です。令和を感じますね。

また、1体のモンスターを起点に横展開していくデッキのため、初動にアクセスさえ出来れば少ないハンドから妨害と後続を構える事が出来ます。
俗にいう、”自由枠豊富な1枚初動ミッドレンジデッキ”の位置付けになると思います。派手な展開も行わず、また特殊召喚が相手ターンにも分散しているため『増殖するG』や『原子生命態ニビル』等の強力な手札誘発の直撃を受けない事も強みの1つです。

基本ムーブとしてモンスターサーチ効果を持つ下級モンスター『VS ラゼン』をキーカードとし、彼の効果で不足している属性(以下、色)を供給して戦います。後述しますがラゼン召喚1つ取っても妨害や展開が多岐に渡り、例えると妨害として、『死者への供物』、『月の書』、『強制脱出装置』や『ランク4エクシーズ』、『リンク2』が選択でき、残りのハンドと組み合わせることでドローやバーン、追加の除去も可能です。以下特記事項です。

◎安定性が高い
上述のラゼンにアクセスするだけで上記の最低保証はされており、他のカードを素引きする事で盤面やリソースが倍増していきます。
ラゼン3枚は勿論、サーチするための『増援』、条件付きですがリクルート可能『StakeYourSoul!』、ほぼ全てのモンスターからラゼンに対応する、『スモールワールド』、と初動、準初動合わせて10枚採用しており、非常に安定したテーマになっています。仮にラゼンにアクセス出来なかった場合でも『VS Dr.マッドラヴ》で魔法罠に寄る妨害を用意したり豊富な手札誘発で対応する事が可能です。


◎後攻時の盤面解決力
新制限のTOP候補の一角として期待されているのが【クシャトリラ】ですが例えば『クシャトリラ・フェンリル』が相手の場にいるとします。普通のデッキだとフェンリルの除外を食らいながら越えたり、最近はメインでの採用も目立つ『冥王結界波』等で無力化する必要があります。
これに対して例としてラゼン+『灰流うらら』をマッチングさせましょう。

Stake Your Soul!

READY!!

ラゼン「フェンリルの前に召喚、サーチ効果。ヘヴィ・ボーガーサーチ。」

フェンリル「ここで除外を使うとボーガーに入れ替わられてしまう。。。」

ラゼン「効果発動、ボーガーとうららを見せてフェンリルを破壊!」

フェンリル「ぐああああああああ」

K ! O !

と言った形になります。対象を取る効果への耐性が非常に高く、また下級モンスターも含めて除去効果があるためハンドの多い後攻時に起動し易くなっているのが特徴です。
※ちなみにこの後は『闘神の虚像』のリンク素材になり、その効果で手札に帰還。相手ターンに再度相手モンスターの前に現れ、任意のVSをサーチしながら再び除去効果を起動できます。

もちろん、都合よくフェンリル単騎とはいかずに展開デッキにフル展開された場合は厳しいですが、そこは豊富なスロットによる手札誘発で抑えていきます。

《Round2 VS 構築》

使う決心をしてから調整を重ねた、現状のデッキ構築になります。
私の活動圏である関東の大型非公認大会(CS)に参加することを考え、構築しました。この構築を基に解説を進めていきます。

◎採用カード
採用しているカードたちの採用理由・役割についてです。汎用カードで文字数稼ぎたくないので一部省略して記述します。

【VSモンスター】

◎『VS ラゼン』(増援)

役割:初動
明確な1枚初動です。
下記のカードをサーチする事で多様な展開に分岐します。確定3枚採用。

【ラゼン単騎 ⇒ 召喚効果で出来ること】
①闇属性か炎属性サーチ:虚像をリンク。虚像でラゼン回収。相手ターンにラゼンSS、別の属性サーチ。ラゼンの破壊効果。
②マッドラヴサーチ:虚像をリンク。虚像でマッドラヴSS、妨害魔法罠サーチ。
③マッドラヴサーチ:虚像をリンク。虚像でマッドラヴSS、『VS コンティニュー』サーチ。コンティニューでラゼンSS。ランク4エクシーズ。
④ボーガーサーチ:虚像をリンク。虚像でラゼン回収。相手ターンにラゼンSS、闇属性サーチ。ボーガーでラゼンと入れ替わり、闇属性見せてワンドロー。

◎『VS Dr.マッドラヴ』

役割:準初動。魔法罠に寄る妨害
『冥王結界波』などにデッキとして耐性を持たせることが出来る魔法罠サーチです。主にラゼンからサーチされ相手に合わせた妨害を用意します。
後述の『VS ヘヴィ・ボーガー』で見せる事の出来る闇属性なので重宝します。②の弱体化効果は押し付けた壊獣、アライズハートを上級で戦闘破壊出来るようになります。バウンス効果は妨害に繋がるほか、自分のモンスターも戻せるため追撃や再利用にも使用出来ます。リンクモンスターは守備力がないので自分の虚像が戻る事はありません。汎用性も高く最大枚数採用。

◎『VS パンテラ』

役割:追加の手数、魔法罠除去
残念ながら召喚時サーチ等はなく、妨害には直結しません。ただ特殊召喚条件が緩いため、能動的に手数を増やすために便利なカードです。特に後攻時にはランク4を匂わせたり、二戦目以降などは盤面に複数体のVSを置く事で壊獣や単体除去の被害を抑えることが出来ます。VS下級モンスター自体が少ないので当初は3枚でしたが被りも許容したくなく、1枚差しだとスモールワールドで除外した場合に選択肢が狭まるので2枚採用しています。

◎『VS プルトンHG』

役割:サーチ可能な炎、フィニッシャー
効果だけ見ると基本的には弱いとされる打点上昇です。採用理由はシンプルにラゼンでサーチ出来る唯一の炎属性だからです。ラゼンの除去に炎を指定しているので個人的には必須だと考えます。また、相手ターンにフリーチェーンで特殊召喚出来る効果があり、さながら『ティアラメンツ・ハゥフニス』のように0ターン目に最上級VSモンスターを出す事が出来ます。
残念ながら妨害を獲得する要求値は高いです。ただハンドが潤沢な時は打点UPも活用しているワンキルに貢献も可能です。サーチ用に1枚。

◎『VS ヘヴィ・ボーガー』

役割:デッキのエンジン
緩い条件で場に出せて闇属性を見せる事でドロー加速が可能です。フリーチェーンでしかもお互いのターンに打てるので『ドロール&ロックバード』等をケアしながらドローフェイズにリソースと手札誘発を獲得しにいけます。このカードのドロー有無は勝敗に大きく関わってくるので初手に1枚は闇属性を引き込みたいと考えております。マッドラヴ3+ボーガー3+2~3枚は闇属性を採用したいです。
また最上級双方に言えますが、特殊召喚はメイン中であればフリーチェーンで使用出来るのでラゼンやマッドラヴに対する『無限抱影』などのケアに使用可能です。素引きしたいカードであり、被っても見せる用に使えるので最大枚数の3枚採用。

◎『VS 龍帝ヴァリウス』

役割:フィニッシャー、優勢時の蓋
出現条件はボーガーと同様、緩めですが妨害効果を使用するにはある程度デッキが回っている必要があります。あまり目立っていませんが、耐性を付与する効果は実は強力でフェンリルや『エクスピュアリィ・ノアール』の除去から守りながら戦闘にて突破を狙うことが可能です。基本的にゲーム中1回アクセス出来れば良いのですが、下級を逃がす役割とスモールワールドの経由で使うこともあり2枚採用です。

【VS魔法罠】

◎『Stake Your Soul!』
正確にはVSカードではありませんが一応。2枚初動の『ヒーローアライブ』のような効果です。うららやプルトンからラゼンをリクルートするのがベストですがGが重いので通常召喚から入れる場合、使用順には注意が必要です。見せたカードが解決時になくても効果は解決出来るのでフリーチェーン出せる上級や手札誘発を見せた場合、覚えておいてください。初動になり得るカードなので最大枚数採用。

◎『VS コンティニュー』

汎用性の高いリソース回復札です。ラゼンの項目で記載しましたが、このカードにより展開パターン(ランク4)が増えるので1枚は必須です。
また、伏せて使用する場合は全体除去を打たれてもラゼン蘇生からボーガー、ヴァリウスを繰り出し妨害を用意したり、こちらのハンドが透けている時に任意の色を回収して相手の意識外での除去を打つことが出来ます。複数入れても良い枠だと思いますが、基本的にモンスターの比率を増やしたいデッキのためサーチ用の1枚に留めています。

◎『VS 螺旋流辻風』

緩い起動条件付きの月の書です。このカードの存在がクシャトリラに対して強気に出れるポイントでもあります。対象に取らずに裏にするのでピュアリィやミラーでも腐る事は少なく、攻めにも守りにも使用可能な便利なカードです。コンティニューで出したモンスターを攻撃表示にして追撃する事も可能です。迷ったときにマッドラヴからサーチしたい1枚です。1枚採用。

◎『VS トリニティ・バースト』

最大3列のカードをバウンス出来る妨害です。螺旋流辻風が効きにくいリンクデッキや罠デッキに特に有効なカードです。このバウンスを貫通して展開されて特殊召喚したモンスターを除去されるとリソースも失うことになるので発動タイミングには注意が必要です。相手のエンドフェイズに発動して盤面を更地にしてキルを狙う動きが理想的です。『闘神の虚像』はVSモンスターではないので気を付けましょう。サーチ先として1枚。

【その他】

◎『壊獣』 

ピュアリィとクシャトリラで有用な手札誘発が異なり、無限抱影はモンスターを増やしたいデッキの性質上メインから外しています。半端なパワーの手札誘発であれば壊獣の方が効果的な場面が多く、ノアールの回答になるため採用しました。先行時でもスモールワールドのコストやStake Your Soul!で見せたりと役割があります。ドゴランがうららとラゼンを結べる都合、一番優先度が高く、次に闇属性であるラディアンの2枚を今回採用しました。

◎『パラレルエクシード』

今回の構築の肝です。恐らく今後『パラエク型』とか『強貪型』などに分岐すると思います。VSモンスターは全て闘神の虚像に変換出来るので特殊召喚条件を用意に満たすことが出来ます。蟲惑魔や転生炎獣をイメージして頂ければ分かりやすいと思います。レベル4が多いのでランク4エクシーズに繋がる点、手札補充が重要なデッキなので後述の『スプラッシュ・メイジ』を経由し『デコード・トーカー・ヒートソウル』リンク召喚する事で往復2ドローする事が可能です。素引きしたいのとこちらもスモールワールドで変換出来るため3枚採用。

◎『スモールワールド』

環境中堅デッキに採用される事が多かったですが、改訂前終盤ののクシャトリラに採用が見られ少しずつ評価がされて来ました。特にノアールに抗える壊獣系をサーチ出来る恩恵は大きく、1枚初動の『クシャトリラ・ユニコーン』にも繋がるのが印象的でした。
VSでも1枚初動であるラゼンの依存度は高く、また壊獣の評価も変わらず高いため採用しました。ラゼンさえ通れば往復で手札が回復していくのでコストも気にならないのが利点です。下記に本構築のサーチ相関グラフを貼っておきます。驚いた事に種族がバラけているのはコンセプト的に理解出来るとして、ラゼン・ボーガー・ヴァリウスは守備力だけ1500で共通です。マッドラヴのバウンスを自身の好きなモンスター選び、能動的に使用出来る意図だとは思いますが、これを活用しない手はないと思い、最大枚数採用。


【エクストラデッキ】

◎『闘神の虚像』

VSデッキの根幹を支えるリンクモンスター。このカードのお陰でアドバンテージの獲得スピードが倍になります。①の効果も優秀でフリーチェーンで特殊召喚するカードと組み合わせて相手の戦闘に寄るアドバンテージを抑制する事が可能です。リンク素材に出来ないのが非常に残念ではあります。
初ターンと返し含めて2枚あれば基本的には足りるのですが、クシャトリラのエクストラ除外で抜かれる可能性もゼロではなく、今後ミラーが増える場合に持久戦になるので3枚採用。

◎『転生炎獣アルミラージ』

手札誘発などVS以外のモンスターでパラレルエクシードを起動したい時に使用します。展開パターンに絡むカードの優先度は高いです。


◎『トロイメア/セキュリティドラゴン』

虚像はリンク素材に出来ませんが幸い矢印が下を向いているので相互リンクの条件を満たすことが可能です。ユニコーンだけは満たせませんが汎用性の高さで採用。逆に言うと霊使い系のモンスターは下に出す事が多いため使い辛いため今回は採用していません。

◎『各種サイバース』

スプラッシュ・メイジ』と『デコード・トーカー・ヒートソウル』はパラレルエクシードからの2ドロー用。後手はリンク値があれば『アクセスコード・トーカー』に繋がります。『双穹の騎士アストラム』はアルミラージ+ヒートソウルで出せますがヒートソウルのままターンを渡す事も考えられるので手札と相談になります。


◎『ランク4エクシーズ/アーゼウス』

制圧と捲りの2体です。『深淵に潜むもの』も候補ではありますが、ティアラメンツのようなデッキも『No.41 泥睡魔獣バグースカ』は普通に有効なので枠の兼ね合いも加味して今回は絞りました。

《Round3 VS 展開》

ラゼン単騎はラゼンの項目に記載。組み合わせ展開の一例を記載します。
展開デッキではないので派手な盤面にはなりません。

⑴基本展開
手札 『VS ラゼン』+『闇属性VSモンスター』

盤面 『闘神の虚像』+『VS ヘヴィ・ボーガー』+『VS魔法罠』+2ドロー

ラゼンNS、マッドラヴかボーガーの足りない方をサーチ、虚像リンク。虚像でマッドラヴSS、魔法罠サーチ。マッドラヴ対象にボーガーSS、マッドラヴ見せて1ドロー。返しのドローフェイズに同様に手順で1ドロー。

VSのオーソドックスな展開となります。
往復2ドローで手札誘発や妨害効果に繋がる色を揃えていきます。


(2)基本展開2
手札 『VS ラゼン』+『パラレルエクシード』

盤面 『闘神の虚像』+『ランク4エクシーズ』+『ヒートソウル』
または『闘神の虚像』+『マッドラヴ』+『VS魔法罠』+『ヒートソウル』

ラゼンNS、マッドラヴサーチ、虚像リンク。パラレルエクシードSS、パラレルエクシード追加。虚像でマッドラヴSS、魔法罠サーチ。(以下分岐)

A:マッドラヴでコンティニューをサーチしラゼンSS、ランク4エクシーズ。
B:マッドラヴで妨害札をサーチ。
その後、パラレルエクシード2体でスプラッシュメイジSS、効果でパラレルエクシード蘇生、ヒートソウルSS。効果で1ドロー。

パラレルエクシードが絡むと基本的にヒートソウルが成立するので2ドロー出来ると覚えて頂ければ問題ないです。
⑴+⑵の場合、ボーガーとヒートソウルで往復4枚ドローする事が可能です。

(3)イレギュラー展開
手札 『通常召喚可能な攻撃力1000以下のモンスター(手札誘発)』+『パラレルエクシード』
盤面 『ヒートソウル』+『アルミラージ』or 『アストラム』

ギミックで動けない時にヒートソウルでドローを狙います。サイバース縛りが付くので基本的に返しは手札誘発で戦うことになります。

展開デッキではないので大きな分岐はあまりありません。ここから先は実戦で役に立つ小技や各環境デッキ対面でのプレイや意識する事を記載しております。

《Round4 VS 実践》

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