見出し画像

コントラバス奏者がサッカースクールを始めてみました。

 私は昨年から、少年サッカースクールの代表を務め、コーチの一人として、たまに指導をしたりもしています。スクールと言えば聞こえは良いですが、まあスポーツ少年団のようなもの。

 サッカースクールを始めたのは昨年初夏。息子を通わせていたサッカースクールが、人数不足を理由に突然の支部閉鎖を通達してきたのがきっかけでした。

 子供にサッカーを続けさせたいと考えた私は、地域のサッカースクールのホームページを調べたり見学に行ったりしましたが、基本的にかなり厳しめの、いわば「ガチな」指導を行っているスクールが多い。練習試合の時に罵詈雑言浴びせる光景を目にした事もあり「小学生のうちは楽しく、サッカーを好きになって欲しい」と考えている私にとってはあまり魅力的に映りませんでした。
 もともと息子の通っていたスクールは気が弱かったり、上達する事にそれほど意欲的ではなく、ただ「楽しいから」という理由で来ている子供が多かった事もあり、他の保護者の皆さんも同じような反応で「サッカースクール難民だね」と話し合うようになりました。

 そんなある日の練習中、私が昔サッカーをやっていた事を知っており、何度か一緒にフットサルをやっていた一人の保護者が「草サッカーチームの代表をやられていたじゃないですか、サッカースクールは無理ですか?」と訊ねてきたのです。

 私は「やれるかも、と思ったらとりあえずやってみる」が信条です。「なるほど、他の保護者の方々に聞いて、了承頂けるならやってみましょう」と答え、練習後には、私が中心となってサッカースクールを立ち上げる事が決まっていました。

 それから1週間の間に、草サッカーチームの代表や大学の文化祭実行委員長を務めてきた経験を活かし、ホームページを作り、会計士さんをやってらっしゃる保護者の方に会計をお願いし、規約を作成して口座を作り、スポーツ保険に加入し、保護者のLINEグループを作って連絡網とし、意見を聞きながら月謝や練習時間を決め、道具を購入し、ある程度の形をまとめあげ、「気温も上がり夏休みのかかる8月は活動しない」など、これまでに無かったルールも決めてしまいました。

 私は小学校高学年から高校途中までサッカーをやってきましたが、少年相手に指導する経験が無かったので、講習会を受講し、日本サッカー協会の指導資格である「キッズリーダー」を取得。この講習会の実技で学んだ練習メニューが現在の根幹となっています。

 もちろん、指導するにあたり、ドイツの年代別トレーニングや、池上正さんの「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」や「世界一分かりやすい教える技術」などの本を読んで勉強を続けているところです。
 ただ、こういった指導本は基本的に向上心があったり本気でサッカーを上手になりたい子供たちが対象なので、ウチの子供たちには合わない内容も多いのですが 笑

 私はもともと演奏活動が中心なので土日にあまり指導が出来ず、少しずつもう一人の保護者の方に負担を強いるようになってしまったので、昨年末からはお子さんのいるサッカー経験者にコーチとして加わって頂きました。

 指導者資格を取得し、いざ指導を始めてからは、以前から「こうしてくれたら」と考えていた事を実行に移したので、その辺をまとめておきましょう。 

 練習メニューは以前のスクールのものをメインに内容を組み立てましたが、身体の柔らかい子供たちに準備運動は必要ないと思ったので、数種類の鬼ごっこやビーチフラッグスなど楽しく競えるような競技を取り入れて準備運動代わりにしました。

 さらに、「練習時間60分は短い」と思っていたので、保護者たちの了承を得て90分に変更。但し気温の上がる夏場は当日のコーチ判断で60分に変更出来るようにしました。欧州を参考に、気温が32~3度になったら中止も検討、35度を超える場合は即中止にします。夏休み、冬休みは帰省されるご家庭が多いので活動休止。
 何だったら家族で遊びに行く予定があればサッカーを休んで欲しいくらい。家庭円満が一番大切ですからね。

 サッカー日本代表の岡崎選手、吉田麻也選手などが陸上トレーナーの指導を受けている事からヒントを得て、陸上をやっている友人を招いて「走り方教室」も数ヶ月に一度開催。

 「子供がどのような競技をやっているか親にも体験してもらう」というコンセプトから親子サッカーを企画、保護者に汗をかいてもらう機会も作っています。

 さらにはスマホを利用し、練習後にその日のテーマに沿ったサッカーの動画を共有したり、「サッカー選手を覚えよう」「サッカーチームを知ろう」といったサッカー観戦への興味を煽るような資料を配布するなど、これまでやってみたかった事は全て取り入れるようにしました。

 指導本なんか読むと「小学生くらいの間は子供が何をやっているか、親に見守って欲しい。練習には見学に来るべき」なんて書いてある指導本が多く、僕もそれには賛成なのですが、見学にいらっしゃる保護者の方は少しずつ減っており、今の時代、共働きの家庭も多いので現実には難しいのかな、というのが感想です。
 こんな時代ですから、何かあれば保護者のLINEグループで報告、連絡、相談をするように心がけています。

 以前のサッカースクールで担当してくれていたコーチが非常に責任感ある方で、「お力になれる事があったらいつでも言ってください」と仰って下さったので、日程が合ったら指導に来て頂く事もしています。このコーチが素晴らしいので、彼が来た時はビデオに撮って勉強させて貰っています。
 彼は現在千葉県でサッカースクールを起ち上げ、かなりの生徒を抱えているようで、このサッカースクールと提携を結び、大会や合宿の際には声をかけて頂く事になりました。

 始まってから半年は保護者コーチだけで何とかやり繰りし、お金が貯まったところでユニフォームを新調。ドルトムント、ユベントス、パリ・サンジェルマンでアンケートを取り、ダントツ1位のパリ・サンジェルマンモデルになったので、子供たちに希望の背番号を聞いて、これまで無かった背番号もつけました。

 幸いにも保護者の皆様からはご好評頂き、もうすぐスクールは1年を迎えようとしています。まだまだ課題は山積みですが、子供と共に学びながら頑張っていくつもりです。今後も子供たちを飽きさせない努力、続けていこうと思っています。

 このノートでは、試行錯誤するサッカー指導の日々を綴っていきます。

所沢サッカーボーイズ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?