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「ニコニコ動画とは何か :厳選7作品で語る歴史」“ネットに住む人達” ドワンゴ川上会長講演 〜 niconicoのポータル化事業とユーザーとの関係作り〜(5)

ドワンゴ川上会長「実際、ニコニコ動画がどういうものなのかサンプルの動画を持ってきましたのでご覧下さい。

〜ドワンゴ川上氏によるニコ動画講座 厳選7作品〜

ニコニコ動画が出来た当初の一番再生数が多かったニコニコ動画組曲という動画なんです。

① ♪ 組曲『ニコニコ動画』 07年06月23日投稿http://www.nicovideo.jp/watch/sm500873 

このように、動画の上にテキストのコメントが出ているというのがニコニコ動画の最大の特長ですが、見て頂くと、

これがなんで一番人気になるのかサッパリわからない(会場 笑) 

というのが皆様の感想だと思います。コレは単なるmidiのメドレーなんですね。変な絵が出てますが、Widowsのスクリーンセーバーをそのままコピーしたものなんですね。簡単に言うと動画なんだけれども絵は作っていない。実質的には音だけの動画なんですね。でも、これが一番最初に一番再生された動画だったんです。

何が楽しいかというと、実はコメント

なんですね。みんなで同時に書き込んで、それがライブみたいにコメントで楽しむ。

一緒につながっているような感じ

になるのがニコニコ動画の大きな特長なんです。


で、ニコニコ動画というと二次創作なんですけれども、二次創作について話しますと、じつはニコニコ動画組曲から色々派生したものなんですが、さっきの動画にいろんな効果をつけたものなのですが、

② ♪組曲『ニコニコ動画』兄に内緒で歌ってみた 07年7月4日投稿http://www.nicovideo.jp/watch/sm555032

これは、「うたってみた」という動画で、ユーザーが実際に歌った声をつけて投稿した動画で、何万曲も投稿されているんですが、というように

ユーザーが曲を加工して歌をのっけたりして二次創作をする

というのが大きな特長です。こういう風にユーザーからちょっとした遊びを付け加えていく。

これなんかは絵を書いているだけなんですが... 

③ ♪ 組曲『ニコニコ動画』描いてみた 07年11月10日投稿
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm1496003

こうしてユーザーがちょっとした遊びですね、そういうものを付け加えて面白くしていく、というのがニコニコ動画の文化になっていっています。

これなんかは複数のユーザーがコラボしてやるようなものがあったり...

♪【21人声真似】組曲ニコニコ動画(改)を歌ってみた 11年7月15日投稿http://www.nicovideo.jp/watch/sm15019565

というように、創作の連鎖ですね。そうして少しずつ完成に近づいて行く。

いつまでたっても完成しない

んですけれども。どんどん永遠と作り続けるというのがニコニコの文化です。これは大昔からあるものなんですが、で、ニコ動が出来てここから4年ぐらい経って最近になるとどうなるか。

去年カラオケのランキングとかでJoySoundで年間一位に入っていた「千本桜」という初音ミクの音楽なんですけれども、これもさっきと同じようにオリジナル曲というのがありまして、随分レベルがあがりました。

 ⑤ ♪『初音ミク』千本桜『オリジナル曲PV』 11年9月17日 投稿
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm15630734

ここで歌っているのは「初音ミク」というボーカロイドでして、歌ってくれるやつがあるんですね。で、この動画から、やっぱり「歌ってみた」というやってみる方向に進む人達が生まれまして、5年間だいぶ洗練されてきまして、「ニコカラ」っていうのが同時にアップされるようになりました。

⑥ ♪【ニコカラ】 千本桜 (off vocal)11/09/17投稿
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15633620?ref=search_key_video 

みんなはこれをダウンロードして、さっきのように歌ってみたというのをやる訳です。

で、ユーザーに混じって投稿した人の中に、この方が居まして。

⑦♪【小林幸子】 千本桜 【カウントダウンLIVE】14/1/1投稿
http://www.nicovideo.jp/watch/sm22577964
 

 去年ニコファーレでやったんですけど、

“プロの人が歌ってくれること” = “光臨”

と、ニコ動では呼ぶのですが、アマチュアが作った曲を、本当にプロが歌ってくれている。本来はアマチュアしかいない場所に、プロが本気で遊びにきたということです。

 ニコ動では最近投稿したということで「期待の新人」

と名前をつけられたり(会場 笑)、「先生なにやってんですかシリーズ」というような名前をつけられて、面白がられて視聴されていく、という感じです。

こういう感じでニコ動のイメージが解ってくれると思うのですが、

基本は創作の連鎖

特に中心になっているのは、初音ミクというボーカロイドでして、初音ミク自体を楽しむユーザーもたくさんいるんですが、ミクを実際に歌ってみる、というユーザーがたくさん出てきまして、それが人気になりまして、

歌っている人を「歌い手」といって、踊っている人を「踊り手」と呼ぶ

のですけれども、そういう人たちが人気になっているという現象があります。歌い手の中には結構、動員力のある人がいまして、

普通にイベントをすると数千人集まったりする人が何十人かぐらいはニコ動にいる

んじゃないかなと思います。主に若年層の間で

ニコ動で自分たちの身近なアイドルを作って、彼らを追いかけている

ような人が結構います。

次章 「嫌儲と情弱」とは?

→ “ネットに住む人達” byドワンゴ川上量生  〜 niconicoのポータル化事業とユーザーとの関係作り〜(1)

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