「niconicoはウェブサービスとしては非常識」“ネットに住む人達” ドワンゴ川上会長講演 〜 niconicoのポータル化事業とユーザーとの関係作り〜(4)

ドワンゴ川上会長「ニコニコ動画は、混乱を誘うように、ニコニコといって曖昧にしているんですが、動画と生放送の2種類のサービスがあります。

ニコニコ動画は、ユーザーが作った動画を投稿するもので、あと、生放送というのが、非常にややこしくなっています。例えば話題になった党首討論とかは僕らが作っています。公式生放送というものです。でもそういった番組は1日2番組とか3番組とかしかありません。

それから、企業の方が作って頂いている準公式のものがチャンネル生放送というものです。

で、一番多いのがユーザー生放送でして、最大同時5000番組と書いていますが、ハマっているユーザーさんは毎日30分の番組を1日4回、1週間に30回とか番組を放送するんですね。

中身が無い、ほとんど雑談をしているだけ、で、実際には放送をしているというよりは、ユーザーのコミュニケーションの場として利用されている

というのが多いです。もちろんチャンと企画をする方もいらっしゃいますが、ニコニコで色々世間をお騒がせする人たちも、ユーザー生放送の方でして、例えばフジテレビさんのデモに押掛けて、勝手に「ニコニコ生放送」という腕章作ってデモを取材するような、あたかも公式のように放送する方がいるんですけれども、実はこれはユーザーが勝手にやっている放送だったりします。そして、実は、一番見ている人が一番多いのもユーザー生放送だったりするのが特長です。 

このようにニコニコ動画というのはユーザーのコンテンツとプロのコンテンツが混在しているのが特長です。あと、ドワンゴがやっているサービスなんですけれども、サービス提供者自ら、自分達でもコンテンツも作る。そして、もう一つの特長としてはユーザーからプレミアム会員ということでお金を頂いている。

実は、コレはウェブサービスとしては、常識的には全てやっちゃいけないこと

なんですね。ユーザーのコンテンツとプロのコンテンツは分けなきゃいけない。そして提供している側が自分でコンテンツを作るのはコストがかかりすぎるからやっちゃいけない。そしてユーザーからは無料にしないとお客が入らないからお金をとってはいけない。それが、WEBサービスとしては一般的には常識です。でもその

常識の逆をやって今に至るのがニコニコ動画

なんです。

次章「ニコニコ動画とは何か :厳選7作品で語る歴史」

→ “ネットに住む人達” byドワンゴ川上量生  〜 niconicoのポータル化事業とユーザーとの関係作り〜(1)

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