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パーシモンのお話

僕がゴルフを本格的に始めたときは、ウッドは、その名の通り、木製のパーシモンヘッドでした。
当時、父がゴルフ好きで、かつクラブはミーハーでしたので、メタルを試させてもらえたのは結構早く、80年代序盤では試していましたね〜
最初はなんとなく馴染めなかったので、しらばくパーシモンを使っていて、完全に止めたのは大学生になってから。90年代に入ってからでした。
ということは、僕のゴルフ歴の序盤は間違いなくパーシモンドライバー、フェアウエイウッドで育った感じですね!

今思うと、パーシモンならではの性能を感じることが多々あります。
今日はそんなお話にしてみましょう〜
若い人はついてこれないかもしれませんがご了承ください。

つい数年前、急に思い出したようにパーシモンウッドのドライバーやフェアウエイを試してみて、改めて、パーシモンヘッドのことを考えてみたくなりました。
と言っても、昔のままのスペック(スチールシャフト入り)では打つだけでも大変なので、最近のカーボンシャフトを入れて試しました。
ところが、まずは、そのシャフト交換が大変!
何が大変って、シャフトを抜くのも一苦労。熱し過ぎたらヘッドが燃えます。
スルーボアなのでシャフトが刺さっている部分も長いですし、刺しなおした後はシャフトが抜けないように抑える糸巻きもしなければなりません。
知らない人は何のことやらですね?

今のクラブと比べると独特の形状
ホゼル部には糸が巻いてあります。

そうなってくると、まずはできる職人さんが人間国宝級の希少さです!
たまたま、お付き合いしていただけていたシャフトメーカーさんの工房の方がその技術をお持ちだったので、お願いをしてみました!
逆に言うと、その方がいたから試したいという流れにもなったと言えるでしょう〜
感謝感謝です!大内様!

まずは、フェアウエイウッドから試してみましたが、第1印象は、なんか楽しいクラブ!でした。

びっくりしたのはそのヘッド重量の軽さですね。
4W(バフィー)を試したのですが、200gくらいしかありませんでした。
今で言うところのドライバーヘッドの重量くらいですね。

この要因の一つとして、当時はシャフトが重かった(スチールシャフト)ので、バランスを考えてヘッドが軽かったという点と、シャフトもスルーボア(ヘッドを貫通している)が普通のなので、そのヘッド内のシャフトの重量も加味していくと、何もつけない状態では200gくらいが良かったように思います。
ですが、それにスチールより軽めのカーボンシャフトを入れて試したので、振り感はかなり軽く感じるクラブとなりました。

次にびっくりしたのは打音ですね!
ボコッと言う感じの、なんとも擬音では表現しにくい音でした。
その当時、メタルに変えたときに、メタルはカキーンと言って嫌い、打音は断然パーシモンでしょ!みたいな論調が多かったと思うのですが、改めて打ってみると、今度は物足りない感じがしてしまいました。
逆にこもった音で、これが良い音だったっけ?みたいになりました。

そして、打感。
こちらは、なんとも言えない吸い付くような打感は一発で気に入りました!
球離れが遅いという表現がぴったりですね!

ヘッドが軽くてコントロールしやすく、球離れが遅いので、クラブを操れてしかもボールも操れる感覚というのでしょうか?
これがすごくゴルフの幅を広げてくれた感じがして、楽しいラウンドとなったのを覚えています!(いまだに引っ張り出したくなりますw)

最後に、皆さんが気にしているところかもしれませんが、、、
距離は普通に飛びました!w
反発係数的には、かなり低いはずですが、番手通りの遜色のない距離が出ていました。

さて、そんな感想ばかりではなく、クラブの専門家としての見解を申し上げましょう。

ヘッド重量が軽いことは先程申し上げましたが、もう一つは重心位置の話もしておきましょう〜
構造上、メタルのようにフェース面が重いわけではないので、そんなに重心が前に来るということはないですし、ホゼルは太くて長いですから、高めになりやすい形状だったということですね。
金属のソールプレートも後ろが重くなるような形ですし、バック(ヘッド後部)に重りを入れたりもしていますので、低く深くするように工夫はされています。

また、形状としては、フェースプログレッションがかなり大きく、いわゆるアゴの出た形状というのでしょうか?
シャフト軸よりもかなり前にフェースがあります。

形状や重心位置からすると、捕まりも悪いし、スピンが増えすぎてしまう、という印象を受けそうですね!

ところが、クラブをコントロールする、という意味ではかなり楽ちんと感じてしまいました。
これは何なんでしょう?

僕なりの考察ですが、このフェースプログレッションによる効果で、重心がシャフト軸からは遠くないところにあります。
この結果、ダイナミックロフトはつきにくく、重心が高い割にはスピンが増えにくいということが起こっているように思います。

また、大きいと言っても、ドライバーで200ccに満たないですから、重心距離自体も短いですよね!
つまりはシャフト軸周りの慣性モーメントは小さい=取り回しやすいと感じる人が多いと思います。

シャフトのスルーボアも効いてますね〜
シャフト先端がしっかりとヘッドの中を通って、ソールまで貫通しているので、シャフトとヘッドが一体になっている感じが出ます。

今やもう絶滅機種ではありますが、もしかしたら、振りやすいクラブを考えるうえでは、まだまだ、参考になる点がいくつかあるのでは?
と考えています。

パーシモンの良さはまだあります。
それは、割れても修理して使えることです!
昔は、皆さん、ラウンド後はクラブのお手入れをお家でされた方が多いのではないでしょうか?
なにせ、木製ですから、取り扱いはかなり注意でした!
そして、やっぱり、使ったら割れます。
インサート(プラスティック製が多かった)が割れる、フェースが割れるなどは当たり前で、よく修理して使ってましたね〜
雨が降ると大変で、ヘッドに水を含んでしまいますから、ラウンド後はかならず干していました。
そういえば、雨の日のラウンド後は、ゴルフ場でも水分を吸い取るための紙のヘッドカバーをつけてくれましたね〜懐かしい!

たとえ本体が割れてしまっても修復して使っていた方もいらっしゃったくらいです。
実は、ほんとうの意味でのSDG'sかもしれませんね〜

さて、パーシモンのお話をしてみましたが、みなさんは、どう感じましたか?
(打ってみたい方、ご連絡くださいw)

もしかしたら、古いクラブにもそれなりの良さが垣間見れるかもしれません。



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