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ロバート・ナドー シティー合気道(サンフランシスコ)道場長

身体的な次元を超えた合気道を

武術を学ぶため、日本に渡った22歳のロバート・ナドー氏は、合気会本部道場に入門、植芝盛平翁から深い感化を受ける。
帰国後、合気道普及のかたわら氏独自の心身トレーニング法を開発し、その指導にあたってきた。アメリカの合気道指導者としての30有余年を振り返り、若き日の修業時代、ユニークな心身鍛練の指導方法について語っていただいた。
※所属や肩書きは、季刊『合気ニュース』124号に掲載当時のものです。



運命に導かれて
―― 合気道、そして大先生との出会い

―― ナドーさんは現在、合気道の指導のほかに、エネルギーアウェアネス(Energy Awareness)、いわゆる意識の練磨ですか、センタリング(Centering)、ストレスの対処法などのセミナーを世界各地で開いて、セラピストや大学教授などの指導をしていらっしゃいますが、そこに至るまでのことをざっとお話ししていただけますか。

 まず、大先生との出会いからお願いします。ナドーさんの来日にからんだおもしろい話があるそうですね。
 夢に出てきた人物の名前を言い当てるという巫女の話を聞いたので、その人に会いに行ったのです。そしたら彼女は私を見て即座に、「あなたは東洋へ行くだろう」と言った。「あなたは白い髭をはやした、すごい力を秘めた小柄な老人に会って、さまざまなことを彼から学ぶだろう。彼の名前はモリ、、、」と言いかけたのですが、私は全部まで聞かずに、大先生のことだなとわかりました。

中央に開祖植芝盛平翁、その右、菅野誠一氏、その右ロバート・ナドー氏
茨城県岩間 合気神社前で 1964年


―― そして日本に来てから、すぐにいくつかの武術を習ったのですね。

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