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佐原文東 清心館道場

武術とは己自身を知るための道

昭和39年、合気道師範・山口清吾九段に師事、師範逝去までの32年間に学んだことを糧に、武の道に精進される佐原文東氏。本会見では、まず山口師範との交流について、さらに氏の合気道修行において剣、中国武術、禅と経たその道のりを追いながら、その時々の武術への気づき、心境を語っていただいた。(取材 平成15年5月2日 清心館道場にて)
※所属や肩書きは、季刊『合気ニュース』137号に掲載当時のものです。



手がスッと吸い込まれるような
大先生の受け

―― まず先生が武道にかかわるようになったきっかけからお話しください

 武道としては、合気道を始めたのが最初です。中学3年の時の体育の先生に鍬守尊邦先生(練馬の鍬守道場を始められた方。柔道家・合気道家)という方がおられて、この方から合気道の話を聞いたのが最初かもしれません。合気会本部道場に入門したのが昭和38年1月です。
 当時から本部道場では曜日ごとに先生が決まっていて、どれに出ても良いシステムでしたからほとんど全部に出ました。

 その中で山口先生(編注:山口清吾 1924~1996 合気道九段)の土曜日の稽古は、自分としては他の曜日とずいぶん違う印象で、よく出席させていただいていました。その時間帯に大先生もよく出てこられていました。稽古の合間の休み時間に、大先生が談笑されているのを横で拝見している折、何かの拍子で大先生がもろ肌を脱いで体を見せてくださったことがあったのですが、これが凄かった。首の後ろの筋肉がもこっと盛り上がっていて、ちょうど相撲の隆ノ里のような感じですね。それに、胸が女性のお乳のように垂れ下がっていて、昔は筋肉がパンと張って鞠のような感じだったんでしょうね。常人ではないと思いました。

 山口先生は大先生の受けを取られていて「胸を突くと、すっと吸い込まれるような感じがする」と言われていました。ぶつかりがないんですね。手を取られると、自分の手がすーっと細くなっていくような気がするとも言われてました。

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