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苦しいならば役割から逃げることが大事だよね、「幸福な食卓」

こんにちは、サカモトです。

こちらの本「幸福な食卓」の紹介です。

つかみがうまい

はじめが
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
である。やられましたね。

これで、なになにどうしたのと思わずにはいられませんよね。続きが気になりますよね。まさしく、はまってしまいました。作者の思惑どおりです。えー、えー、もう読むのがやめられず一気読みでしたよ。

作者は瀬尾まいこさん

作者は「そしてバトンは渡された」で本屋大賞をとった瀬尾まいこさんです。ちょっと変わった家族のかたちを書くのが絶妙にうまい作家さんです。

映画ですが、「そして、バトンは渡された」の感想はこちらに書いています。名作なので、こちらもおすすめです。というか、思い出すだけでもう半分泣いています。

役割にしばられないのは大事

作品の話に戻ります。冒頭のお父さんを辞めるっていうのは、世間一般に言われているお父さんという役割をを辞めるという話です。お父さんの役割を辞めるというのがなんなのかというと、朝食を家族で一緒に食べる、仕事に毎日行く、といったことですね。なので、仕事をやめてしまいます!

ただ、真面目なので、主人公の娘から、他には何するの?と聞かれて、出てきた答えがお父さんと呼ばずに名前で呼んでくれです。このへんのちょっとしたズレ加減が絶妙で感心させられます。

新しい家族のかたちを問うている

少し読み進めていくと、実はお父さんは過去に自殺未遂を犯したことが明かされます。そのことにショックを受けたお母さんは悩んだ末に、家族と別居してしまいます。6歳離れた兄はめちゃくちゃ成績が良かったにもかかわらず、大学にいかずに農業法人に就職してしまいます。

なんか家族がバラバラのような感じがするんですが、全然そんなことはなくて、距離を置くことでかえって関係がよくなったりするというのが描かれていてとてもいいです。家族はこうでなければいけない、みたいな考えに縛られて、世間では苦しんでいる人が多いと思います。そんな人は役割を放棄すべき、そんなことを問いかけている気がします。

なにをかくそう自分も、家族の中では父ですが、父親らしいことはあまりしていないので、だめだなと思ったときはありますが、できないものはできないと今では開き直っています。だから、この作品には余計に感銘を受けました。

最後の不幸な出来事

家族のあり方がこの作品のメインテーマですが、ラストにとんでもない不幸な出来事が待っています。主人公の彼氏が交通事故によって突然亡くなってしまうんです。それまでの彼氏と付き合っていたときのほほえましいエピソードがあったために、ものすごい衝撃を受けました。思わずボロボロと泣いてしまいました。間違いなくラストは見どころの一つです。

実はこの作品映画にもなっているそうです。ちょっと見てみたいですね。

ということで、「幸福な食卓」の紹介でした。


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