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自分に合う仕事の見つけ方

質問箱やMondにそれなりの量の質問をいただくようになりましたが、学生からの質問でダントツで多いのがこの類の質問です。

さてどうする?

私はキャリアコンサルタントでもないですし、一般的な就職活動すらしたことがないので、どうしてこういう質問をたくさん寄せてもらえるのかが良くわからないのが正直なところです。

でも多分、それだけ大学生に普遍的な悩みであること、また一般的に大学の教員は「趣味の延長線上で仕事をしている」ように見られるので、このような質問が多くなるのではと思います。

質問を頂く度に、都度同じ回答をするのもあれなので、このへんで整理すべく私の考えを書きたいと思います。

仕事って「合う仕事」じゃなきゃいけないの?

まず、こういう類の質問には、「仕事は自分に合うものでないといけない」という前提があると思います。でもその前提自体、果たして正しいのでしょうか?

長く仕事をするのだから、自分に合う仕事(やりがいのある仕事、自分が成長できる仕事)じゃないといけない、と考え方は当然ありうると思います。ですが、仕事はあくまでお金を稼ぐ手段であって、効率よく稼いでほかのことに生きがいを見つけたい、という考え方だって当然ありだと思います。

この点について、自分はどちらの考え方が優勢なのかをまずは見定めた方が良いと思います。そうしないと自分の軸が定まらないまま、就活市場に踊らされることになるからです。就活市場は、儲けるために就活生はすべからく前者であるべきというメッセージを発してきますが、仕事以外に楽しいことをがあるのであれば、そちらを仕事よりも優先したってまったく構わないわけです。まずはこの点について自己分析をしてみるのが良いのではないかと思います。

でも「合う仕事が良い」場合の見つけ方

自己分析した結果、せっかく仕事をするのだから、やっぱり自分に合う仕事のほうが良いという結論に達した場合、問題になるのはその見つけ方です(やっと質問に戻ってきました)。結論から言うと「様々な意味で動くしかない」というのが私の意見です。

合う仕事がわからない(≒やりたいことがわからない)、という学生の中には、いつもと変わらない生活をしながらその問いをずっと持ち続けているケースが一定数存在します。でも自分に合う仕事は、実際に調べてみたり、経験してみたり、誰かから経験で得た見地を共有してもらう(話をしてもらう)中からしか見つからないと思います。決してTikTokやインスタグラムを眺めていたって見つかりません。

ここで思い出すのは、以前に読んだ次の本の以下の記述です。就活という文脈にもそっくり当てはまるのではないかと思います。

一週間悩み続けても答えが出ないとき、次の一週間も同じように悩み続ければ答えは出るかな?(中略)もし一週間考え続けて答えが出なかったら、考えるのいったんやめたら?代わりに、一週間調べまくる。本を漁る、ネットで情報を探す、関連したテレビを見る、それを一週間やってみる。次の一週間は調べるのもやめて、人に話を聞きまくる。詳しい大人を探す、イベントに行く、専門家に質問する、自分の考えをぶつけてみる、おすすめの本を教えてもらう、まだ知らない情報源を尋ねる、次に会うべき人を紹介してもらう。
そうやって一週間考え、一週間調べ、一週間人に会うのと、無為に3週間うだうだ悩み続けるのとでは、まったく違った結果になると思わないか?違いを生むのは、「面倒くさそうなことを、行動できるかどうか」なんじゃないかな

中山 順司(2014)お父さんがキモい理由を説明するね―父と娘がガチでトークしました

違いを生むのは、「面倒くさそうなことを、行動できるかどうか」。至極名言だと思います。

合う仕事を見つけるための時間軸の設定

また、上記のこととも関係するのですが、新卒の段階で合う仕事が見つけられないのは当然である、というマインドを持つことも大事だと思います。

就活市場は皆さんを不安に陥れるために、「新卒カードを有効活用しないと将来大変だぞ」と脅してきますが、今や転職は珍しいことではありませんし、今後はむしろそれが積極的に推奨される時代になると思います。

上述するような意味で、様々に動くことが合う仕事を見つけるための条件であるならば、合う仕事は新卒後すぐの仕事ではない蓋然性が高いわけです。なので学生の皆さんは焦らず、卒業後何年かかけて、自分に合う仕事を見つけていけばよいのではないでしょうか。

まとめると

・人生における仕事の位置づけをはっきりさせること
・様々な意味で動くこと
・長い時間軸で構えること

これらが自分に合う仕事を見つけるために必要なことだと思います。



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