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【プール熱の性質と対策とは】

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

本来は夏に流行することが多いプール熱が、最近流行しています。プール熱とは、アデノウイルス感染による「咽頭結膜熱」の俗称で、小児に多いですが大人にも感染します。

アデノウイルスは風邪の原因ウイルスとしても知られますが、51種の型が知られ、呼吸器症状、胃腸症状、眼の症状、出血性膀胱炎、尿道炎、肝炎など様々な症状が報告されています。

アデノウイルスは脂質膜のエンベロープが無いDNAウイルスで、極めて安定しているので、界面活性剤やアルコール除菌剤では完全に不活化出来ません。

完全な不活化には0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液30分浸漬や56℃30分の加熱が有効なので、感染者の体液が付着したタオルなどは洗濯前の次亜塩素酸浸漬処理か、30分以上の乾燥機処理が望ましいです。時間が無い時は、85℃1分以上で不活化しますので、洗濯前に熱湯をかけ1分程度浸しても良いですが、熱傷に気をつけて下さいね。

飛沫、接触伝播が主体ですが乾燥状態で10日は感染性を保つとされており、エアロゾル(微細飛沫)伝播の可能性もあります。「三密」を避けたり手洗い励行などの基本的な感染対策を励行しましょう。

病院受診が勧められますが、通学停止の判断などの為の、咽頭拭い液などによる抗原検査での確定診断をすることが主な目的になります。2023年11月時点で特別な治療法は無く、3-5日で自然に良くなりますが、症状が消えた後もウイルス排出が2日ほど続くことから、学校保健安全法上は症状消失後2日までは出席停止となります。

大人の勤務上は法的制約はありませんが、感染力が極めて強いので、家族にアデノウイルス感染症が発生した場合、お休みにしたりリモートワークに切り替えるなどの対応が望ましいですね。

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