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【神経疾患論文紹介】新しい片頭痛治療薬に効きやすい患者の特徴

2021年1月より順次上市されました新規片頭痛予防薬である抗CGRP関連抗体薬についての最新論文になります。

The Journal of Headache and Pain
Ihara K, et al. J Headache Pain. 2023 Mar 9; 24(1): 23

(抗CGRP抗体関連製剤のまとめについては別稿でまとめたいと思います。)

約1年間日本の慶應大学病院を訪れた方で3か月抗CGRP関連抗体製剤を用いた人を対象としております。治療反応良好群と不良群のそれぞれの特徴について調べてます。

結果を抜粋します。50%以上反応した群(頭痛日数が50%以上減った群)について見ています。
年齢が高い、頭痛日数が少ない、過去の予防薬失敗数が少ない、免疫・リウマチ性疾患の既往がないことが治療反応良好群として有意差がついています。

海外では抗CGRP関連抗体製剤については重症例に対してのみ使用されているようで、日本では本製剤についてはハードルが高くないといえます。
(神経内科専門医や脳神経外科専門医、頭痛専門医、総合内科専門医に認定されている医師が常勤でなくてもその施設にいれば導入できます)

少人数で単施設の後方視の研究である点などがLimitationとして挙げられてます。

海外では(ガルカネズマブによる検討で)トリプタン製剤に反応する例、肥満がない例、片側性頭痛をきたす例で抗CGRP関連抗体製剤が効きやすいとの報告がありましたが、本研究では有意差はありませんでした。

Vernieri.F. Eur J Neurol. 2021
https://onlinelibrary.wiley.com/toc/14681331/2021/0/0

【私見】
私はガルカネズマブしか使用したことがないのですが、特にうつ症状を合併している症例にはよく効く印象があります。様々な病院で本製剤が使われてますので、さらなる研究が期待されます。

最後に英文(抄読会で使用してください)・日本語でのまとめを載せます。

ご覧いただき、誠にありがとうございました。

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